数字や難しい説明でなく、具体的な言葉、それも血の通った言葉こそ、通じる | 目の付け所から広報まで一気通貫で考えるPRコンサルタント 堀 美和子のブログ

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だって人は、心が動かなければ行動しませんもの。
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先週末のブログで、同じ使うなら
「抽象的な言葉より具体的な言葉を」と書きました。


今日は、そんな「具体的な言葉」の中でも特に、

 

「誰が使っても同じ」ではない、
 血の通った言葉ほど、相手に響く、

 

という事例をお話しますね。

 

 


今日も広報ジャーナリスト・堀美和子のブログにお越しくださり、
ありがとうございます。あなたに感謝ですっ!

 

 

 

 

 


あの原発事故の傷跡は、まだ東北の各地に、
とりわけ福島県内に色濃く残っています。

 

いくら「安全」という説明がなされても、
いくら規制値以下の数値が提示されても、

なかなか元通りにはならない。

 

 

 

それは、ツルンとしたのっぺらぼうな説明や、
一見分かりやすそうだが、実は何も語っていない数字が、

 

私たちの心にひっかかってないから、

だと思うんです。

 


(うーん、、、これはこれで、、、コワイ^^;)

 

 

 

そんな、右の耳から入って左から抜けていくような
言葉を聞かされ続けても、

 

そこから何かを受け取る、考える、行動を起こす、、、
にはつながりません。

 

 

 

そんな無味乾燥な情報を聞かされ続けた大人に、
「何かしたい」と思わせたのは、

 

子どもたち一人一人の

「大好き」だったんです。

 

 

 


昨年、福島大学付属小学校5年生の活動が
朝日新聞に載っていました。

 

同小は、福島県等が一昨年まで続けていた
大型観光キャンペーンの「おもてなし隊」に立候補し、

 

県内の温泉で働く人々や県の観光課職員の話を聞いた縁で、
キャンペーンが終わっても自分たちでPRし続けようと決めます。

 

 

小学5年生たちが取った行動は、
仙台駅で「福島の今」を伝えること。

 

 

 

 


大きなターミナルで大人相手に声をかける
彼らの手に握られていたのは、自作のチラシ。

 

 

ある男の子は、大好きで自信を持てるものとして
温泉地のおもてなしのことを書きました。

 

「心のこもったそうじ。
 帰りは見えなくなっても礼をしてくれる。
 行けば分かる!」と。

 

 

 

 

またある女の子は、おばあちゃんのチマキのこと。

 

原発事故後の4年間、
それまで毎年食べていたおばあちゃんのチマキを
食べられなかった、と。

 

米をくるむササを使うのを
おばあちゃんが不安がったから、と。

 


他のどの地方のとも違う福島独特のチマキの絵を
色鉛筆で丁寧に描き、

 

「おばあちゃんがうれしそうに作っていて、
 食べたらやっぱりおいしい。
 家庭の味だけど、福島が誇る味かな」。

 


(「ふるさとのちまき」福島市Webサイトより拝借)

 

 

 


彼らは原発や放射能が
「安全だ」と訴えたわけではありません。

 

それでも、駅前を通る多くの大人が足を止め、
「今度行ってみる」、「おいしそうだね」と
笑顔で話を聞いてくれたのだそうです。

 

 

 


この事例、

子どもが一生懸命大きな声で呼びかけたから
大人は頷いてくれたのでしょうか?

 

もちろん、それもあったと思います。

 

 

けれど逆に、
原発や放射能の“知識”を持つ大人だから、

「それがどうした」と突っぱねてもおかしくなかった。

 

それなのに小学5年生たちを
軽んじることをしなかった。

 

 

 

伝わってますでしょうか?

 

 

 

政府等が声を枯らして「安全」という説明を繰り返すより、
「温泉が好き」、「ちまきがおいしい」が心を動かした。

 

 

心が動いたところにこそ、

何かが生まれます。

 

 

安全でなかったら、
じゃあ、どうやって安全にすればいいのかを考える。

 

安全だったら、じゃあその安全を
どうやって伝えていけばいいのかを考える。

 

そんな一人一人の行動も、そこから生まれるんです。

 

 

大人が逆に小学生に学ばなきゃいけないんじゃないか、
と思わされた事例です。

 

 

 

 

 

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