昨年対の同時期対中投資は47.2%減、但し・・・ | 日中ビジネスすごろく道中記

昨年対の同時期対中投資は47.2%減、但し・・・

1~3月期の日本からの対中投資は47.2%減という数字が出ています。中国ビジネスに関わる者に取っては厳しい数字ですが、事実ですから仕方が有りません。


他方、減少幅で見れば結構な数字ですが、投資額自体は1233億円に達するという事です。1ヶ月で400億円以上の投資が今も有る訳で、この金額にも凄いものが有ります。


比較論では随分減ったという言い方になる訳ですが、単一の国で見れば一月当たり400億円もの金額が依然として投資されているという事ですね。勿論、増資や追加投資も含まれる訳ですから、新規進出が減ったというだけの話では有りません。大手の中国投資は既に一巡していますから、もともと大型投資がおきにくくもなっています。


また、この原因の一つには政治的な問題に絡む不透明感やリスク増加なども有る訳ですが、それよりもやはりコストダウンセンター(安い人件費目的の進出)としてのメリットが賃金上昇などで薄れた事や日本企業が中国市場を獲りきれていない事の方が強い気がします。





仮に政治関係が安定していたとしても、コスト構造から他のASEANなどに展開する企業の数はそう変わらなかった気がします。世界の工場目的で出た所が、その機能が果たせなくなれば、日本企業の体質からもっと人件費の安いところというのも普通の考えです。


その結果、最近の進出傾向としてはやはり市場ターゲットのサービス業、飲食業、販売業などが増えています。勿論日本企業の場合には品質やサービスを売りにした高めの価格設定になる事が多いのですが、こういう企業に取っては賃金が上がり彼らの使えるお金が増えることや、物価上昇や為替の効果で中国の売上が日本円換算した時に上に出るのは多いにメリットです。


仮に20元のランチが30元に値上がり、そこに為替効果が加わったと考えた時には、以下の数字になります。


20元×12円(1元当たりの過去のレート)=240円

30元×17円(1元当たりレート)=510円
25元×17
(1元当たりレート)=425円


30元まで上がれば、日本円換算は一気に倍以上になってしまう訳です。仮に物価上昇が25元に留まったとしても結果的には77%UPになります。単純に値段で勝負出来ない日本企業にとっては(単純価格勝負は、しても先ず勝てないと思います)、この点は多いにプラス。


勿論比較する時期がいつなのかという問題は有りますが、数年前から比べて市場ターゲットにするには随分やりやすい環境になってきたという感は有ります。以前なら価格競争のハンデが大きすぎましたし、その売上を日本で計上しても大きなインパクトになりにくかった訳です。


もっとも、売れなければ何にもなりませんので自社の持っている強みが中国で通用するのかというのが1番大切。強みが無いのに市場が大きいだけで出ても薔薇色の未来は開けません。


大分前からお伝えしている事でも有りますが中国ビジネスは新しいフェーズに入りました。




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