名もなき復讐(어떤살인)

 

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初公開: 2015年
監督: アン・ヨンフン
主演:シン・ヒョンビン、ユン・ソイ、キム・ヒョク
原題:어떤살인

★★★☆☆

 

序盤は、ただただ酷いな~って印象で進んでいくんだけど、最終的にすごく深く考えさせられる余韻の残る作品だったと思う。主人公の少女役を、シン・ヒョンビンさん…って初めて!

映画の当時で29歳。だけど少女からの役をこなしてました!

役のせいもあり、まったく印象が違いますね。

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学生時代、射撃競技の代表選手だったジウンは、両親とともに平凡で幸せに暮らしていた!だけど…

 

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両親が友達を含む暴走族に絡んだことで事故死!生き残ったもののジウンも、言語障害というハンディを背負ってしまう。一人で障害を持ちながらも、工場で働き、絵で暮らしを立てる小さな夢をもっていた…が…

 

男3人にレイプされてしまう。

警察に行くんだけど、毎度おなじみ韓国警察は面倒がって相手にしない…絶望して帰宅した彼女を待っていたのは、レイプ犯の一人で、またもやレイプされそうになり…思わず殺してしまう。

 

同じように妹をレイプされた境遇を持つ女刑事をユン・ソイさんが演じている。ジウンを助けようとするんだけど、ジウンは打ち明けることができず遺体を解体し…捨てるときに、別の刑事に見つかりまたもや殺してしまう。

 

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この映画の一つのポイントが、彼女が射撃の名人だってこと。殺す時も1発で急所に命中させて殺してしまう。これが彼女が犯人だと暴かれる原因にもなってしまった…

 

女友達のヒモ暴力男も殺して、自分をレイプした男たちも殺して…どんどん落ちていく。

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ついに、目をかけてくれた女刑事もジウンが犯人だと知り…

 

自暴自棄になったジウンだけど、「これ以上殺さないで…」という刑事の言葉を思い出したのか、最後のレイプ犯の男には、致命傷をあたえなかった。そして逆に撃たれてしまう。

 

ジウンは脳死寸前となり、犯人の男は肝移植のドナーを探していたことで、ジウンがそのドナーになってしまう運命にあると知った女刑事は、犯人ではなくジウンの酸素マスクを外して死なせてしまう。とても、自分をレイプした男に肝臓を提供させたくなかったんだんろう…

 

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最後は取り調べを受ける女刑事のシーンで終わる。

警察も何も信じられない世の中で、死んでいった被害者はたった一人信じることができる刑事がいたということに、救いを感じることができる。

 

人って、いつ何をきっかけに地獄の底へ落ちていくのか…

もし、警察で最初にきちんと捜査してくれていれば…

いろんなターニングポイントがありながらも、人の運命って明日どうなるか本当にわからないわね~って、心から思わせられる映画でした。

 

最後にまたまたタイトルなんだけど、原題は、「어떤살인」…「ある殺人」でいいと思う!!