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特任検事はシモク・・・とイ検事長が発表した瞬間、その場の皆がシモクに注目しました。
身内を取り調べるわけですから、厄介な任務と言えましょう。
その点、感情に流される事の無いシモクなら、適任と言えるかもしれません。
そして、イ検事長は、この騒動の責任を取って、検事長の職を辞すると言ったのです。
「検事長の就任式もまだです。」
と、カン部長検事が発言しました。責任はその席でとってください、謝罪もその席でしてください・・・と。
検事長の職務はそんなに軽いものなんですか・・・と、声を荒げたカン部長検事。
その場が凍りついたように、シーンとしました。イ検事長も、何も言葉が出ません。
その時、シモクが静けさを破って言いました。
「特任の公式捜査権限は今からですか?」
イ検事長は頷きました。
その瞬間、職員たちは一斉に動き始めました。ソ検事などは、大慌てで自室に戻ったのです。
シモクが最初にしたのは、ソ検事の財産保有内訳と証拠隠滅を防ぐための捜査令状の要求でした。
まず最初は、ソ検事からでした。
でもね、一足早くソ検事は、収賄の証拠となる株券や通帳等を取りだし、トイレのタンクに隠しましたよ。
シモクは自分と共に仕事をしてもらうチームを組みました。
メンバーは、ハン刑事とチャン刑事、事務官の二人、ユン課長、ジョンボンの6人。シモクを入れて7人の所帯となりました。
ヨン検事は、メンバーには入れなかったことを悔しく思っています。
でも、シモクは、復讐のための場ではないとあっさりと拒否したのです。
このメンバーを選択した理由は、まだ分かりません。
ただ、シモクの主義は、“友は近くに、敵はもっと近くに”ですから、誰が敵で誰が友と考えているのかは、まだ分かりません。
ま、ハン刑事だけは“友”でしょうけどね。
2013年に、パク・ムソンは飲酒運転によるひき逃げ事件を起こしました。
それを嫌疑無しとしたのが、ソ検事でした。それが全ての始まりです・・・とシモクは言いました。
その頃、ソ検事は、ギョンワンへの暴行事件は嘘だとマスコミに訴えていました。逮捕した時から痣はあった・・・と、事務官に言わせてます。
彼に対する拘束令状が棄却されました。
ほっとしたソ検事です。
シモクは、だからと言って怯む事は無く、淡々とメンバーに支持を出していました。
そこにイ検事長がやって来ました。
シモクの特任検事任命状が、庁長より渡されることになっていまして、迎えに来た体でした。
庁長はシモクに言いました。
「方向を示して基準になってくれる人、それが検事の本来の姿だということを国民に見せてくれ。」
イ検事長は、庁長から慰留されましたが、辞職の決意は変わらないようです。
シモクの任命が最後の仕事だと言いました。
そして、食事に誘ったのです。
仕事があるから・・・とシモクは断ろうとしました。でも、その時既に他のメンバー全員、イ検事長の家に招待されてしまっていました。
もう断れません。
イ検事長の妻ヨンジェが準備した豪華な食事会でした。
メンバーは、緊張した面持ちでシモクを待っていました。
食事が始まっても、話すのはヨンジェばかりで、皆緊張したままでした。ヨンジェの明るい声がその場にはふさわしくは感じられませんから、余計に他のメンバーはしーんとしてしまいました。
ヨンジェが、ハン刑事に“女の敵は女よ”と言ったので、ハン刑事が返しました。
「“女の敵は女”と言う人こそ他の女を敵に回してきたのでは?」
ぐさっとヨンジェの胸に刺さったようです、その言葉。
明るく見せていた顔が、一変しましたよ。ハン刑事を敵とみなした目です。
そこにイ・ユンボムが帰宅して来ました。
実物の方が良いね・・・とにこやかに言って、シモクに握手を求めました。
戸惑いながら手を握ったシモク。イ・ユンボムはシモクと言う人間を見定めようとするかのように、見つめました。顔は微笑んでいましたが、目は鋭かったです。
だけど、何もつかめ無かったようですね。シモクを判断できなかったのです。
イ・ユンボムは挨拶をすると、そのまま部屋を出て行きました。
それを機に、シモクが、そろそろ・・・とお開きを提案したのですが、その瞬間、ヨンジェの顔がこわばりました。
「まだ終わってないわ。」
全く愛想の欠片も無い声でした。怒りがこもっていたかもしれません。
でも、シモクは一切怯む事はありませんでした。
「終わってるようですが・・・。」
シモクには通じませんな。
イ検事長が妻を庇おうとしましたが、ヨンジェが引きました。
メンバーは一言も口を開かず、そそくさとその場を出て行きました。息がつまる思いがしたでしょうね。
ヨンジェは、すぐに家政婦に料理を捨てるよう言いつけましたよ。
特任チームが最初に呼んだのはソ検事とヨン検事の母。
ソ検事の取り調べに当たったのはユン課長。
ソ検事はシモクでは無いことが、まず苛立つ原因でした。自分の取り調べは重要じゃないのかと、軽く扱われていると感じたのでしょう。
ユン課長が示したのは、ソ検事が上手く隠しおおせたと思っていた通帳等の証拠。
もう無実だとは言えない状況でした。
ユン課長は、シモクからの伝言をソ検事に告げました。
“拘束するには充分な条件だ。特任は長い。余罪は見逃さない。取引もしない”
「拘束令状が出ます。外出しないよう。」
冷たく言われ、ソ検事は絶望的な気分になりました。それでも助かる方法を必死に考えました。
イ・ユンボムに縋るしかないと思いました。
で、階段からわざと転がり落ち、病院に担ぎ込まれるよう仕向け、隙を見て逃げ出して、イ・ユンボムの元に走ったのです。
しかし、もうイ・ユンボムにとってソ検事は利用価値はゼロなんでしょうね。門前払いでした。
一方、ヨン検事の母は、夫ヨン・イルジェの収賄疑惑を持たれるに至った一件を正直に全て打ち明けました。
ヨン検事の母は、最初怯えた表情でしたが、シモクが丁寧に話しを聞いてくれたことで、ほっとしたようです。彼女はシモクを信頼できる人だと思っていますからね。これで疑惑も打ち消す事ができると思ったのかもしれません。
でも、イルジェは不安でした。
彼は何かを隠しています。
イ検事長を訪ねて、家族には手を出すなと言いました。イ検事長は、イマイチ何のことかわからないと言う表情ですが、イルジェは真剣です。
シモクが何を聞いても、自分は話さないから、お前たちも何もするな・・・と言いました。
「お前の義父に伝えろ。」
捜査すればするほど、問題の奥深さが分かって来ました。
特任チームの面々は、難しさを痛感していました。
でも、シモクは、イ・ユンボムまで捜査対象にすると決めていました。
「パク・ムソンで終わる特任など意味が無い。根から引き抜かないと小枝が生える。いつかは誰かがやらねばならない事です。これが良い機会です。」
シモクは、ハン刑事にそう言いました。
奇跡が起りました。
一生植物状態になるかもしれないと思われていたキム・ガヨンが意識を取り戻したのです