高いボールを薄いグリップで | 窪田テニス教室

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皆さんの技術向上のキッカケぐらいになればと思います。
内容は指導者向けかもしれません。
はじめての方はテーマ欄の「注意事項」をすべて読んでください。


以下、質問コメントです。

(中略)
今現在のグリップはコンチネンタル〜イースタンで、低い球は打ち易いのですが薄いグリップなので、高いスピンがかかった相手の球がメッキり打つことができません。また、どうしても面が上に向きやすいので、スピンもかけ難く、吹かすアウトが多くなってしまうのも悩みです。

と言いますが、実はつい半年前に、極端なエキストリームウエスタングリップから薄いグリップに変えたばかりです。前まではスピンはよく掛かるものの、前への推進力がなく、弱々しい球になりがちで、フレームショットも多すぎて、厚く気持ち良くラケットの感触を感じる事ができなかった為、思い切ってグリップを替えました。
特にプレッシャーがかかった時に、面に当てるだけのようなスロースイングになる癖も起因してると思います。今のグリップの方が打点時の感触が気持ち良く打てています。
最近は、セミウエスタングリップに変えようとトライしてますが、ビビって球を上手く捉える事ができず、右方向に大きくアウトしてしまいます。時々、やはり極端に厚いグリップの方が自分に合ってるかと思い、元のグリップで試してみますが、カシュっとする当たってない様な感触がどうにも気持ち悪く、元にも戻る事も出来なくなりました。
(中略)

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参考になりそうなことを書いてみます。

薄めのグリップで、高めのボールを打つ場合、打球直前の面の向きをコートに対して右向きにしてください。ボールに当たるギリギリのタイミングまで。

薄めのグリップで、打球直前にコートに対して右向きの面を作る右腕の状態(右腕の高さ、右肘と手首の伸び具合)は一つしかないので、ここでの勘違いはないと思います。

これ以外の右腕の動きは使えません。右に大きくアウトか、それが怖くてネットかになるでしょう。

ここでのポイントです。厚いグリップでやっていた経験があると、「この右腕の状態=身体がネット側にターン」となりやすいです。

身体がネット側に鋭くターンすると、右前腕が外側に回旋させられます。

右肩と右前腕がダブルで外側に回旋し過ぎると、薄めのグリップの場合、面が右斜め上向きになります。これが右上にアウトする原因。

面がコートに対して右向きになるまで、身体はネット側にターンをしないほうが良いです

それから、スイングしながら体重をネット方向にするのも注意が必要。

これも右腕が回旋し過ぎて、面が上向きになりやすいです。

面がコートに対して右向きになるまでは、体重は右足のまま、または体重移動なしが良いです。

スイング序盤から中盤まではこの2つに注意してください。

スイング中盤は(面が右向きになった後)、「ラケットヘッドを上げる=グリップを下げる」右肩(=右胸)の動きがメインで打球できれば、右にアウトすることはないです。

これをせずに、ラケットをネット方向に押し続けると右方向にミス(ネットもアウトも)する可能性があります。

スイング終盤は、グリップが左腰の辺りに落ちてくるようにします。

スイング中盤で、グリップを下げずにラケットヘッドを上げてしまう人は、当たりが薄くなります。カスカスのスピン。

この場合のスイング終盤は、右肘が上がって(=右脇が開き)、ラケットフェイスが左腰に来ます。これは、どのグリップの持ち方でも同じことが起こります。

打球しながらグリップを下げるほど、ラケットヘッドの上がり幅が抑えられ(順回転が少なくなり)、フラット系の速いボールになるでしょう。


グリップを変えるのは、根気がいるような気がしますが、そのグリップにあった動き方がわかればすぐに変えることは可能です。

コツは、未練を持たないことです。せっかく薄いグリップでやろうとしたのに、また厚いグリップに戻ってしまうと混乱しただけになります。

薄いグリップでやると決めたなら、「グリップの持ち方は薄いグリップしか存在しない」と思ってやるべきです。

厚すぎるグリップはやめたほうが良いです。私のオススメは、イースタングリップ。楽です。


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