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【株高・債券高:米金融市場の異様】危機の本丸:米金融システム③

2014-10-27 00:01:33 | アメリカ

前回からの続き)

 ふつう、好況・不況の景気循環においては以下のような関係が成り立つと考えられます。

  好況時:株価[高]、債券価格[低]、長期金利[高]

  不況時:株価[低]、債券価格[高]、長期金利[低]

 景気が良いときは好業績企業の株式や融資にマネーが回るため株価が上がる一方、安全資産からはマネーが流出するので国債等の価格は下がって長期金利が緩やかに上昇する。これに対し、景気が良くないときはこれとは逆の現象が起こる、ということです。その意味するところは、株価か債券価格のどちらかが高くなることはあっても、この両者が同時に高くなることは考えられない、ということ。

 ・・・その「ありえない!」はずの現象がいまのアメリカで起こっているわけです。これを上記の図式にならって表すと、

  株価[]、債券価格[]、長期金利[

ということになります。低い長期金利のもとでの「株高・債券高」という異様な状態―――まさに「双子のバブルです。前回書いたように、これはFRBによる量的緩和策(Quantitative EasingQE)によって生み出された、通常の経済的常識の視点から見て極めて「不自然」な状況といえるでしょう。

 ではなぜこんなことになってしまったのか?ですが・・・本ブログで何度も綴っていることなので端的にいうと、もうアメリカにはそれしかなかった、つまりQEによる債券買い支え―――低利マネーの大量供給と債券価格の高値維持および金利の低め誘導を図って資産バブルをあおり続けるしかなかった、ということだと考えています。その結果もたらされたのが、この瞬間、世界が目の当たりにしている2匹の巨大な「マシュマロ・マン」(80年代の傑作アメリカ映画「ゴースト・バスターズ」のクライマックスに登場する巨大ゴースト)・・・。

 本当は、サブプライムローン・バブルが崩壊した2007年の時点で、あるいは遅くとも2008年秋のリーマン・ショックの時点で、アメリカ、そしてFRBは不動産バブルの最終清算=不良債権の抜本的処理に着手しなければならなかったのでしょう。しかし・・・こちらの記事に書いたように、膨大な「双子の赤字」(財政&貿易赤字)を抱えるアメリカにはその手が使えなかったので、不動産価格が完全に下がり切っていなかったにもかかわらず、危険な「資産バブルよ、もう一度!」の道に突き進み、安易な「麻薬」=FRBの過剰流動性供給策(中銀マネタイゼーション)依存に陥ってしまった。そのあげくの果てが上記2つのバブルの誕生―――優良株とか高格付債券ばかりかボロ株やジャンク債に至るまで、アメリカのみならず世界各地の株式・債券両市場のありとあらゆる資産にQEマネーがパンパンに注入された状態―――になってしまったというわけです。

 で、この「双子のバブル」、おそらく現時点(というか先月中旬?)が史上最大サイズなのではないでしょうか。なぜなら間もなくQEマネーのマーケットへの供給が終わるからです。ということは、あとは勢いよくしぼむだけ―――株価・債券価格ともに「自然」なレベル、つまりそれらが持つ本来の価値のラインに向けて急落(金利は上昇)していくことになりそうですが・・・

続く

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