五山送り火 舟形 夜空をそめる炎と賀茂川の水鏡

五山送り火 舟形 夜空をそめる炎と賀茂川の水鏡

2017年8月16日の京都五山送り火です。

五山の送り火は、京都の夏の風物詩の一つであり、京都に夏の終わりを告げる行事でもあります。

五山の送り火は宗教的意義の強い行事です。
単なる山焼きではなく、お盆に帰ってきた先祖の魂・精霊を再びあの世に送り出すという宗教的行事です。
五山の五つは「大文字」「妙法」「舟形」「左大文字」「鳥居形」です。

個人的には五山の送り火の写真は毎年何がしか失敗しています。
場所取りの失敗や大雨対策不足、欲張ってたくさん見ようとして中途半端になったなどです。

今年は「舟形」に絞って見に行きました。
船形は、西賀茂船山にて灯されます。
一般的には北山大橋付近からその北西あたりが一番良く見えるとされています。
早めに行って北山大橋や賀茂川沿い、さらにその北の上賀茂橋や御薗橋あたりをうろうろしてみました。
実際行ってみると、一番良い感じで見えるのは上賀茂橋です。
その北の御薗橋まで行ってしまうと、舟形は大きく見えはしますが、角度がいまいちな感じがします。
結果、上賀茂橋付近で見ることにしました。

橋(通)を整理すると、北から御薗橋(御薗橋通)→上賀茂橋(玄以通)→北山大橋(北山通)の順になっており、
上賀茂橋(玄以通)が一番舟形を見るのに適しています。
しかもこの上賀茂橋は、北を見れば大きく舟形が見えますし、南には大文字がはっきりと見えます。
舟形と大文字が問題なく見られます。
上賀茂橋は凄い良いポイントです。人も多いのは多いですが知れています。
当初、混雑して警察の規制も強くなって、立ち止まり(および撮影)ができないのかと思いきや、
普通にその場で立ち止まって撮影もできます。
さすがに三脚は厳しいので、橋の欄干にカメラを置いて写真を撮りました。

今年の送り火は今までよりは上手くいきました。
上賀茂橋から綺麗に舟形が見えましたし、水鏡も楽しめました。

2017年8月16日訪問、撮影です。

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上賀茂橋から眺めた賀茂川と西賀茂船山です。
賀茂川と西賀茂船山

送り火に関係なく、普通に緑と川が綺麗です。
上賀茂橋から舟形は肉眼ではっきり見えます。
緑と川の美しい風景

舟形です。送り火の準備はもうできていそうです。
五山の舟形

上賀茂橋から少し南の河川敷から眺めた西賀茂船山と舟形です。
橋の上からが一番見易いですが、警察の立ち止まりの不可の規制がかかった時の為に、
他にも見易い場所を見つけておきました。
西賀茂船山と舟形

夕暮れの賀茂川と西賀茂船山です。
夕暮れの賀茂川と西賀茂船山

夜8時になり、如意ヶ岳大文字山の「大」に火が灯りました。
上賀茂橋は北を見れば「舟形」が、南を見れば「大」がはっきり見えます。
カメラを固定して大文字をしっかり撮りたい誘惑に駆られましたが、
それをすると「舟形」も中途半端になってどちらも失敗しかねません。
「大」は諦めて「舟形」に集中です。とは言っても、手持ちで数枚撮影しました。
如意ヶ岳大文字山の「大」

10分ほど経って、いよいよ「舟形」に火が灯りました。まだ何が何か分りません。
火が灯りだした舟形

一気に炎が上がり、舟形が姿をはっきり現しました。
一気に炎が上がった舟形

舟形の全てに炎が灯りました。賀茂川にも映り、舟形の炎の水鏡ができています。
舟形の炎と賀茂川の水鏡

神々しく厳かな雰囲気につつまれます。
送り火の神々しく厳かな雰囲気

そして美しく幻想的です。
Sending the soul to the other world Kyoto Gozan-no-okuribi

五山の送り火は、お盆に帰ってきたご先祖様の魂や精霊をあの世に送り出す重要な行事です。
宗教的意義が強く、単なる山焼きではありません。

ただ、それはそうなんですが、最近いろいろ思うことがあります。
やたらと五山の送り火の観光や観光目的を批判、否定しているのを
SNSやブログで見かけたり、実際話をしているのを聞きます。

五山の送り火は重要な宗教的行事ではありますが、観光の面が含まれているのは間違いありません。
なぜ五山の送り火だけ観光目的を批判したり悪く言う人がいるのかが理解に苦しみます。

宗教的意義があるのは、五山の送り火のみならず、神社仏閣の拝観や行事、お祭りなども同じです。
どこで区別をするのかが分りません。あるいはその方たちは神社仏閣の観光面をも否定しているのでしょうか。

もし、五山の送り火や神社仏閣の観光目的を批判、否定するのであれば、
観光客の方に向けるのではなく、都道府県などの公共団体や観光協会などに向けるべきです。
それを観光客の方々に向けるのは筋違いです。
たくさん宣伝して、たくさん観光客を呼んでいるのは「京都」なんです。
京都は観光都市であり、観光客の方々のおかげで潤っているのは間違いありません。
五山の送り火ならず、お祭りなどでは便乗した色んなグッズ的なものがたくさん売れます。
もちろん周辺の飲食店などもお客さんがたくさん入ります。

ただ、純粋に五山の送り火を見て、綺麗、幻想的、美しいと思い、
それを話したり、写真を撮ったりするのは全く問題ないと思います。

もちろん行事の意味合いを知った方が、ただ単に観るよりも深みがでて、
より一層楽しめる可能性やいろいろ考えにおよぶ可能性は十分あります。
それであれば、ここぞとばかりに批判、否定するのではなく、教えてあげれば良いはなしです。
送り火は魂や精霊を送り出す行事

少し話しが長くなってしまいましたが、見事な舟形です。
五山の送り火の舟形

五山の送り火では、一つの山が燃えている時間は20分ほどです。
上賀茂橋の上から素晴らしい舟形と水鏡が見られました。
舟形の炎と水鏡

ひとまずは思っていた写真が撮れたので、思い切って場所移動しました。
上賀茂橋から見られない時の為に探しておいた場所です。上賀茂橋の少し南の河川敷です。
五山の送り火の舟形と上賀茂橋

まだ燃えてくれています。
ここからもはっきり舟形が見えます。賀茂川の水鏡も少し見えます。
送り火の舟形と水鏡

遠目から見るとまた違った趣きがあります。
幻想的な雰囲気につつまれる五山の送り火

上賀茂橋の人がみんな舟形を見上げてて、妙に良い感じです。
五山の送り火の舟形と見上げる人々

徐々に炎が消えていきます。お精霊さんも無事戻っていかれたでしょうか。
いろんな人や情景に感謝です。
Religious festival that burns mountain called Gozanno-Okuribi in Kyoto,Japan

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