One Day, One Cocktail

Wine & Cocktail Bar Ararat Official Blog
カクテルで綴る歳時記

私が酒を飲まない理由

2014-10-17 20:29:04 | カクテル教室

 お酒、大好きです。

 ああ、つくづくお酒が飲める体で良かった~
と、毎日思っています。

 こと、一仕事終えた後にやる『お疲れビール』なんての美味しさは
何ものにも代え難い。

 疲れたときほど、美味しい。

~逆に、疲れてないときはイマイチ。
暇な日には飲む気にもなりません~

 その美味さは、ロマネコンティとかモルトウィスキーの何十年ものとか
足下にも及びません。

 「え~、そんなはずないでしょ~」って?

 そう思う方を、私は俗物と断じます。
 権威主義とでも言い換えましょうか。

 残念ながら、そういうのを「酒の味がわからん奴」というんです。

 居丈高な物言いですが、そうなんです。
 それが酒というものなんです。 

~余談ですが、この『お疲れビール』ってのを商品化したら
ものすごく売れるのではないかと思っています。
 ビールメーカーさん、どうですか?
 あ、そうなる前に登録商標取っとこうかな。笑~


 そんな酒好きな私でも、仕事中には飲まない。

 バーそれぞれ、バーテンダーそれぞれ。
 いろんなやり方があるでしょう。

 飲む飲まないは、それぞれの自由です。

 私は飲まない。
 これはあくまで、私が定めた、ずっと守ってきた私のルールです。

 それを定めた理由、もちろんあります。

 これは、バーをご利用になる方、またお若いバーテンダーさん達にとっても
とても参考になると思いますので、ちょっと紹介させていただきます。

 要するに

1)手元がぶれる
2)体に悪い
3)美味しくない

ってことなんです。

 分かりやすい話です。


1)手元がぶれる。

 私のような、ガチの技術屋バーテンダーなら、これは当然のことです。

 私の仕事は、酔っぱらいながらできる仕事ではない。

 といいますか、純然と仕事中なんです。
 
 実際、お昼、カタギの方が(笑)仕事中に酒飲むなんて
普通あり得ない話でしょう。

 ですから、仮にお客様からお酒を勧められても

「いや~、酔っちゃうと手元が怪しくなるんで、すみません。
お気持ちだけ、ありがたく頂戴しておきます。」

で、済みます。

 若い頃は、自分より年上のお客様が多かったので

「まあそんなこと言わずに。酔っぱらいの相手も大変でしょ」

なんて勧められることも多々ありましたが

実際に私の仕事を眼前にご覧いただいた後、
先ほどのようなお断りで納得されなかった方は、今まで皆無です。


2)体に悪い

 我々の仕事は夜です。立ち仕事です。
 毎日のことです。

 カウンター振り向けば、酒なんて、売るほどあります。笑
 しかも一般の方より、安く、あらゆる酒が手に入ります。

 手を伸ばせば、そこに美味しい酒がいくらでもある。

 これだけで十分、精神衛生上、非常に悪い。笑

 ですから、なにがしかの自制のルールが必要です。

 勧められるがままに、飲みたいがままに飲み続ければ
体に悪いことこの上ありません。
 
 私は死ぬまでこの仕事を続けるつもりです。

 死ぬ時は、カウンターの中もしくは厨房、と決めて取り組んでいます。
 
 しかし、いやだからこそ、永く、元気で、立ち続けたい。
 
 家族もあります。

 その為に飲まない。
 簡単な話です。


3)美味しくない

 これは冒頭述べました、『お疲れビール』の話です。

 一仕事終えてから飲む。

 要は、それまでの我慢がビールを美味しくさせるんですね。


 風呂上がりも美味いですね。

 実際、考えるまでもない話、風呂入る前に飲む奴なんて、おらんでしょ。

~あ、『風呂上がり』なんて銘柄のビールもいけそうですね。爆
どうですか、ビールメーカーさん。
これも登録商標取れるかな?笑~
 
 ですが
これは、仮にお客様からお酒を勧められた場合の
お断りの理由にするのには、少々熟練が必要です。

 若い人はマネしない方がいい。笑

「どうです?マスターも一杯いかがですか」
なんて勧められて

うかつに「すみません。仕事終わってから美味しく飲みたいんで」
なんてやっちゃうと

「なんだてめえ、俺の勧める酒がまずいって話かよ」となりかねません。笑
 
 これは半分、私の実話です。(爆

 ですから
 そういう時は(そう言いだしかねないお客様には)

「もったいないです。その分お客様が召し上がってください。」
と言えばよろしいと思います。


 まだまだ、お客様の中には、我々にお酒を勧めるのが
ある種の礼儀と考えている方が多くいます。

 その多くは、純粋に、ねぎらいの気持ちと受け止めています。
 実に大変喜ばしい、実にありがたい話です。

 そうした方には、くれぐれも失礼のないようお応えしたいと思います。

 
 しかし、しばしば見られるのですが
なんといいましょうか、酒飲み特有の「場の共有感」とでもいいましょうか

自分だけ酔っているのは、なんか気恥ずかしい、あるいは
照れくさい、あるいは申し訳ない、あるいは
なんか悪いことしてる、的な

それをいわゆる『酒ごころ』というのでしょうか

そういったものの共有を、我々に求めてくる方が、稀におられます。


 大変恐縮ではありますが
当店ではそういったものはお取り扱いしておりません。

「そんな固っ苦しいこと抜きに。ま、ま、ここ酒場でしょ」

 ないものは売れません。

 お取り寄せすることもできません。

 何よりご安心下さい。

 第一当店には、気恥ずかしがるようなものも
照れくさがるようなものも
あるいは申し訳なくなるようなものも
なんか悪いことしてるような気になるものも

 取り扱っておりません。

 そんなには。(笑)



 バーの業態は様々です。
 様々だから楽しい。
 様々だから豊かです。



 当店は、世の、その様々なバーの中にあって
少々専門的なものを扱っております。

 あしからずご了承くださいませ。

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