不動産鑑定士、鑑定事務所で働くのに必要な能力 | 『士』業で成功にトライアル中

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士業とは具体的には不動産鑑定士と土地家屋調査士ですが、様々な自己啓発本でロバートキヨサキ氏のいう『B』クワドラントが勧めてありますが、私があえて士業で独立した理由、そうなった過程、なぜ士業がよいと思うのかなどを書いて行きます。

私は、不動産鑑定士ですが以前は宅建業者で働いてました。
宅建業者は住宅の再販事業中心でしたので、売るものが同僚ともライバル業者とも同じものはないので(不動産だから)、不動産が売れたのは、営業や企画の力なのか、不動産の持ってるポテンシャルなのか、どっちかわかりませんでした(まぁほとんど不動産のポテンシャルなんでしょうね)。

今の仕事は、評価する対象は様々ですが、出てくる試算表や本文は同じようなフォーマットに乗せて作業をするので、できる人できない人の比較がしやすいです。

同じ作業しても
時間がかかる人とかからない人
ミスがない人とミスが多い人
資料整理がきれいな人と資料整理が汚い人
がいて、すごい比較しやすいです。
私がいる大手不動産鑑定士事務所は、評価対象が毎回同じような貸家およびその敷地だし、フォーマットが整ってるので、比較しやすいというのもあります。
そして、比べる対象の後輩も多いです。

そんな中で見えてきた不動産鑑定士に必要な能力(不動産鑑定士事務所で働く際に求められる能力)を書いてみます。

まずは、当たり前ですが、
①価格感、マーケット感覚に長けてること(値付けのセンス、不動産屋のセンスっていうのですかね)
です。
どんなにエクセル作業ミスなく早くこなせても、価格がストライクに入れれないと不動産鑑定士としてはだめですよね。
もちろん価格にたどり着くまでの価格形成要因がどういう影響(どっちのベクトルなのか)の判断もきちんと出来ないといけません。
例えば、土地の規模が周りと比べて大きい小さいという要因について、価格をプラスにするのかマイナスにするのかという判断です。
答えは場所によります。
こういう判断は、不動産業未経験者はわかってないことが多いですが、そんな中でもセンスがある人は早い段階からわかってきます。
ちなみに、この能力を早くつけるためには…
不動産屋にヒアリングを重ねるしかないですね。
私でも田舎とか都会の間の立地で、土地の規模がどっちの影響を与えるかの悩む時は不動産屋にヒアリングします。

次は、やはり
②丁寧な仕事が出来る人
です。
価格感に長けてても、エクセル作業、資料整理が雑だとミスして、適切な価格の書いてある鑑定評価書でも誤字脱字や計算間違いしてるかもしれません。
エクセルは本とか読んで知識を増やし、ミスらない対策を積み上げていくしかないです。
あと、資料整理が雑だと、見返したとき、チェックに回した時に、資料をちゃんと見ることが出来ず、ミスをしていても取り返すことができません。

③鑑定評価基準の正確な理解出来ていること。
価格が合ってても、正確な鑑定評価の手順の踏めていない評価書は説得力に欠けます。
基準の理解が足りないと先輩鑑定士に認めてもらえれないし、国交省の立ち入り検査で指摘をうけるかもしれません。
対策としは、受験時代にしっかり勉強しとくことですか?
合格後も基準改正されたら、きちんと勉強する姿勢をもつことです。

ここまでの①②③は、ある意味誰でも想像できた内容かもしれません。

④は、
いい文章の書ける人
です。
価格が適切でミスがなく鑑定評価の手順を踏めてても、分析の文章が稚拙だといい不動産鑑定士とは呼ばれないと思います。
かゆいところに手が届くような言葉使いや表現で対象不動産の価格形成要因の分析をしてあげる語彙力がないとあまり認められないかもしれません。

⑤は、コミニケーション能力です。
どんなにいい評価書書いてても、コミニケーション能力がないとお客さんに評価書の説明が出来ないです。
また、会話が出来ず新しい仕事が取れなかったらいい評価書を作るチャンスはうまれません。

⑤は、実は、地方で独立するなら不要な能力で、協会内で媚びを売る能力の方が必要です。

ちなみに、私が全てを兼ね備えているという話ではありません。
なぜこんな話を書いたかと言いますと、後輩を見ていて、
分析の文章は上手だけど、ミスだらけの子
価格感は抜群でミスもないけど、文章の下手な子
ミスもなく文章も上手だけど、基準の理解が足りない子
がいるからです。
上記①から④のうち2つは出来てないと仕事頼む気になれませんね。
⑤は、仕事をとってこれるかどうかの話につながるので、鑑定士登録前のときは不要な能力ですし、サラリーマン鑑定士なら他の人がとってきた仕事が回しもらえればいい話なので、なくてもなんとかやっていけます。

ちなみに、前のブログで書いた通り要領人間なので、自分の聞きたいことだけ聞いて、話すべきと思うことだけ話す傾向にあるので、⑤の能力の一部が欠けているところを自覚しています。
お客さんから聞かれたことを説明したりとか、ごりごり営業をかけることはできますが、
知識の乏しい人向けのプレゼン資料を作るとかプレゼンするとかは苦手です。

強みと弱みを自覚し、伸ばせれるところは伸ばせるように努力していけばきっといい不動産鑑定士になれます。