昨日は長女の誕生日に多数のコメントを頂きまして、ありがとうございます。
本人不在のパーティーでは家族4人でブラックベリーワインを1本、
スパークリングワインを1本空けて、ほろ酔いでございました。
まぁ、本人も仲間に祝ってもらい、なかなか盛大なパーティーだったみたいなので、
記念すべき日にふさわしい一日になったのではないかと思っています。
さて、本日早朝より主人が隣県の実家へ出発し、次女は仕事へ…
私と三女は休日を満喫すると言う環境が整いました。
が…車がない…
電車やバスに乗り込んでまで出かけなくても、大抵のものは近場で事足りているもので、
車中心の生活なんですよ…
家でじっとしている休日かぁ。
たまには歩いてスーパーとか行くのも良いのかなぁ…
ホミン漬けと言うのも悪くないなぁ
そんな事を考えていたら、今日はいつもと違う夫婦を妄想しちゃいました。
蘭珠館、開館いたします。
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家に帰ろう…
僕は僕だけの空間を約束してくれるマンションに、久しぶりに風を入れた。
いつ以来かな…
掃除も行き届いてるし、余計なものがないこの部屋はまるでホテルの一室の様だ。
ユノの部屋に帰るのが日課になった生活は、僕の想像を超える幸せが手に入るが、
時々その幸せを与えてもらうのが当たり前のように感じる自分が、
どこか人間力を衰えさせる気がして、僕はここに逃げ込む事でリセットを試みる。
それにしても…だいぶ時間が空いた気がする。
それだけ僕は、ユノとの生活に依存していたんだと思い知らされて、
生活臭の無いこの部屋に、無理やり観葉植物を持ち込んで調和を計ってみたりする。
どうせまた枯らしてしまうに違いないが…
ソファーに無造作に横たわるカバン。
あれほどユノに口うるさく、すぐに部屋に持って行くよう指示をするくせに、
自分の事となるとこれだ。
いいんだ、すぐに帰るから…
どこかにそんな気持ちに忠実であろうとする自分がいるんだろうか。
コーヒーを入れながら、僕は苦笑する。
別にカップは二つ要らないだろ…
もともとユノはあまりコーヒーも飲まないし、当然その良さも分かっていない。
なのにどうして僕は、あえてここでこんなミスを…
あぁ~…どうかしてるぞシム・チャンミン。
チョン家の嫁が、ここでも顔を出すとはなぁ。
結局僕は二つのカップにコーヒーを注ぎ、熱々と温々を味わうと言う技に出た。
大きなマグカップで解決出来る事を、あえて避けた事に意味を持たせたかった。
温々のカップには、ユノが入れるであろう砂糖とミルクがたっぷりと仕込んである。
テレビをつけて少し賑やかさが戻ったところで、僕は寝室に並ぶ本を物色し始めた。
今日の気分はサスペンスものでも、恋愛ものでもない。
独身女性の何気ない日常を覗き、問題視すべき事に気付かせる自己啓発本…
これに目が留まった。
タイトルは『不満がないという不満』
これに没頭すれば、僕は自分の部屋で朝を迎える事が出来る。
自分の部屋に泊まり…ユノの部屋に帰る…
この言葉の使い方が間違っていると、ちゃんと認識してる事を確かめる作業に、
お酒も夜食もいらない…
そうだ…シャワーを浴びよう。
そうすればもう外に出るのも億劫だし、
本を読みながら眠くなったら、いつでもベッドに滑り込める。
僕はそう決めて本を開かずに、まずはシャワーを浴びる事に決めた。
その時だ。
ピンポ~ン
僕の決意をくじかせるように、そのチャイムは鳴り響いた。
誰??
来客の予定なんかないし連絡も入っていない。
だいたいこんな時間に来るやつと言えば、母さんか酔っぱらったキュヒョンくらいだ…
そう思いながらモニターを覗くと…
は???
あ…怪しいやつ!!
僕は一瞬のけ反った。
『開けて~、合い鍵忘れちゃったんだ。』
何かとてつもない空気が、僕の計画をことごとく台無しにしそうな予感がする。
僕はロックを解除しその問題たる人物を玄関で待ち構えると、
その男はサングラスもマスクも外した状態で、
両手の荷物を高々と上げ『来てやったぞ!!』観を押し付けてくる。
『何??どうしてここにいるの。
今日はこっちに泊まるからって言ったでしょ。』
熟年夫婦か!!
心の中でそうつぶやいた。
『泊まるから…じゃなくて泊まるかもって言ったんだぞ、チャンミンは。
それに、今夜はユノも好きに過ごして…って言っただろ??
だから俺は俺の好きにしてる!!』
屁理屈を…こんな時間に押し掛けておいて…
『お前まだ夜食食ってないだろ。
から揚げとビール買って来たからさぁ、一緒に食おうぜ!!』
あぁ…ユノ…
僕はこれから読書タイムに入る予定なんだ。
そこで僕が何を感じ、どう答えを出すのかを見届けたいのに…
ビールを飲んだらタクシーで帰れともいえないし、これじゃ結局いつもの夜と一緒じゃないか。
嬉しいよ…来てくれたことは嬉しいけど、
僕には僕の考えもあるわけで、それを確認もしないでこの時間に訪問は反則でしょ。
今日のそれぞれの仕事の報告??
そんなの明日会ってからでも出来るって!!
『この皿使ってイイか??』
人の話、全然聞いてないし!!!
もう~~~!!
迷惑そうな言葉とは裏腹に、僕の混乱はどうやら歓迎に映るらしい。
笑ってない…笑ってないってば。
ユノが普段は決して自分から足を踏み入れないキッチンで、
持ち主の了解も得ずボードを開けて皿の準備に取り掛かる。
まったくもう…
人の話は聞きもしないくせに、
自分の事となると黙って聞けってか?
ユノの一方的な活動報告が始まった。
僕はソファーに座ったまま、細々と動くユノを眺め、
あくまでこの部屋の主を貫いていた。
『それでさぁそのイベントって言うのが面白くて、何で俺なのかって思っ…』
何??
イベントがどうしたって??
急に口をつぐみ一点を見つめるユノに、僕は渋々話の催促に乗り出した。
『チャンミン…今日ここに誰か来たの??』
それは意外な質問だった。
『何言ってるんですか?誰も来ませんよ。』
ユノはそれでも固まったまま、一点を見つめている。
『じゃぁどうして二人分のコーヒーカップがあるんだよ…』
あ…しまった…
僕としたことが、あとで洗えば良いとそのままにしておいたコーヒーカップを…
無意識に二つ用意したけど独りで使う事になったコーヒーカップを…
まさかユノに見つかるなんて…
『違うんだユノ…それは僕の条件反射で…その…』
『ここに泊まるかもって…そう言う事??』
『そういう事ってどういう事よ!!
僕はユノに顔向けできない事なんかしてない!!』
『しかも…砂糖のスティックまで…
チャンミンは砂糖を入れないのに…』
『…両方味わってみたかっただけだし!!
そもそもカップを二つ用意したのだって、いつもの習慣がそうさせたんだし!!
ユノのいないこの部屋で、ユノの分までカップを用意した自分を突っ込んだところで、
誰も笑ってくれないし!!
おまけに甘すぎるコーヒーはちっともおいしくないし…
テレビをつけても全然頭に入らないし…
ユノ今頃どうしてるかなって…それで…読みたくもない本を引っ張り出して…』
僕は何を言ってるんだろう…
僕は釈然としないユノの言葉に食って掛かった。
『無理はするな…一緒にいたいという気持ちだけで動けば良いじゃないか。
誰に遠慮するんだよ。
俺はお前のそう言うところが歯がゆくて、見てられないんだ。』
『ユノ…??』
『お前…こうやってカップを二つ用意する癖…
俺のドラマが忙しかった頃も何度かあったろ。』
鋭い指摘に僕は言葉を失った。
『カゴに二つ伏せてるのを見た時、すぐに気付いたよ。
いろんな思いを抱えてるんだろうなって…』
やめて…
僕が寂しい人みたいじゃないか!!
『何でも一人で解決しようとするな。
俺達は世間がなんて思おうと、夫婦なんだから。』
『ユノ…それで今日、ここに??』
カッコ悪い…そう思いながら、僕は素直が加速して行く自分を、
どうする事も出来なかった。
『違うよ…
俺は、俺の気持ちに従っただけだ。
一日だって離れたくないって思ったら、押し掛けるだろ普通!!』
ん~~~んんん~~~~~!!!
僕やっぱり、幸せに浸かっていたい~~
『帰ろうユノ!!
帰ってこの夜食食べよう!!
食べて元気になって、熱いシャワーでもっと元気になって、そして…そして…』
『二人で火の粉をかぶろう…』
『うん!!』
『もう…幸せに怯えるんじゃないぞ。』
『うん!!』
僕は15秒で洗い物を済ませ、
皿に並んだままのから揚げをそのまま袋に突っ込んで、ユノに持たせた。
『ちょっと待っててね。』
もう一つ用意した袋には…
『これ、あっちで育てるんだ。
もうここには必要ないから…』
僕の幸せは…
もう僕だけの物じゃないんだね、ユノ…
僕はユノの車の助手席で、から揚げを頬張りそう呟いた。
半分しか残っていない夜食は、たぶん残りの半分も僕の物になるだろうが…
END
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いやぁ…女特有の一人ヒロインを演じた嫁様に、
面倒がる事もなく付き合ってくれた夫は、キャラじゃないですかねぇ??
普段はポヤポヤしていたり、天然で嫁をイライラさせることの多い夫ですが、
時々どうした??と思えるほど的を射た男らしさを発揮していたら…
それはもう嫁は溺れるでしょうね。
ところでユノの引っ越しはどうなったのでしょうか…??
私は絶対チャンミンの荷物も運ばれると信じていますけど!!
それでは本日の蘭珠館、これにて閉館でございます。
またのお越しをお待ちいたしております。
お出口ご案内は…
『いいか、俺が左足をこう上げたら、お前は右手をここにガッと差し入れる!!』
『右手をガッとですね!!』
今日は夫が主導権を握ったようで…
激しい短期決戦が予想されますので、少々お待ちくださいませ。
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