香港、読み解く鍵は2048年! | 日中ビジネスすごろく道中記

香港、読み解く鍵は2048年!

香港がシビアな状況になっています。集まった群衆は18万人を超えるということです。


香港デモ 国慶節初日は最大で18万人が集まる規模に


なぜこういうことになって来たかというと、細かい説明は割愛しますが、要するに次の長官の選挙が実質的に中国政府が認めた人間しか立候補出来ない様な仕組みに変えられる事を契機に、現在の民主体制が大きく損なわれるという危機感からですね。


参加している学生などのコメントを聞くと『学校よりもこちらの方が重要、これは香港の未来が掛かっているんだ』という様なコメントが出ていまして、相当な危機感を持っていることがわかります。


中国当局としても唯々彼らの要求を聞くわけにもいかない筈ですが、他方天安門の二の舞を行えば、世界中から叩かれる事は目に見えています。


王外相がコメントした『香港情勢は中国の内政問題』『どの国であれ秩序を壊す行動は許されない筈だ』というのも有る意味もっともですが、他方、中国政府は香港返還時にイギリスと社会主義政策を将来50年にわたって香港で実施しないことを約束をし、これを世界にも公表しておりますので、ルール上も国際社会の一員としても、この約束を守る義務も有ります。


政府側のエクスキューズとしては、香港が実質は民主主義でなくなったとしても、選挙は実施しているし、約束を守っているという事でしょうし(この対応方法は極めて中国的ですね)、約束したイギリスや国際社会はそれを約束を守っているとは見ないだろうという所がポイント。そのエクスキューズで市民を傷つける可能性が増えれば、黙ってはいられないという事でしょう。


勿論、このデモに集まった人は、『中国政府側の横暴であり、香港の危機』だと思っている訳ですね。現在の見方については立場によっても相当温度差が有りますし、賛成派、反対派がおられる話でもありますので、部外者が言うことでもないと思いますので私見はさておいて、もう少し長期スパンで考えた時に、今後はどうなってゆくのだろうという事ですね。





ビジネス的な影響も有りますし、香港の使い方もそれにより変わって来る訳ですから、大きな投資をしている日本や日本企業にとっても、この部分は部外者という訳でも有りませんしね。


仮にこの50年が過ぎた時に中国政府が現在と同じ社会主義市場経済制度を取っていた場合(30年以上先ですから、実態がどうなっているのかは解かりませんので仮にです)、香港も同じ治め方になるだろうと言うのは、現在の動きを見ると確実でしょう。


そうすると2048年からは、多分中国本土と同じ仕組みになる訳で(これは止められないと思います。1国2制度も相当に無理がありますから)、残り33年。当然、いきなり翌日からガラッと体制が変わる筈も有りませんので、やはりそれに向かって徐々に変化してゆくのだろうというのは予測出来ます。


という事は、今後はそういうつもりでビジネス的な付き合いをしておく必要があると言う事です。勿論、30年先を今からは考える必要はないというのもあると思いますが、現在の状況を見た場合に、約束期限より大分前に社会主義化する可能性も相当に高くなってきたということですから、やはり、いろいろ想定すべきです。


企業側から見る体制の変化の善し悪しは、勿論進出企業の考え方によって変わるでしょう。香港、中国がシームレスになることは多いにウエルカムという企業も有れば、それでは香港の価値が下がるという企業も有るということですね。


仮に香港を噛ませる事で成り立っているビジネスモデルだとすれば、早めにビジネスモデルを変える事や、他での展開、代替機能の開発などをしておくという事でしょう。


目前の話に戻って、今後どういう推移をするにしても、国民に銃を向ける様な事にだけにはなって欲しく無いですよね。香港には多数の友人もおりますし、ビジネス的な影響も大きいです。平和的に解決出来ることを祈念しています。


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