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カテゴリ:トルコの手工芸
嫁入り道具として用意されたたくさんの布たち。 それぞれに思いや祈りを込めて、地方や部族、独特の文様を縫い込みます・・・・・。 「布支度」シリーズ。 第14回はトゥルにテルクルマを施した花嫁のベール。 トルコで一般的に見られる花嫁のベール。 クナゲジェシと呼ばれる結婚披露宴の前夜に手足にクナをつけるときに被せたり、当日、実家から婚家への道のりで被せたりするのに使う。 地域によって、その形態はいろいろで、大きなショールのようなものもあれば、特別なオヤスカーフを使うところもあったり、先日のアイドゥンの赤い布にスパンコールのものや、半透明の布にレースを付けたものだったり。 でも近年の一般的なものはチュールかな。 これは私たちにもお馴染みの網状に織られた布。 普通に手芸店や布屋で手に入るもの。 だから最近のウエディングドレスのベールやブーケの周囲に頻繁に使われる。 結婚披露宴の引き出物として配るチョコの入ったケースを包んだり、なにかとウェディングと縁がある。 ナイロンなどの化繊素材のものしか見ることができないけど、見つけた見つけた。 古いシルクのチュール。 エーゲ地方の約60-70年前のもので、シルクのチュールにテルクルマが施されている。 テルクルマは細い金属リボンを専用の針、もしくは指でポキポキ折りながらする刺繍で、土台に普通の布も使われるが、構造上チュールが使われることが多い。 テルクルマを使われると、チュールに引っかかったり、肌に小さなキズが付いたりする。 なぜ綺麗な糸で刺繍をしなかったのだろう・・・・と思ったけど、きらびやかであるべき花嫁のベールにはこのキラキラが似合うのだと、一人で納得。 ところでこのチュール。 トルコ語で「TÜL」という。 文字化けしているかもしれないのでもう一度書くと「TUL」Uは上に2つの点々がついている。 読み方は「トゥル」。 もうわかったよね。 フランス語の「Tulle」から来た言葉。「チュール」が「トゥル」になったってこと。 それにしてもやっぱり何でも本物がいいな。 この花嫁のベールだってシルクじゃないものはたくさん見てきたけど、一度も欲しいと思わなかったし、これと出会って初めて手に入れたいと思ったもん。 にほんブログ村 手芸(その他・全般) ブログランキングへ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
July 8, 2015 09:55:52 PM
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