低いボール | 窪田テニス教室

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皆さんの技術向上のキッカケぐらいになればと思います。
内容は指導者向けかもしれません。
はじめての方はテーマ欄の「注意事項」をすべて読んでください。


以下、質問コメントです。


1. 低い打点

(中略)

グリップはバックイースタン、フォアウエスタンです。

 相手のリターンダッシュなどで(速い、低い、深い)スライスに対してバックの順回転でパスを打つ場合や(低い、浅い)スライスをスピンで打つ場合も上体を前傾させた方が良いのでしょうか?もし、上記の動きが正しいのなら(意識的に上体を倒すのか?)(他の部分によって倒されるのか?)(低いので勝手に倒れるのか?)教えて頂けないでしょうか?

 また、フォアの場合、上体の角度を立てた場合はインパクトゾーンで打球面が下を向きやすいと感じました。これは薄いあたりになる一因と感じましたが正しいでしょうか?
小梅 2014-04-13 07:43:20


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バックから説明します。

片手バックで低いボールをトップスピンで打つ方法は、ザックリ分けて2つあります。


・身体を傾ける人は、肩を支点に腕を振り上げるスイングをメイン使う

何かを上げたいなら、何かを落とす。

ラケットと腕を振り上げる瞬間、それと引き換えに身体を傾ける(落とす)と楽になります。

打球する瞬間、足が浮いた状態(重さから解放)になります。

ポイントは、打球直前までに「身体を傾ける(落とす)ための、空き(高さ)」があるかどうかです。

振り出す前から身体が傾き過ぎていると、それ以上傾くことはできません。

膝はある程度曲ったままで、股関節から身体を傾けることもあれば、足全体を畳んで身体を傾けることもあります。

これを意識的にやるのか?

特に考えませんね。

私の場合は、ただ単に「楽したい」という一心です。腕とラケットを振り上げるときの重さを感じたくない。これは、鋭いスイングをするときに共通する考え。

ちなみに、ボールが腰の高さぐらいの場合、身体を立てたままで、ラケットを振り上げると同時に、足を緩めて(=身体を落として)トップスピンを打つのも楽です。これも落とすための高さがあるかどうかがポイントです。

下手な人は、ラケットが振り上がると同時に、足を伸ばして身体まで一緒に上げようとします。これは、ラケットの振り落としと同時に、足を緩めて(身体を落として)います。打球する瞬間、地面に足を掴まれているような束縛感があるでしょう。


・身体を傾けない人は、肩の外旋をメインに使うことが多い

肩の外旋をメインに使う人は、身体から遠くで打つのが必須。

「身体が傾く=ボールに近くなる」と肩は回旋しにくいので注意。回旋するのが遅れることが多い。

(ギリギリ届くような遠いボールを打つときは、肩の外旋がメインでも身体を傾いてしまうことがあります。この場合は、足を止めずに「打球しながら通り抜ける」ようにすると良いです。下手な人は、右爪先で踏ん張ったまま、右手先に力を入れてラケットヘッドを立てようとします。これはテニスエルボーの原因になるでしょう。)

右肩の外旋をメインにする人の特徴は、「バックスイングが高い」「バックスイングが深い」「右腕は、打ち終わりよりも、バックスイング完了時のほうが高い」ことです。

バックスイングを大きめにしないと「低い位置=早いタイミング」でラケットヘッドを立てることはできません。

(低いボールに対して、低くラケットをセットするのはダメです。バックスイングが十分でないのに右肩の外旋を使うと、肘が痛くなります。バックスイングの勢いが足りない分、筋力を使ってしまう。)

これは過去記事「片手バックハンドの高さ調整」に書いている高いボールを打つときの動きがそのまま低いボールにも使えます。参考にどうぞ。


他にも方法はありますが、とりあえずこれらを両方実践して様子をみてください。(バックのイースタンだと身体を傾けるほうがやりやすいことが多いです。)


次にフォアです。

ポイントを二つ書きます。まずはそれを実践してください。

・早めに右足をボールのほうに近づけて、オープンスタンスで打つ

このとき身体は仰け反るぐらいのイメージで。

身体はあまり開かない(ネット側にターンしない)ほうが良いです。左足をネット側に軽く上げながら打球するとブレーキがかかります。

左足を前に出した(ボールのほうに近づけた)場合、左足に一旦体重は載せた後、打球するときは右足に(後ろ足)に戻してください。このときも身体はあまり開かないほうが良いです。


・トップスピンではなく、サイドスピンを打とうとする

過去記事に書いている腕の動きでやっているならば、低いボールはサイドスピンになるはずです。

(厚めのグリップで)低いボールが苦手な人の多くは、「ラケットを振り上げる=ボールを持ち上げる」という動き(意識)が強い。

低いボールを叩くことができる人は、右腕を落とすように使います。

右腕が低い位置に行っても、右腕自体が回旋していればヘッドは上がります。

もし、右腕の筋力を使うなら、打球の直前に右肩を支点とした右腕の動きにブレーキをかけることです。

「右腕が止まる=グリップが止まる=(手先の力を抜いていれば)ラケットヘッドが走る」