土作りを一発でおこなう=土作りに時間はかからない | あなたも農業コンサルタントになれる

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  わけではない / by 岡本信一

土作りを一発でおこなう=土作りに時間はかからない

 

このことについてはかつて何度も書いてきたし、実際にできると考えていた。

しかし、かつての私は違う。良質な有機物を何年も投入しそれによって土壌が徐々に変化して良い作物が作れるようになる。

そんなイメージであった。今でも多くの人はそう考えているだろう。

しかし、これは大きな勘違いであることに気づいた。

その経緯は何度も書いているのでここでは書かないが、普通の土壌であれば恐らく一発で土壌は変えることが出来る。

今回続けてブログを書いているが、「農業を科学する研究会」で実証したのはこの点である。

今回粗大有機物の投入や耕し方を変えて三つの試験区を作ったが、その土壌硬度分布の結果が上のグラフである。

まず、グラフの見方だが縦軸が硬さ(MPa)で上に行くほど硬い。横軸は深さ(cm)で右に行くほど深く60cmまで測定している。

全体として言えるのは普通の圃場よりはかなり柔らかい傾向です。ですので、本当の意味で耕盤といえるほどものはないです。

まず、A区は全体的に一番硬い傾向がある。しかしながら、16-31cmくらいまで緩やかに固くなっている。

B区は17-25cmくらいで急激に固くなっている。

C区は16-50cmくらいで徐々に固くなっている。

土壌硬度分布をきちんと整理してどのような影響を与えているかという指標は、現在三つのパラメータに置き換えていますが、この徐々に固くなるという部分も非常に重要です。これについてはいずれ書きます。

(どのようなことをしたのかを知りたい方は、「農業を科学する研究会」に入会してください(笑)。今後、こういう調査を次々に行う予定です。)

数カ月でこのくらい土壌硬度分布を変えることができるわけです。どれがいいとか悪いとかということではなく、土壌硬度分布をコントロールできる。そして先に書いたように、土壌硬度分布が違うと成長及び内部品質まで変えることが出来る、ということを実証してみたわけです。

生長や内部品質が違っていたということは既に書きましたが、土壌硬度についてはこのように違っているわけです。

実際に実証してみるとあっさり、土壌硬度分布を大きく変えることができました。こうなると「土作り」って何?ということになるわけです。

現段階では一発で土壌硬度分布をコントロールできることがわかったという段階で、今後、どのようにするとどのような変化が現れるのかは今後どんどん実証していかなければなりません。

しかしながら、土壌硬度分布を一発で変えられるということの意味は非常に大きく、今回の実証で一番最初に書いた土壌を変えるのには時間がかかる、というのを覆すことが出来たと考えています。

 

最適土壌硬度分布を適正にすることが「土作り」の重要な一つの要素であるのは間違いありません。というよりも最重要であると確信しています。

その土壌硬度分布を変えることが割りと早く出来るということは、いわゆる「土作り」は時間はそんなにかからないということです。

異論のある方は多いでしょうが、実際に細かな調査を行なった結果です。

一旦、「土作り」は一発で出来るということがわかれば、現在、様々な資材や有機物、緑肥、耕起機械など多くのものがあり、それらを活用して目標となる土壌硬度分布にするにはどうしたら良いのかを探るだけのことです。

これについてはまだ私もdataが不足しているので語ることは出来ません。→ただし、仮説はあるのでその仮説に沿った実証を今後できればいいなと思っています。

 

 


農業を科学する研究会
 

 

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