ヨーロッパすげえと思ったのは、オランダで働く外国人をめぐる話。

かみさんの同期の女性は幼児を二人かかえており、オランダへ赴任するこになった。

彼女は現在、某途上国に夫と子供たちを置いてワシントンDCでの研修に参加しているが、昼間は夫の勤めがあるため、現地で雇ったナニー(乳母)に子供たちを見てもらっている。

このたびオランダへ子供たちを連れていくことになったが、夫婦ともに働くため、ナニーが必要な状況は変わらない。

オランダで新たに雇うのか?

いやそれは避けたいと夫婦は考えた。
今のナニーはよく働く信頼できる人で、なにより子供たちが慣れ親しんでいることから、このまま面倒を見続けてほしいと考えた夫婦は、いっそオランダへ同行してもらおうかと考えた。

えらく大胆なアイデアにも思えるが、発展途上国で雇ったナニーを他国へ帯同することは国際転勤族のあいだではさほど珍しいことではない。

親とすれば、これと見込んだ人に子供の養育という大切な仕事をまかせたいのは当然。一方でナニーの側にも、くっついて行くぶん仕事が途切れず経済的に安定するというメリットがあるからだ。


もうひとつ、安上がりという理由もある。

先進国では夫婦の片方のサラリーが飛んでいくほどかかるナニーの料金も、途上国ではその数分の一で済むから、飛行機代を払ってでも連れて行きたくなる。

ところが今回は、夫婦の前にオランダの法律が立ちふさがった。

★休日はしっかり与えなさい

★健康保険に加入させなさい

★最低賃金の300万円(月額25万円)を守りなさい

というルールが、オランダ人のみならず出稼ぎ労働者にも適用されるのだ。

同居する使用人の場合、食事は雇い主の負担になるが、メシを提供したからといって給料を割引することは許されない。

こうした契約がうやむやにならぬよう、弁護士を立てて契約書を交わすべしというルールもあるという。


かみさんが聞いたのはここまでで、夫婦がどうしようとしているのかはわからない。

それはともかく、オランダの労働者の守られっぷりはすごいと思った。

ヨーロッパも北方系の諸国ではそういうところがしっかりしているが、外国からの出稼ぎ労働者も同等に扱われていることは知らなかった。

極東のどこかには、「外国人技能実習」制度を悪用してブラック労働させる雇い主がゴマンといて、政府もそれをわかっていながら(人出不足が深刻だから…)とかいって共犯者のようになっている先進国もあるようだが、この差は大きい。

外国人(白人じゃないほうの)と見れば下に置きたがり、人としての痛みに鈍感になるクセは、だんだん直してったほうがいいと思う。

いきなりオランドほどトンがることは不可能としても。


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