2015年06月29日

国指定天然記念物「イリオモテヤマネコ」

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昨日も暑い一日でした。梅雨明け以降も雨らしい雨は降ってくれません。夏バテが早めにやってきそうな八重山です。そんな中、昨日は凧揚げの全国大会イベントもあったようですが、僕は「西表山猫(イリオモテヤマネコ)」の話しを聞きに市民会館に行ってきました。

市民会館中ホールで3時間を越える講演
国指定天然記念物「イリオモテヤマネコ」

ゆんたく猫のノアールが昨年暮れに逝ってしまってから、頭の中は猫のことで一杯の毎日です。これから残りの人生を幾許か自然保護に貢献出来ればと移住して来たわけですが、どうもウエイトが猫に関することに大きく傾きそうです。

中ホール前にはパネル展やグッズ販売も
国指定天然記念物「イリオモテヤマネコ」

国指定天然記念物「イリオモテヤマネコ」

前にも少し書いたかも知れませんが都市伝説というか田園伝説と言った方がいいのか分かりませんが、西表に山猫がいたように、石垣島にも山猫がいたという説もあります。今後はその当たりをまた猫を飼いながら、調べてゆきたいと思います。そして犬も飼っているのでもう少し犬猫について勉強したいと思います。

とても奥深いイリオモテヤマネコの話し
国指定天然記念物「イリオモテヤマネコ」

国指定天然記念物「イリオモテヤマネコ」

今回はイリオモテヤマネコ発見50年シンポジウム・「奇跡の命どう守る」の開催ということで、委員長で竹富町長の川満栄長氏の挨拶で幕を開けました。イリオモテヤマネコ発見の経緯も織り込まれていて、大分以前にネットで調べたことを思い出しました。

琉球大学理学部教授の伊澤雅子
国指定天然記念物「イリオモテヤマネコ」

始めに基調講演として、長年ヤマネコを研究されている伊澤雅子女史の話しがありました。簡単にまとめたいと思います。イリオモテヤマネコはアジアのベンガルヤマネコ(アジアで10種ほど)から派生して、およそ9万年前から西表で生きてきたということらしいです。

100匹ほどのヤマネコはどうやって生き延びてきたのか?
国指定天然記念物「イリオモテヤマネコ」

昔から西表では「ヤママヤー(山の猫)」などと呼ばれてその存在は知られていましたが、1965年5月5日に捕獲された山猫がタイプ標本となり、それから2年後の67年に論文が学術的に認められ、当時としては哺乳類の新種は大発見だったようです。

IUCN(国際自然保護連合)でも亜種として登録している数少ない生き物の一つだということです。特徴として食性の幅が広く、色々なものを食べます。縄張りを持つメスは2.8㎢、縄張りを持つオスは4.5㎢ほどが活動範囲だそうで、他に縄張りを持たない放浪オスがいますが、穏やかな性格なので争いを起こして、縄張りを奪い取るというようなことはしないそうです。

11-12月が発情期、1-3月が交尾期、5月頃出産で、秋には独立するらしいです。今頃は、小さな山猫が沢山生れているのでしょうか?。みんなロードキルに巻き込まれて命を失わないといいのですが。イリオモテヤマネコの重要性はどうやら西表に於けるアンブレラ種(この種を守ることでその地域生態系の多様性が保たれる)だろうということも大きな要因のようです。

イリオモテヤマネコに迫り来る危機
国指定天然記念物「イリオモテヤマネコ」

イリオモテヤマネコは実は内陸部と沿岸部ではそれほど分布に差がないことが分かってきました。さて此処から問題の本質に入りますが、今山猫は輪禍により死ぬ数が増えてきています。1978年は1匹→2013年は6匹。八重山ブーム到来の影響は輪禍問題だけではなく、島の内陸部などに入り込んでゆくツアー数の激増からも問題が提起されました。

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関係者4人にこれからの保全に対して伺う
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基調講演の後には、阪口法明さん(前環境省)・戸川久美さん(発見者の次女の方・イリオモテヤマネコ保護基金)・村田美樹さん(やまねこパトロール)・伊藤圭子さん(奄美動物病院)によるパネルディスカッションが行われました。テーマは「イリオモテヤマネコとの共存-これまでの50年と、これからの50年」です。主に問題となりつつある新空港が出来てからの環境変化による影響に対して要約しておきたいと思います。

2014年11月の交通事故現場
国指定天然記念物「イリオモテヤマネコ」

西表島の北岸地区では特に輪禍が多く、スカベニジング(死肉食)するヤマネコは車に轢かれたカニ・カエル・ヘビなどを食べに出てくるため、自分たちまで轢かれてしまいます。夜間の森林の漆黒には存在しない、高速で迫る車のライトに驚いてフリーズしてしまうからだそうです。

1978年からのヤマネコ交通事故(死体回収65匹)
国指定天然記念物「イリオモテヤマネコ」

これまでに、取り組みとして「波状路面・警告板・路面上の注意喚起文・アンダーパス(車道下の通路)・アンダーパス内の監視カメラ設置・夜間の巡回パトロール」などが行われてきました。どうやらスピードを出し過ぎるのは観光客ではなくて地元の方に多いというデータが集まっているようです。

ゆんたくガーデンにも資料を用意しています
国指定天然記念物「イリオモテヤマネコ」

更に、野良猫・飼い猫との問題→ワクチン接種や登録制などにして、問題は解決方向に。そして、余りにも急激に増えてきてる内陸部への頻繁なツアーによる生息環境の悪化などが懸念されており、いずれこれらに関しては入島規制や入島税などの抑止も必要になってくるかも知れないということでした。観光客の殆どの方は自然破壊したくて来る方なんかいないのに複雑な問題です。

沖縄子供の国で育てられていたケイタの噺
国指定天然記念物「イリオモテヤマネコ」

藤木勇人さんの「イリオモテヤマネコ発見」の一人芝居は、山猫のケイタが色々な生き物に姿を変えながら、発見当時からのいきさつを大変わかりやすく演じてくれたものでした。落語ほどの落ちはありませんが、1965年当時の西表島の自然の状態や、人々の暮らしぶり、山猫の生態などが生き生きと伝わってきました。

ひっそり生きているヤマネコ穏やかに暮らせたらいいね
国指定天然記念物「イリオモテヤマネコ」

僕から皆さんにお願いしたいのは、出来ることをしてもらうということに尽きます。西表島にはイリオモテヤマネコなど、石垣島にはカンムリワシなどの希少種が、言ってみれば先住民です。野生生物だから生きてゆくのは大変でしょうが、大変ながらものんびりと暮らしてきたようにも思います。どちらも何処かおっとりとした生き物のように思えてなりません。だから、彼らを轢かないようにくれぐれもスピードは出し過ぎないでね。

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