緑色の野菜が好き、という話は、6年前にこのブログ記事で書いた。その嗜好は今も変わらないが、同時に、野菜料理の調理技術も当時と全然変わっていない。生で食べられるものはそのままでよし、火を通すにしても軽く茹でればそれでよし、あとは市販のイタリアンドレッシングかマヨネーズがあれば十分。美味しくないものを美味しく食べようとするなら創意工夫しなくちゃならないが、最初から美味しいと思うならそれ以上食材に手をかける必要はないよね?
と、思っていたのだが。
先日、大学時代のゼミのプチ同窓会のお誘いを受けて、私としては珍しく都心のオシャレなレストランでランチしてきた。私は外食全般が摂食障害寸前レベルに苦手なので、オシャレだろうと何だろうと外食のお誘いは原則お断りしており、ただでさえ乏しい交友関係もますます乏しくしているのだが、でも今回幹事役の友人が予約してくれたレストランでは、コースではなく単品メニューもオーダーでき、しかも前菜ではなくメインメニューとして「野菜料理」を選ぶこともできるという。おお、これなら私でも大丈夫かも、ということで参加してみたところ、
徹底して緑のサラダだった。
でも、私でもたまに入るような、そこらのカフェの「サラダボール」とはまるでレベルが違う。私がまず足を踏み入れることのない一流のレストランだけあって、食材の切り方からドレッシングの和え方まで、すごくすごくちゃんとしている。キュウリを食べてもアボガドを食べてもいちいち「おっ」と思う美味しさで、なるほどこれがプロの仕事かと感じ入った。
ううむ。これまでずっと「素材が美味しいんだから手をかけても意味ないじゃん」と開き直ってたけど、少しは反省しなくちゃな——真似できないけど。
幹事役を引き受けてくれて、腰の重い私を引っ張り出してくれた友人に心からの感謝を。ラ・メゾン・キオイ、味も内装も接客も、とても素敵なレストランだった。