土曜日は古寺を歩こう。

寺勢華やかな大寺も、健気に法灯を守り続ける山寺もいにしえ人の執念と心の響きが時空を越え伝わる。その鼓動を見つけに…。

福勝寺、見所は虚空蔵さんと裏見の滝。

2017年05月19日 | 和歌山の古寺巡り





(2017.05.14訪問)



長保寺からR42号を下津まで戻り、県道166号を東へ、途中山側にいくらか上った所に福勝寺は長~い石段参道を構えています。
この参道石段を先に発見していたら、キット今日の参拝パスしていただろうと思います。加齢とともに体力急降下、石段イヤや、山
道イヤやとなるとお寺歩きは相当限定されそう。ホントイヤですネ、どうしよう。
そんなこと云ってる場合じゃありません、福勝寺に着きました。このお寺やはり紀州徳川の縁があり、求聞持堂の本尊虚空蔵菩薩は
初代藩主徳川頼宣の念持仏と云われる可愛い虚空蔵さんが祀られていると聞きやって参りました。滝も落ちているらしいですヨ。

長保寺ブログの最後で、「次に訪ねるのは海南唯一の真言宗古刹です」はボクの早とちりで「海南唯一」ではありません訂正します。





▼道路に面していきなりの参道石段で相当の段数が有りそうです。(帰りに写した写真です)
 まったく気付かずそのまま走りますと左手に福勝寺はこちらへの道標がありました。







[ 福勝寺 ]
●山号 岩屋山 (いわやさん)
●院号 金剛寿院 (こんごうじゅいん)
●寺号 福勝寺 (ふくしょうじ)
●宗派 高野山真言宗 (こうやさんしんごんしゅう)
●開基 弘法大師空海 (こうぼうだいしくうかい)
●開創 延暦二十三年 (804年) 
●本尊 千手千眼観世音菩薩 
▲和歌山県海南市下津町橘本1065 Tel. 073-494-0312
▲拝観料 ご朱印無し、現在朱印用三点印を製作中。
▲JR紀勢本線「加茂郷駅」下車 タクシー15分
 阪和自動車道「下津IC」から5分




▼その道を行くと庫裡前の駐車場に着くラッキーさ。
 重要文化財福勝寺のガイド板、このガイド板重文級。

 





福勝寺縁起
本尊千手千眼観世音菩薩は、唐へ渡る直前の弘法大師が旅立の観音、厄除の観音、雷除の観音と三ご請願を立て安置されたと寺伝に
記されています。江戸初期、紀州徳川家の初代藩主徳川頼宣から厚く信仰を受け、求聞寺堂という紀州藩主の祈祷所が建立され、そ
の後は紀州藩主縁の厄除けの祈願所として現在に至ります。





▼蓮如上人縁の名号堂。真言宗のお寺になぜ蓮如上人? 紀伊熊野を布教中このお寺に泊まった記念に建立されたと聞きました。
 桁裄五間、梁間三間、入母屋造、本瓦葺、一間向拝付。小さいお堂にしては立派な造りですが立ち入り禁止になっているのはどこ
 か具合が悪いのでしょうか。







▼サテ本堂はどちらかな、この石段が本堂への道、これは軽く行けそう。

       





▼石段を上りきるとお堂が二つきり、手前求聞持堂、奥が本堂です。







▼鐘楼 (重文)。







            ▼何かの記念碑なんですが、全く刻字が読めません。







▼求聞持堂 (重文)。本尊虚空蔵菩薩。桁裄四間、梁間三間、宝形造、本瓦葺。慶安三年 (1650年) 紀州藩初代藩主頼宣建立。
  虚空蔵求聞持法という真言密教の行法を行うお堂。







▼須弥壇に置かれたお厨子の中に本尊虚空蔵菩薩が。



(この写真はご住職からレクチャーを受ける前に外縁から格子窓を覗いて撮った写真ですのでピンに問題あり) 





            ▼本尊は岩盤上の蓮台に二重円光を背にお坐りです。全高約60cm、像高約20cm、
             木造。木質は判りませんが壇像風お像で、噂に違わず何とも愛らしい虚空蔵さんです。







▼本堂 (重文)。本尊千手千眼観世音菩薩。桁裄三間、梁間三間、寄棟造、本瓦葺。永正十二年(1514年) 建立。
 内陣荘厳は極めて質素、本尊脇侍として千手観音と薬師如来が祀られています。
 本尊は現代仏師の作、新しいものです。旧本尊は盗難に遭い現在行方不明とのことです。







▼山号が書かれた新しい扁額。







▼ご住職に本堂側面の扉を開扉して頂いているところをパチリ。







▼本堂外陣から結界格子の奥が内陣。
 内陣に入れて頂きご住職と立ち話。親切を絵に描いたような方で話し好き、長々とお付き合いくださり一時間ほどお話ししたでし
 ょうか。







▼いつの間にか本堂正面扉が開けられていました。







▼本堂外縁にクッキリと天狗の手形。この境内に昔天狗が住んでいたらしいのですが、ジーッと見たら?
 オッとこれを云っちゃお仕舞か。

       





▼本堂と奥の岩場に結界縄が。







▼これが噂の「裏見の滝」残念ながら水量が……、高さ20m、幅30m                              

























▼積層状態がよく分かる豪快な岩盤。下方が半洞窟になり、滝の裏側に立つことが出来るところから「裏見の滝」呼ばれるそうです。
 滝裏の写真は水量不足と滝との間隔が狭くて撮ることは出来ませんでした。←言い訳。







▼洞窟に石像のお不動さんが。







            ▼舟形光背の不動明王が固いガードに護られています。
             このお不動さん、弘法大師の作と伝わり、雨乞祈祷をするためにこの石座に
             移したそうです。







▼少し離れたところにお地蔵さんが。







            ▼「裏見の滝」の全景ですが、この水量です。







▼これを滝壺と云っていいのかしら?



と疑問を感じたところで福勝寺 オ シ マ イ



庫裡でご住職からお堂案内しましょうかの嬉しいお言葉、断る理由などドコにもありません。
本堂、求聞持堂は内部で繫がっており、そのガイドレクチャーに感激、当方のお粗末な質問にも真摯に相手をして下さるホント親切
を絵に描いたようなご住職、内容豊富な濃い~い時間、時にこういうご住職とお会い出来、こういう時間が持てること、嬉しいじゃ
ないですか。古寺古刹歩きは止められませんネ。
ご朱印は朱印用三印制作中なので出来上がり次第朱印は送るとの事。期待して待つことにしましょう。





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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
お寺 (仁仁)
2017-05-19 23:13:46
お寺のお参りっていいですね。
僕は、お話や物語が好きで、いつもパソコンで、昔話を見ています。
昔話に出てくるお寺は、絵がすごく上手で、こんなの僕は、とても書けないよと思うくらい上手です。
たまに昔話の中に目がキラキラ光っている美しくてかわいい女の子が出てくることもあるので、それで好きだということでもあるのです。
僕は、お寺の中で一番好きでよくできてるなと思うのは、仁王さんです。
お寺に行くと怖い顔をしたりっぱな仁王が立っているので、それで好きなのもあるし、昔話にも仁王がよく出てくるので好きだということでもあります。
顔が好きだということでもあるのです。
僕の、好きな色青と紫、好きな動物クジラ・馬・蛙などです。
よろしくお願いします。
Unknown (hidepon)
2017-05-22 00:00:13
仁仁さん、こんばんは。
何を隠そう、ボクも仁王さんが大好きなんです。
仏師による造仏の違いは当然ですけれど、時代による表現差などもあるようで、
ジックリ見ると、色々発見があるので面白いですネ。
コメントありがとうございます。レス遅れて申し訳ありません。
これからもよろしくお願いします。
令和2年6月7日訪問 (赤影)
2020-06-07 18:20:06
本当に親切丁寧な住職さんで、どこの立派な寺院よりも感激、感動しました。一生心に残る素晴らしい思い出です。

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