数日前、閉店間際にお店で企画会議をしていると、Aさんというお客様が立ち寄られた。
Aさんは、過去に様々なフランス菓子に携わってきた方である。
そして、今は『掌甘堂』という和菓子ブランドを立ち上げた方に協力し、軌道に乗せようと奮闘中である。
施術中に、りえちんが
「Aさんの作ったお菓子を食べてみたい。」
と言っていたらしく、たくさん持って来て下さったのだ。
りえちんはもちろん、買い取るつもりだったのだが、Aさんは、「賞味期限が今日までだから」と言って、代金を受け取らなかった。
そんなわけで、私たちもご相伴にあずかることになったのである。
クリームチーズと栗とレーズンのどらやき(どらくれーむ)3種類ずつ。
Aさんの前で、早速クリームチーズを空けて食べ始める隊長。
隊長 「これ、うまいよ。本当にうまい。シンプルなのに複雑な味がする。ちょっと感じる苦みがいい。
今まで食べたことのない味。すごい実力だね。これ、売れるよ。うわー、うまい。」
大絶賛である。
隊長は、本当に思ったことしか言わない。
本人の前であっても、自分がマズイと思えばマズイと言う。
だから、隊長がここまで褒めるものは、本当に美味しいのに間違いない。
続いて、栗も。
隊長 「これもうまい!さっきのクリームチーズのも美味かったけど、これの方がもっと一般的。
クリームチーズの方は、くせになる味。好きな人はすごく好き。
でも、栗は誰もが美味いと感じるだろうね。」
2つ食べて満足したらしく、レーズンには手をつけなかった。
Aさんによると、材料にとてもこだわっているようである。
その時点では、私はまだ食べていなかったが、今までAさんと話した限り、そうなんだろうなと思う。
きっと、隊長と一緒で、妥協や手抜きをしないタイプだ。
Aさんが来てくれたのが、ちょうど隊長のいるときで良かった。
持って来てくれたお菓子の企画について、みんなでいろいろ話して、Aさんは帰って行かれた。
Aさんが去った後も、隊長は、
「Aさん、面構えが良くなったね。戦う男の顔になってたよ。」
と、べた褒めだった。(Aさんは女性だが)
さて、私も家に帰ってから食べてみた。
隊長の言っていた通りだと思った。
さらに、皮が軽く、クリームとのバランスが、とてもいい。
そして、そんなに大きくないのに、一つ食べると、満足感で満たされるのである。
そうして、隊長が3つめに手をつけなかった理由がよく分かったのだった。
まだ、出来たばかりのブランドで、デパートの催事などでしか手に入らないらしい。
でも、本当に美味しいので、ぜひ、見かけた人は試してみて欲しい。
『掌甘堂』催事予定
・青葉台東急レシピ B1F 現在~3/15
・池袋西武 2/16~2/23
・柏高島屋 2/24~3ヶ月くらいの予定