「今年も採ってくれないのかな~」
今は誰もいない荒れた庭の、
柿の木はつぶやきました。
枝には、橙に実ったたくさんの柿の実が
ぶら下がっていました。
せっかく実った柿の実が、このまま真っ赤に熟して地面に
「ベチャ」と落ちることを考えると
悲しい気持ちになりました。
「きれいだね」
「ちがうよ、おいしそうだよ!」
久しぶりに子供たちの話す声がしました。
木の下で、ちいさな兄妹がジッと柿の実を見上げていました。
「おにいちゃんとって!」
「ソレ!」「アレ?だめだ~・・・」
兄妹はジャンプしたり幹をよじ登ろうとするのですが、
柿の実にはなかなか届きません。
「おや、めずらしい」
昔はこんな子供がよくやって来て、柿の実を採っていったものです。
柿の木はうれしくなって、甘くて食べごろの柿の実を選ぶと
ふたりの小さな手のひらに落としました。
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今は誰もいない荒れた庭の、
柿の木はつぶやきました。
枝には、橙に実ったたくさんの柿の実が
ぶら下がっていました。
せっかく実った柿の実が、このまま真っ赤に熟して地面に
「ベチャ」と落ちることを考えると
悲しい気持ちになりました。
「きれいだね」
「ちがうよ、おいしそうだよ!」
久しぶりに子供たちの話す声がしました。
木の下で、ちいさな兄妹がジッと柿の実を見上げていました。
「おにいちゃんとって!」
「ソレ!」「アレ?だめだ~・・・」
兄妹はジャンプしたり幹をよじ登ろうとするのですが、
柿の実にはなかなか届きません。
「おや、めずらしい」
昔はこんな子供がよくやって来て、柿の実を採っていったものです。
柿の木はうれしくなって、甘くて食べごろの柿の実を選ぶと
ふたりの小さな手のひらに落としました。
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実って放置されている柿の木を見て、こんな話を書いてみました。
相手の身になって書いた物語は、心にきていいですね。
私も、柿は好きです。
柿だって、生きているのだから、物語の主人公でも、新鮮でいいですね。
これからも執筆頑張って下さい。
失礼します。
このお話は、橙色に色づいた柿の木がきれいだなと感じたのと、子供の頃の郷愁を込めて書いたと思います。
季節は巡って、もう春というか初夏になってしまいましたが、またお話を書きますので寄ってくださいね。