排卵の命令が
きちんとでているのに
卵胞から卵子が排出されない
そのために月経不順になる
多嚢胞性卵巣症候群
PCOS
最近とっても増えていて
妊娠前後で治療が変わる
それぞれの治療方法を
解説します!
とか言いながら
すっかりスルーしてたよ
さて
妊娠前は月経周期を整えるため
低用量ピルが勧められます
PCOSの原因は
よく分かっていない事も多いのですが
肥満は一つの原因となるので
肥満傾向のあるPCOSでは
減量も有効です
さて
では妊娠したい時には・・
何はともあれ
排卵しないと
妊娠が成立しません
というわけで
いかに排卵しやすい状況を作るか?
が治療となります
そう
排卵誘発薬
が多く使用されます
妊娠前までは
低用量ピルを使用し
いわば排卵を抑える治療を行い
妊娠を検討する時には
全く逆の治療が必要になります
まさに
月経を自分で
コントロールしないとなりません
さて
排卵誘発薬というと
注射を打つとポンと排卵
みたいなイメージですが
実際には
卵胞を大きく育てる事
が重要となります
上の図の
FSH(卵胞刺激ホルモン)
によって卵胞が大きくなり
大きくなった卵胞から
エストロゲン(E2 女性ホルモン)
が産生されて
さらにFSHが作られる
という
いわばエストロゲンとFSHが
互いにアクセルの様に作用して
卵胞が発育します
卵胞が一定の大きさに発育すると
LHという排卵をさせる命令
が出されます
PCOS自体は
卵胞がLHに中々反応できない
というものなのですが
だったら
卵胞を薬でなるべく発育させて
排卵しやすい状況を作っちゃおう!
というのが
治療方針となります
内服薬→注射
とステップアップすることが多いです
内服:クロミフェン(クロミッド)
エストロゲンが出てないぞ
と思わせて、
FSH・LHを多く出させる薬
注射:HMG・FSH
これはクロミフェンよりも
もう少し単純に
FSHをそのまま注射する
というもの
昔はFSHを合成することはできなかったので
HMGといって
尿から精製したFSHとLHの合剤
が使用されていました
ってか今でも使ってますが・・
不妊専門施設では
FSH製剤を使用しているところが
多いかと思います
さて
排卵誘発について説明しましたが
PCOSの病態生理から考えて
卵胞を刺激したり
排卵誘発(LH)を打ったりって
なんと無く根本をどうにかしている様には
あまり思えないですよね??
確かにそうなんですよね
根本を治す治療は
中々ないのが現状
確かに
肥満傾向の人だったら
減量したり
PCOSの要因の1つに
糖尿病傾向があることから
糖尿病薬
が有効なケースもありますが・・
スッキリとした治療が
中々ないんですよね
なんと無く
根本的な病因に対する治療として
こんな方法があります
卵巣ドリリング
物騒な名前ですが
これは腹腔鏡手術で
細い針を使って
卵巣に無数の穴を開ける
手術
卵胞が中々破けないんだから
沢山穴を開ければ
排卵しやすくなるだろう!
なんか
手術って
思ったより単純というか
大胆というか・・
ただ
有効な方法なのですが
・保険が効かなかったり
・手術なので、麻酔や入院が必要
そして注意しないといけないのが
一定期間が過ぎると
また排卵しにくくなる
ということです
穴が塞がると
やはり元の様に
排卵しにくくなってしまうんですね
人間の体の
回復力ってすごい
ですよね
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