カテゴリ:国内旅景色
富士山の北西麓には、100を超える溶岩洞窟がある。その中に天然記念物で観光用に公開されているものに鳴沢氷穴(なるさわひょうけつ)がある。また、800m東側には同じく天然記念物の富岳風穴もある。いずれも江戸時代から、氷献上品や低温保存に活用されていた空洞だ。 鳴沢氷穴は、富士山の貞観噴火(864年)による玄武岩質溶岩によって作られたガス抜け跡である。全長150の竪穴式空洞で、横穴式の富岳風穴と成因が少し異なる。氷穴奥の天然氷柱を見るためには、高さ91cmの溶岩トンネルをくぐり抜けて、地下21mまで降りることになる。 氷穴深部には「地獄穴」があり、立ち入りが禁止されている。この穴は、江の島岩屋洞窟まで続いているとの伝説がある。源頼家(鎌倉幕府2代将軍候補)が家来に命じて、洞窟を調査させたことに始まる。しかし洞窟の奥は、浅間菩薩の住まいだったことから不法侵入の罪で伊豆修善寺に暗殺されてしまう。 鳴沢氷穴たりうる理由は、(1)青木ケ原樹海に位置し、太陽光が地面に届かない。(2)空洞を厚く覆う玄武岩は、気泡が多く、水が浸み込み易く、凍結すると永久凍土の性状を示す。などである。現在では、観光に人が出入するので、天然氷が少ない。人工氷を運び入れて、文化を再現しているという・・。
写真-1 鳴沢氷穴の入り口区間。青木ケ原樹海に覆われている。 写真-2 高さ91cmの洞窟トンネルと岩石鐘乳。高温水蒸気ガスが抜けた跡。 [ポストカードより]。
写真-3 殆ど溶けかかった氷柱の様子。
写真-4 最深部にある地獄穴。江の島へ続くとの伝説がある。 写真-5 江の島岩屋洞窟。3年前に見学した際に撮影したもの。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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2014年09月27日 10時48分31秒
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