去年の春頃だったか、古い温泉旅館に泊まった。

お風呂に入ると、貸し切り状態だった。

すると、脱衣所で出たのだ。

でっかいGが。（GhostのGではない。）

Gは、私の姿を認めると、ささっと流しの蛇口の裏側に隠れた。

そこで、息を潜めて、じーっとしているのが、うしろの金属に映っていた。

頭隠して尻隠さず状態である。

私も金属に映ったGの存在を気にしながら、着替えをしたり髪を乾かしたりしていたのだが、そのうち、ずっと隠れているGが、なんだか可愛く思えてきた。

それまで、昆虫の考えていることを慮れたことはなかったが、その時初めて、そのGの気持ちが分かる気がしたのだ。

ちょっとだけ似てるものの写真。

すると、その途端・・・

するすると、Gが出てきたのだ。

しかも、私の方に向かって、普通に歩いてくる。

「うわわっ！」と思ったものの、すでに可愛く思えてしまっているもので、叩くことも向こうに追い払うこともできない。

そのままGは、脱衣所の真ん中あたりで、悠々と過ごしていた。

『ふふふ、可愛いかも』って思ったことで、私の中からGに対する恐怖心や拒否する気持ちのようなものが消え、それを察知したとしか、思えない。

多分、そうなのだろうなと思うが、だとしたら、Gってすごい。

本当は、人間以外はみんな、そういう感覚を持っているのかも知れない、と思った出来事だったが、実際にはどうなんだろう。

ちなみに、Gと一度通じてしまったことで、寄ってくるようにならなければいいなと思っていたが、それはなかった。

去年は、むしろ遭遇が少ないように感じたが、拒否感がなくなり、アンテナが寝ただけのことかもね。

←何をされるわけじゃ無いけど、Gが近くに寄ってくるのは、「ひぇっ」てなるよね。今日もポチッとよろしくお願いします♪