2017年5月12日金曜日

日本のPTA

朝の外来が始まる直前に看護師さん達が数人で私の後ろで話していることが耳に入ってきました。

どうやら学校のPTAの話のようで、役員や係をしなければならないことが大変だということを色々と話していました。私達が子供達をアメリカで育てていた間も確かに普通にPTA活動というのはありましたが、どの学校であっても我々の子供達が通っていたパブリックスクールではPTA活動は”完全な”ボランティアベースして、行かない人しない人は全く学校教育には参加しないというのが比較的当たり前でした。

勿論、それを補って余りあるアクティブな親御さんたちが沢山いて、クラスに普通に入って日本で言う所のteaching assistantをみっちり何年もやり続けられる方もごく普通に居られまして、米国に来た当初驚いた経験があります。しかし、それも慣れてくるとそういったことが当たり前と言う感覚になってしまっていました。

アメリカは流石に「自分たちの手と選択」で国を作ってきただけあって、人がどう言おうとボランティアベースの活動で正しいと思われることは言われなくとも毎年毎年、自然発生的に組み上げられていく素晴らしい大人の仕組みが成り立っていました。

翻って日本。

今日の看護師さん達は子持ちのお母さん達でもあるわけですが、話を聞いてみると全員参加のクジ引きの等という仕組みで、誰が何と言おうと持ちまわりは年に一回巡ってきて、なんのためにあるかもよく理解できないような役職も含めて楽なものから我先に挙手とじゃんけん、クジ引きの世界で決めていくという一言「お前らアホか?」の話のオンパレード。

やっぱり借り物の民主主義では何も育っていないのだなと言うことがヒシヒシと伝わってくるような話でした。意味のないことでも同調圧力に負けて事勿れ式に仕事をしていく所は最終的には時代遅れで意味が無いことでも次々に時代を超えて引き継がれ、もはや何の意味もない本来の趣旨などとうの昔に忘れられたようなことでも十年、二十年と引き継がれ申し送られるという極めて日本的な話でした。

人質は自分の子供達であって、これに不参加だったり否定的なことを言うと「みんな我慢してやっているんだからあんたもしないというのはズルい、許せない」という事になるんだそうですよ。w

何時まで経っても内面は子供。マッカーサーに12歳の集団といわれ、(未だ成長の余地があると言う意味で)それからほぼ70年。なーんにも成長しませんでしたとさ。w

民主主義と合議制の中身が全くわかっていない。合意の形成に至るまでの長期の冷静な討論の訓練の欠如などは本当に日本国内だけで生まれ育ったかなり多くの人に共通する救い難い未熟な部分だと強く思うのですが、外の世界と比較したことがないのでしょう、それが欠陥だとは気づいておられないようで、未熟な事なかれ主義がそのまま民主主義だという惨めさ。

同調圧力何するものぞというふうに育った娘達が日本でPTAしたら怒りで発狂するでしょうな。w
少なくともPTA活動に関しては日本で子育てすることがなくてよかったのかも?わかりませんが。

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6 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

幼稚園1年目、入園式のあとの役員決めで担任の先生からいきなり「○○さん、いかがですか?」
とふられて焦ったことがあります。
幼稚園だと一人っ子とか、下に小さいお子さんがいない人が指名されがちなんですよ。
(小学校以降だと専業主婦が指名されがちですが立候補率も上がります。)
そのときは、とにかく何もかもが初めて右も左もわからない状態だったし
ペーパードライバーなので運転出来ず、徒歩・電車・バスを乗り継いで行くと片道1時間かかるので
お断りしました(幼稚園の近所に住み、上のお子さんが卒園生だというベテランママペアが引き受けてくださった)が、2年目で大きめ行事の役員、3年目でクラス役員を引き受けました。
その後、小学校で3回、中学校で1回だったかな・・・やってみると楽しいんですよね、役員って。
ママ友も増えるし!
鉄板を使った焼きそばを大量に作れるようになったし!笑

small G さんのコメント...

そういう私もアメリカの日本語学校で一年間、盛大に仕事を致しました。w
やればやったで面白かったんですが、ああいうのは基本的に医師と能力がボランティアでするのが一番だと思いましたね。
外務省の人間が入っていましたが、一番ダメなのは正直その人でした。やる気がない人間はいくら能力あってもまるで駄目というのがよくわかった一年でした。

匿名 さんのコメント...

外務省の人はやる気は無いけど能力はあったんでしょうか?
頭が良いとは思うけど、仕事ができるかどうかとは別な気がして・・・

匿名 さんのコメント...

同調圧力という日本にしかない?困った面もたしかに問題だけど
アメリカのような多数決と力を背景としたやり方もまた問題だと思う。
それが世界を狂わせているという…

small G さんのコメント...

多分、「自分の栄達の為の仕事」を成し遂げるという意味では優秀だったのでしょう。
そうでなければワシントンの大使館には派遣されません。しかし、猛烈にセルフィッシュなんでしょうね。
多分、関係のないことにはできるだけ関わらない”おりこうさん”だったのでしょう。

でも、そんな人が大使館員なんです・・・。
国益のために動くとはとてもとても、とてもとても。w

small G さんのコメント...

同調圧力というのは何なんでしょうかね。
よく解るようなわからないような。少なくとも私は大嫌いですが・・・。
アメリカが多数決で物事を決めているという見方には実際の所余り同意できません。
どちらかと言うと強者が力でという後半の言葉のほうが正解のような気がします。
IN GOD WE TRUSTも実は紙幣に入ってきたのは比較的最近のことなんですよ〜!
それまで控えめにやっていたマルチ・レイシャル、マルチ・カルチュラルというのを正論として吐く余裕がなくなってきたんだと思ってますが。
右派の拡がりは唯我独尊の馬鹿トランプみたいな人間を産んでますけどね。