経験を積むこと/ものごとに対する姿勢 | 和文化案内『ゆかしき堂』のブログ

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「ゆかしい」には「奥深く上品で落ち着いた美しさ」
「昔がしのばれる」「隔たりのある対象への好奇心」
という意味があります。
和風趣味人の『ゆかしき堂』が、和風の良さや芸術の
見どころ、作家さんとの交流、日本文化を広く伝える
お手伝いをさせていただきます。



視点や表現方法によって、自分の認識する世界はまったく様相を変えます。

先日、とある人から言われたことですが、「あなたが表現すると、そんなに大したことがないようなものでも、途端に面白く興味深く見えてくる」というものがありました。

なるほど。
これは表現する書き手としては、嬉しい言葉であります。

同じものを見て経験したとしても、そこから得られるものは人によってまったく違うものです。
質も量も。
「大したことがない」と切り捨てているもののなかに、とても大事なものが含まれていたりもするというものですしね。

同じものを経験していたとしても、そこから二倍の何かを得ることが出来たなら、同じ31年を過ごしてきたとしても62年分の経験値の差にもなりえますから。
これってスゴイことですよね。
私が年齢不詳なのも、若くして老成しているのも、きっとなるべく他人よりも考え続けてきたこともあるかとは思います。

もちろん私というへんてこな個人の資質もありますけどね(笑)。

さて。
物事を興味深く見せること。
そこには表現の上手下手もあるかもしれません。
ですが、もっとも大事なのは、視点や観点といったものではないでしょうか。
ものの見方です。

それを身につけるためには、さまざまな経験や、さまざまな知識や、幅広く深く奥行きをもった人間性が必要なのではないかと私は思っています。
そして得られたもの、見えたもの、知ったものを、いかにして表現して伝えていくか。そこからはある程度はテクニックでカバーできると思いますので。

ですが、始めから「見えない」人にとっては、いかにテクニックを磨いたところで限界があるような気がします。基になるものが無ければ、いかに上に塗り重ねたところで薄っぺらいものになってしまいますから。

そんなこんなで、いろんなものが見えるように、日々意識しながら暮らしております。まだまだ身につけるものや、積むべき経験はたくさんありますから。

多様な視点を持ちたい動機ですが、いろんな理由がありますけれど、やっぱり人生は一度しかありませんし(死んだことはないですから)、だったら同じ経験をしても、いっぱい色んなものを得られたほうが『得』だと思います。

視点がたくさんあれば、人と会っても「いいとこさがし」ができます。話題の引き出しにも困りません。いろんなものが見えてきます。

人のもつ短所は、見方を変えれば長所になります。ネガティブにしかとらえられない視点から解放できる力にもなります。
分析好きの私としては、基礎的に必要な能力でもあると思います。
ただし、人のいろんな部分が見えるということは、「わるいところ」も見えると言うことで。それはそれで難しいものです。呪うことも祝うことも、できるというもの。

バランスが必要ですね。何事も。
人間を磨かねば。おごることなく。


 



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