まり子でございまする~
天皇皇后両陛下が井の頭公演で紅葉狩り?なさっているときに、
辰巳満次郎様は亀岡で紅葉狩りらしゅうございましたが…。
そして本日は堺にて「鞍馬天狗」ですって~、オイオイ…。
それにしても寒いです~
本日はお天気崩れるらしいけど、週末はやや暖かめでお天気みたいです!
サスガ、天下の晴れオトコ@辰巳満次郎様はでゴザイマス。
東京満会9まであと二日…、なので、本日は昼の部の「景清」の予習をいたしましょう~。
少し予習をしとくだけで、お能の楽しみはグン!と増しますからね~。
さて、お能の「景清」の前に、ウィキペディアを読んでみると、
景清は平安末期の実在の人物で、平家に仕えて戦い、都落ちに従ったので、
一般的には平景清と呼ばれているけれど、ホントは伊勢藤原氏(伊藤氏)で
藤原景清、あるいは伊藤景清ともいうんですって~。知らんかったよ~。
さらに、七男坊で、役職が兵衛尉で、メチャ勇猛だったから、
悪七兵衛あくしちびょうえ景清かげきよ、と呼ばれていたんですって~。
ちなみに「悪」は悪いという意味ではなく、ま、若干畏怖の意味も込めて、
「すっげえ&憎たらしいほど強い」という意味なんですね~。
さて、景清と言えば屋島(八島)の戦いでの「錣シコロ引き」!
景清の人生に於いて、最も輝かしくスポットが当たったエピソードであります。
あ、錣って、兜の鉢(頭の部分)じゃなくって首周りを保護するビラビラの部分ね。
屋島(屋島)の戦いの時に、浜辺に降り立った景清はよき敵はいないかと。
その時、三保の谷四郎は刀を折って、ちょっと不利だったので退却しようとした。
逃がすまじと景清は、三保の谷四郎の兜の錣をむんずと掴んで渾身の力で引っ張った、
両者ゆずらず、そしたら、三保の谷の兜の錣がブチっと引きちぎれた、というお話。
三保の谷 said 「なんてぇ、怪力だ!」
景清 said 「なんてぇ、首の力だ!」
がぁ~はっはっは、と互いに称え合ったとさ、という武勇伝でございりまする。
景清 (能の友シリーズ)
Amazon |
ところで、昼の部の能「景清」は、老いた景清の晩年のある一日を描いた物語です。
お能には、幽霊?が登場して昔を物語る幽玄物…、夜の新作能「マクベス」がそうですね、
と、今まさに生きている人間が登場する現在物、この「景清」がそうですね、がございます。
また「大仏供養」というお能があって、景清がおシテでなんですが、それも、
源頼朝を暗殺しようと画策&実行&失敗&逃亡、という現在物です。
さて、平家に従軍して戦った景清は戦犯?として捕らえられ、
失明して、日向の国(宮崎県)に流されていました。
その失明というのが、目玉を自らくり抜いた(あるいはくり抜かれた)からだそうで…。
シテが付ける「景清」という専用面は眼窩の部分がへこんでいます。
(辰巳満次郎様がインタビューでおっしゃってましたね!)
ちょっと調べたところ、宮崎県には「生目神社いきめじんじゃ」という、
日向の生目様」と呼ばれる古くから眼病に霊験あらたかな神社があるそうです。
何と主祭神の一柱に、景清が祀られているんですよ~
知らなかったよ~、チョ~びっくり~
それで、こんなHPがありました。
能「景清」のストーリーに加え、なんで盲目になったのかが書いてありまする。
ちょっとクリック&ジャンプして、お話を読んでみてね。
景清は頼朝の温情?によって死罪をまぬがれ、僧として日向の国に流されたのだとか。
(だからシテが僧形なのね、ナットクしました!)
それで、源氏の繁栄を見たくない&復讐を断念するために、
自らの両眼をくり抜いて空に放り投げたんだそうな…
その眼が引っ掛かった「目かけの松」が生目神社の本殿の裏山にあるそうです。
景清没後に、応神天皇と並んで堂々のご祭神!
スゴすぎる…、景清…。
話を戻しますと、景清には熱田の遊女との間に娘が一人おりました。
そういえば歌舞伎では、熱田の遊女は「阿古屋」という名前で、
ちょうど身籠っていて、舞台上で琴・三味線・胡弓を弾く難役でしたね~。
その娘が人丸という名前で、鎌倉に預けられており、父景清に会いに行くのです。
わぁ~、鎌倉から宮崎まで、徒歩で何日かかるんでしょうか?
そうして人丸(ツレ:辰巳和磨サン)がはるばるやっと辿りついたのに、
景清(シテ:辰巳満次郎様)は落ちぶれた身を恥じて、シカトして会おうとしない…。
事情を知った土地の人(ワキ:福王和幸師)が、会わせてあげる…。
父と娘の対面は叶ったけれど、すぐに悲しい別れが…。
この時に景清は、あの栄光の「錣引き」を語るのです~。
もうもう、この「錣引き」の語りがクライマックスなのでする~!
最後に、謡本の曲趣をここに(今の仮名遣いで)引用したいと思います。
此の曲は免状物十一番の中の一曲で、位も、心持、緩急も至難である。シテの最初の謡い出しの一節の如きは、衰えはてた寂しい武人の心情、侘しく浮世を離れて人生の悲哀を胸に秘めての感慨、そうしたものを心にとめて、真の大曲「景清」の趣きを謡い出すので、師伝口授によっても、容易に会得できない程である。思いがけない処に遥々と娘が尋ねてくるが、千行悲涙の万感を押し包んでやる過ごすあたり、名乗りを喜んで昔日の武人に返り、躍如として軍物語をする段、終に哀別悲愁に寂しく山陰に残るなど、全曲の一字一句が悉く深い心持に満ちている。心すべき大曲である。
とりとめの無い内容になっちゃいましたけれど、
う~ん、見所も心して、味わいたい能「景清」ですね!
マスマス、マスマス、楽しみでございます~