雪の中の告白 | TVXQ蘭珠館…その扉を開けたなら…

TVXQ蘭珠館…その扉を開けたなら…

さあ愛でなさい。
ホミン信者の思いをギュッと詰め込んだ館です。

いらっしゃいませ、TVXQ蘭珠館へようこそ。

 

年が明けて早くも今日は17日。

昨年の矢のように過ぎた時間の速さも驚きましたが、

今年もあれよあれよと言う間に春になり、

気が付いたらユノがもう活動を再開してた…なんてことになり兼ねない。

そんな焦りのようなものを感じる蘭珠です。

 

スロースターターなんて言葉で逃げてばかりでは、

今度こそユノ、チャンミンに報告できることが何一つないままに、年が暮れて行きそうです。

 

ここ数年、見ないふりをしてきた『努力』の二文字は、

社交辞令の為にあるんじゃないんですよね。

人間最後はやっぱり努力で何かを成し遂げるって事、分かってて避けてきた自分に、

今年は喝を入れて行きたいと思います。

 

蘭珠館も別件も、そして家庭も、

ベタではありますが、心掛け一つで進歩すると信じています。

 

まだ夢の途中ですから、伸びしろは私にもあるんじゃないかなって乙女のトキメキ

 

 

 

さぁそれではユノロイドの進歩を確認いたしましょうね。

今日はちょっといつもとは違いますよ~

 

 

 

 

蘭珠館、開館いたします。

 

 

★─☆。o゚。★─☆。o゚。★─☆。o゚。★─☆。o゚。★─☆。o゚。★─☆。o゚。

 

 

雪でぬかるんだ歩道を大股で飛び越え、

僕はマンションのエントランスでアーミーキャップを深くかぶりなおした。

 

セキュリティーが充実しているとは言っても、

いつどこで人間の好奇心が暴力的に高まるか分からないこの時代。

我が家の玄関ドアが開くまでは、無防備をさらすことなく神経を研ぎ澄ますのが、

芸能人の僕達の日課だ。

 

僕の意識はエントランスを抜けてエレベーターへと移った。

あと少しでこの窮屈なコートも脱げるし、

手づかみでキムチを頬張る事も出来る。

しかしまだ油断は禁物だ。

 

そんなアンテナを張り巡らせた僕の背中は、

警戒心をまとっていつになく丸い。

 

だが、エレベーターの呼び出しボタンに手をかけようとした瞬間、

僕のセンサーがある声に反応した。

 

 

『チャンミン』

 

 

聞き覚えのある声に過剰なまでのリアクションで振り向くと、

そこにいたのはユノ…ではなくユノロイドだった。

 

僕は一瞬にして、喜びと落胆を彼にさらしたのだと思う。

 

 

『分かりやすい奴だなぁ。』

 

 

ユノロイドは僕の態度を苦笑いでやり過ごし、

両手いっぱいに抱え込んだ荷物を誇らしげにアピールする。

 

 

『何です??その荷物。』

 

 

『お前と雪を見に行こうと思って、弁当作って待ってたんだ。

今日なら人も少ないだろうから、これから車で河川公園に繰り出そうぜ!』

 

 

『雪??どうしてわざわざ雪なの??』

 

 

『イイだろ!

久しぶりに2人で出かけようよ。』

 

 

久しぶりに…と言われて、僕は思わず言葉に詰まる。

ユノの記憶から言えば、確かに2人で出かけるのは初めての事じゃない。

 

でも…僕にとってはアンドロイドと外出なんて、ただの一度も経験がないし、

それどころか生活の中でも未知な部分が多いのに、

外で何かあったら僕一人で対処できるか、それが心配だった。

 

 

『さぁ行くぞ!』

 

 

腰が引けている僕にはお構いなしに、

ユノロイドは大荷物で僕の背中を押し、駐車場を目指す。

 

こんな事なら、事前にもっとユノロイドの生態をリサーチしておくんだった。

 

僕が自分の身を守るために、必要最低限のコミュニケーションで過ごしたこの一年が、

まさかこんな形で裏目に出るとは…

僕の唯一の救いは、ユノロイドが決して踏み込まなかった夫婦と言う枠が、

今もなお確実に僕達を隔てていることだ。

 

めったなことはしないと思うけど…

 

気が付けば僕は、ユノの運転する車の助手席で、

綺麗にそろえた両足に力を込めていた。

 

 

 

 

予感なんてしてないけど…念のため。

 

 

 

 

河川公園には雪の影響があっても、ものの15分ほどで到着した。

 

ユノロイドの読み通り、駐車している他の車も2台ほどで、

いつかユノと夜のデートに来た時と同じくらい、閑散としていた。

 

 

『腹減ったろ。

あったかいスープもあるから、いっぱい食え。』

 

 

ユノロイドは後部座席に回って、僕に海苔巻きの詰まった容器を差し出した。

それを膝の上に配置するも、次々とおかずの容器もやってきて、

必然的に運転席がお弁当で埋まった。

 

助手席の僕と後部座席のユノロイドと言う、奇妙な位置関係が続く中で始まった食事。

彼が後方から手を伸ばすたび息がとまる僕は、

もはや食事のおいしさを味わう余裕などない。

おまけにやたらと以前ここに来た話を絡めて来て、

僕はそのうち返事もしなくなった。

 

記憶の中の思い出は僕と共通なのだから、

あの日の会話やイチゴ味のシュークリームに手こずった事件の事も、

ユノロイドの頭の中に、映像として広がっている事だろう。

そうすればいずれ…このシートが倒れて…

 

僕は味のない生ハムを熱いスープで流し込んで、

何とかこの気まずい雰囲気を払拭しようと策を練る。

 

雪遊び…それしかない。

 

除雪された形跡はあるものの、また新雪で覆われた駐車場には、

足跡の一番乗りを競って楽しんだあの子供の頃と同じように、

ただ真っ直ぐに白のキャンバスが続いていた。

 

描くのは大人になった僕の、戸惑い気味の足跡。

ごちそうさまの言葉を合図に僕は外に飛び出して、照れながら蛇行した。

 

 

すぐに後を追ってくると思っていたユノロイドは、

僕の足跡のスタート地点に立ったまま、ずっと僕を見守っている。

その表情は優しくもあり寂しげでもあり、

ただ雪を見るためにこの場所を選んだとは思えない、そんな何かを含んだ眼差しだった。

 

2人の白い息が確認できる距離まで近づいても、

ユノロイドは一向に遊びに参加しない。

 

僕は拍子抜けのお返しに、雪玉を作ってユノロイドを狙った。

 

すると彼は、左腕で花火のように飛び散った雪玉にやっとその気になったのか…

突然に走り出して、まだ足を踏み入れていない場所に大の字に寝転んだ。

 

ありがちな光景。

 

自然に引き寄せられる僕の足は、ユノロイドの隣に何の違和感もなく滑り込む。

2人の弾む息だけが薄闇の中に響いて、少しだけ安堵感が湧いてきた。

 

少しだけ…って事は、ほぼ警戒心の方が多いって事だけど、

僕はこれでもだいぶ譲歩したつもりだ。

 

 

 

 

『チャンミン…

今日の俺の記憶はいずれ消去される日が来る。

だからお前も忘れろ。』

 

 

ち、近っ!!

 

 

ユノロイドの顔が僕の真上にあった。

 

しかし僕の口から出たのは、意外にも…

 

 

『どういう…こと?』

 

 

密着に近いユノロイドの体がふっと僕を離れるのが分かった。

全力で拒む隙も与えず、ただ一瞬の儚い思い出が雪のように消えた。

 

 

『こういう記憶は、不具合につながるチリがたまりやすいらしい。

進化型ってその働きは昔の比じゃないけど、

その分繊細でメンテナンスが複雑なんだ。』

 

 

つまり…なに??

これまで一線を引いていたのはユノロイドも同じってこと?

 

 

僕は背中に感じる雪の冷たさより、

胸の奥に凍り付く彼の発言の重さが痛かった。

 

助手席で緊張していた自分が恥ずかしい…

安堵感なんてそもそも感じるほど交わってもいなかった自意識過剰な自分を隠しながら、

僕は彼にかける言葉を探した。

 

 

 

 

『アンドロイドも、いろいろ大変なんだね…』

 

 

その場に適切かどうかはさておき、

僕はそのシステムによって、二人が傷つくことだけは避けたいと、

アンドロイドの性に寄り添う言葉を伝えた。

 

 

二つ並んだ大の字が、いまはまだ僕達の目の前にある。

 

消されると分かっている思い出が、少しでも長くとどまるように、

僕はこれからどうすればいいのだろう…

 

 

続く

 

 

★─☆。o゚。★─☆。o゚。★─☆。o゚。★─☆。o゚。★─☆。o゚。★─☆。o゚。

 

 

 

おや??

 

おやおや???

 

 

そういう事だったわけ!?

 

それじゃあんな事やこんな事は起きないってことだけど、

起きそうになったらユノロイドはどうなってしまうのかしら??

 

チャンミンが今後の接し方を考えて行かなきゃいけないと思っていますが、

果たしてそれが二人の為になるかどうかは分かりません。

 

 

ちょっと深くなってきましたね、アンドロイドとの生活!

 

 

それでは本日の蘭珠館、これにて閉館いたします。

 

またのお越しをお待ちいたしております。

 

お出口ご案内は…

 

 

 

 

どこ行った??

ユノロイドのシリアス感!!

 

アンドロイドの生態が謎過ぎる為、もう一度説明書を読んで参りますので、

少しお待ちください!

 

 

 

 

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