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カテゴリ:トルコの手工芸
昨日、家の掃除をしていて、ふとサンドゥック(長持ち)を開けてみたら、出てきたのはぎっしり詰まったウールの手編み靴下。 キリムや絨毯以外の小物で、イ―ネオヤに負けないほど集めているのがこの手編み靴下である。 コレクションの多くは実は日本の実家に置いてあるのでトルコにあるのは少ないけど、こちらにもないないと言いながら200足以上はあると思う。 カッパドキアなどで現在作られているお土産もののアクリル製の手編み靴下とは異いますよ~。 70-90歳の女性たちが娘時代に編んだ、50年以上前の民族靴下である。 手で紡いだ極細のウール糸を使い編まれている。 地域や村ごとにわかりやすい特徴があり、色鮮やかなものから、ナチュラルウールのシンプルなものまで。 地域的にはザラ、コンヤ、ベイシェヒール、シブリヒサール、エーゲ地方、バルカン半島でよく作られた。 防寒の目的もあったけど、これらの地域では主に嫁入り品としてたくさん作り、嫁入り先で親族・ご近所さんに配るもの。 そう、イ―ネオヤのスカーフと全く同じ目的で存在したのである。 とくにベイシェヒールでは同じ村で同じモチーフのものが大量に作られた。 色の配色のみが、作り手のセンスが影響するが、基本柄ははずれない。 画像では片方しか見えないが、ちゃんと1足ある。 踵と踵を縫い付けて保管するため、2本揃えて写真が撮れないのである。 その昔、ベイシェヒールにある2、3の村に各家庭にある長持ちに入った古い靴下を買占めに行ったときに、話を聞くと、これらウールの手編み靴下は最低50年前に作ったものだという。 それ以降は極細のウール糸も手に入らないし、嫁入り道具としても昔ほど重視されないし、アクリルでちょちょ・・と作ってしまった方が早いし、簡単だから・・・・。 今は作る人もいないでしょう。とのことであった。 コンヤ中心部はナチュラルウールのシンプルな靴下。 糸は極細。 こんな糸、もう紡げる人はいないでしょう。 (私、このウール糸も持っているので、その細さもわかります。) 編み込みや透かし編みのものもあります。 そしてバルカンに多いコットン靴下。 嫁入りの展示で飾るから、2本の間を縫い付けて、壁に貼りやすくしてある。 他にもこんなのとか。 そんなのとか。 あんなのとか。 もっともっと・・・。 靴下は使ったものは廃棄されるので、未使用のものが長持ちに保管されて残っていたのだけど、 中にはこんなのもある。 1915-16年のチャナッカレ戦争に行った兵隊さんが履いていた靴下。 イーネオヤ鑑賞会の次は靴下鑑賞会でもやりますか? いかがでしょう。 (一度、宇都宮市の展示会場でやったことはあるのですけど) 冬限定だけどね・・・・。 にほんブログ村 手芸(その他・全般) ブログランキングへ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
November 10, 2014 06:54:20 PM
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