実は夫、フランスから帰ってから気持ちがずっと低空飛行やねん。
まぁ、またホームシックみたいな感じやな。
そこへ季節的なもんもあって、気分が鬱々してる。
さらに、職場では昨年末からマネージャーの肩書を受けて、成果を出そうとずっと頑張ってきたのが一応結果を出した。これにはやはりプレッシャーや不安や色々あったわけで。
でもどっちかっつーと小規模な会社やから、CEOふたりの気まぐれな変更だのなんだのに夫は振り回されて、ずっとイライラしてたりする。
もちっとパシッと筋道立てて目標目指して一直線にできんもんか、と夫はず〜っと不満を持ってるねん。
うちに言わせたら、「ちゃんとした給料もろてるから、細かいこと気にせんと(テキトーにやっとき)」ってとこやね。
どんな職場でも、だいたいは大なり小なり問題はあるやろうし、100%満足できる仕事に就いてる人は少数派になるやろ。
生真面目な夫は、ホームシックもあってなんかやつれてしもた。
そして、今日。
CEOの一人、若い方(50代)のK氏が夫と話をして、尋ねてきた。
「大丈夫か〜?」「なんか気になることあらへんか〜?」←アリすぎですねんけど
最初は大丈夫を装ってた夫やけど、2回目にK氏と話す機会があった時に、自分の気持ちと状況を伝えてん。
K氏は「そうか…よう話してくれたなぁ」と深くうなづく。
以前にも似たような悩みの相談相手になってくれてたんよね、このおっさん。
K氏はうちとも何回も会ってるねん。会社のピクニックとか、K氏のおごりでうちら夫婦(+ちび達)とランチとか、ごくたま〜にK氏家族とディナーとか。
彼は見た目は中東臭皆無なペルシア系で、プーチンを黒髪にしてもちっと人間らしくしたような感じやな。
うちから見ても、K氏は夫をすごく買ってくれてるのがようわかる。
ここはアメリカやのに、フランス風に休暇を(3週間は無理でも)2週間まとめて出してくれたり、年末年始も夫は他の人らより長めに休ませてもろたり。
そのK氏が、夫に言う。
「助けになりたいねんけどね」「なんか欲しいもんあるか?」「なんでもええで、言うてみ」
夫はその気持を嬉しく思う(うちならもっともっと給料上げてくれとすかさず…)。
で、夫がうちに続けて語る「ほんで、Kがハグしてきてん」
うち「そっか、よっぽど心配なんやな」
夫「で、Kが "I love you" て言うてん」
うち「せやな、Kはあんたのことすごい愛してるからな〜。うち、いつもそう言うとるやろ」
夫「で、Kがキスしてん」
うち「あはは〜」
うち「…それ…どこに?」
夫「首筋」
うち「口やなかったんやな〜」
夫「あれ、どういう意味なんやろな」
うち「Kもあんたのこと、むっちゃ好きやからな」
と、夕食前に会話。
それから楽しく夕食して、子供ら寝かしつけだの洗い物だの夫婦で分担して嵐の時間が過ぎ去り、やっとこさうちはシャワーした。
シャワーしながら、ふと会話を反芻してみたんやけどさ…
やばくね?
BLの世界に入ってへんやんね?
K氏には知的で素敵な奥さんと、4人の賢く可愛いお子さんいてはるねん。
まさかね?
うちの夫って、そっち系の人に言い寄られるようなタイプやないと思うんやけど、うち自身があっちの世界とまったく無縁なんで、“タイプ”って事自体ようわからん。
夫とプーチン。
似合わん!
っちゅーか、うちも反応遅い鈍い?
多分K氏にとって夫はむっちゃ可愛い弟みたいなもんなんやろう、とうちは以前から考えてるねんけど。
ちょい憔悴した感じの夫についつい「愛い奴め、近う寄れ」てなのですか?
とりあえず、今後K氏に会う時は今日のことは知らなかったことにしとこ。
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