マンション管理士・管理業務主任者試験の本試験も近づいてきました。
今までの基礎講義で、管理業務主任者試験に必要な知識は既に身についています。
そして、マンション管理士についても、「知識」レベルでは同じです。
むしろ近年の傾向だとマンション管理士の方が必要な知識は狭いくらいですので。
しかし、ここからが重要なのですが、マンション管理士試験は知識だけでは合格ラインに届きません。
そこで、マンション管理士試験のために必要な応用力を身につけるのが「応用講義」です。
といっても、そんなに難しい技術が必要というわけではないです。
主に2つの技術があれば対処できます。
条文解釈
マンション管理士試験では、条文や判例の根拠がないことが問われる場合があります。この場合には、究極的には試験委員の先生のご意見が根拠ということになります。
でも、試験勉強のために分厚い試験委員の先生の書かれた書籍を読まなければいけないか、というとこれは違います。
そんなことをしなくても解答は出せるのです。
そのための技術が条文解釈です。
とはいえ、この技術は短期間では身に付きません。
特に重要なのがその条文の趣旨です。
そこで、基礎講義ではそういった趣旨についても折に触れてお話ししてきました。
これは単に「理解」「記憶」の助けになるだけではないのです。
条文のスキマを考える「条文解釈」において決め手となるのです。
例えば、同じ競売でも「一般の競売」と「義務違反者の措置の競売請求」ではその趣旨の違いから結論にも違いが出てきます。
「一般の競売」は滞納管理費の回収がその趣旨です。
これに対し「義務違反者の措置の競売請求」は義務違反者を追い出すのがその趣旨です。
マンションが売却された場合に、一般の競売は可能であるのに対し義務違反者の競売はできないと考えられています。
なぜなら、マンションが売却されればもう義務違反者が区分所有者ではなくなって追い出しの趣旨は達成されているのに対し、滞納管理費は未回収のためなお競売によって回収する必要があるからです。(買受人は特定承継人として滞納管理費支払義務を承継しています)
事例分析
マンション管理士試験では複雑な事例が出題されます。
当事者が多く登場したり、いくつかの法律の複合問題が出題されたり。
そのからみあった糸をほぐすのがこの技術です。
こちらはある程度慣れは必要ですが、条文解釈と比べると短期間でも身に付きます。
そのための応用講義なのです。