小笠原診療所の思い出シリーズ
先日は手術に立ち会ったお話をしましたが
今回はすごく印象に残っている
スタッフ会議の話・・
その日の議題は
【輸血どうする??問題】
コウノドリ(17) (モーニング KC)
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コウノドリ17巻でもあったけど
離島の輸血問題って
かなり深刻
確かコウノドリだと
船で1時間の離島だったけど
小笠原は
船で24時間
日本の中では
離島中の離島なのです
できれば
緊急時に備えて
輸血を用意しておきたいですが・・
それぞれに使用期限があります
ちなみに
輸血は、血液をそのまま
体内に補充するのでは無く
各成分に分かれて
保存されています
血液の成分
非常に単純に分けると
・赤い血
・白い血
・それ以外
の3つです
赤い血は赤血球と呼ばれる
皆さんが想像する
The 血液
ですが
実は役割的には
酸素を運ぶもので
意外と低くても
命に関わることは少なく
いわゆる失血死は
他の因子が減って
引き起こされることが多いです
白い血は
白血球と呼ばれるもので
免疫に関わります
いわゆる他者を
何でも攻撃し
たまに自分も攻撃すると
自己免疫性疾患
なんて病気を
引き起こしたりします
最後にそれ以外・・
それ以外といいつつ
かなり重要なものばかりです
血液を固める因子だったり
逆に溶かす因子だったり
抗体が含まれていたり
大量出血が起こると
血液を固めたり溶かしたりする因子が
減ってしまい
DICという病気になり
命を落としてしまいます
人間の血液は
4−5L
およそ
2Lの血液を失うと
命の危険がある
ような状況です
話は戻りますが・・
赤血球の使用期限
約3週間
凝固因子は
約1年間
いわゆる血ノリを作る
血小板の期限は
何とわずか数日
ちなみに
白血球を輸血すると
輸血された側が
命の危険に晒されるので
絶対にいけません・・
さて
使用期限があるのに
せっかく献血して頂いた血液を
大量にストックしておくことは
できませんよね・・
というわけで
小笠原村では
そんな時にどうするのか?
実は島の人口約2000人の
血液型が全て
データで管理されています
つまり
緊急時には
必要な血液を
島民から採取する
本当に
漫画通りの対応を
しているのです
さて
ここでようやく
会議の内容に戻るのですが・・
「白血球除去フィルターが
販売停止になるみたいだけど
どうする??」
が主題でした
先ほど説明したように
白血球を他人に投与したら
命の危険に晒されます
そのため
他人の血液をそのまま輸血することは
かなりリスクが高く
全血輸血をする際は
フィルターを通さねばなりません
もちろん輸血製剤は
白血球除去済みです
もはや日本国内では
日赤による
輸血供給システムが確立して
白血球除去を医療現場で行う必要は
ないのですが、
唯一必要なのが日本の中でも
離島中の離島である
小笠原村だったのです
その当時は
産婦人科になるなんて
夢にも思っていない頃でしたので
そこまで深く考えることはできなかったですが
今の立場から考えると
かなり恐ろしい状況です
お産に関わっていると
1L、2Lの出血って
そこそこ遭遇します
2L出血しても
正直そこまで焦ることは無いのですが
それは
輸血がすぐに届く!
という大前提条件があってこそです
結局
その後の話は
どうなったのでしょうか??
興味あります・・
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