Conversations From a Long Marriage | First Chance to See...

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エコ生活、まずは最初の一歩から。

 2018年の元旦にBBC Radio 4で放送された、約30分のコメディ。タイトルから予想される通り、長年連れ添った夫婦の会話劇である。

 

 

 そんなコメディを私がわざわざ英語で聴こうという気になったのは、勿論、夫の役を演じているのが大好きなロジャー・アラムだったから。妻の役はジョアンナ・ラムレイで、私はあまりよく知らないけれど、次のBAFTA英国アカデミー賞授賞式ではスティーヴン・フライの後を継いで司会をするらしいから、イギリスではかなり人気のある人なんだろう。同じBBCでも、テレビと違ってラジオはイギリス国外でも放送開始から1ヶ月は聴き放題なのがありがたい。

 

 ドラマは、二人が近所のカフェに入ってきたところから始まる。座ると早速妻が「私、いつもと違うでしょ?」と言い出すが、夫はどこがいつもと違うのか即答できない。正解は「メガネをかけている」だったのだが、「メガネ姿の私、どう?」と訊く妻に、夫が「真面目そう(serious)に見える」と答えると、それも妻にとっては期待した答えではなかったようで、「あなたはこのメガネが嫌いなのね」と言う。どうやら妻としては、「とってもセクシーだよ」という答えが欲しかったらしい。

 

 そこから話は夫婦別々の寝室の是非とか、熟年離婚した友人夫婦のこととかに移っていくが、基本的に妻が自分の言い分を主張し、夫がフォローに回ったりまぜっ返したりする、といった形になっている。歯医者の予約があるからと席を立った妻は、夫に切手(first-class stamp)と食器洗濯機の洗剤(dishwasher salt)を買って帰ってねと伝える。ただし、車は妻が運転していくから、夫は家まで歩いて帰らなければならない。

 

 さてさて、カフェでいったん別れた二人は、後ほど自宅で顔を合わせるが——。

 

 倦怠期の夫婦にありがちな会話という設定のコメディだけど、夫婦二人で近所のカフェでコーヒーを飲んで会話できるというだけで、日本では十分以上に仲良し夫婦だよな、というのが正直な感想。あと、コメディだから誇張されているにしても、日本の同世代の女性と比べて圧倒的に言いたい放題だ(笑)。ま、私がロジャー・アラムのファンだからつい夫の肩を持ってしまう、というのは確かだけどね。