リハビリ | 国際結婚 こんなところまで来てしまった・・・

国際結婚 こんなところまで来てしまった・・・

これは、私の過去の記録(日記)です。
イギリス人の夫と国際結婚 
中東で海外生活を経て
やっと日本に戻ってきた。。
海外でも日本でも何故かいつも微妙に波乱万丈をしている
2児の母です。

今日も頑張れました。。笑

忘れないうちにと思うと

スラスラ書けますね。。笑

 

本日2回目の投稿です。。

 

さて、今までの父の迷惑行為を

病院で謝りたおしながら

お見舞いに行く。。。

 

三回目の脳梗塞で

父は前より明らかに

記憶・思考ともに衰えている。

 

なので

感情の赴くまま言ってしまうことや

暴れることもあるそうな。

いや、きっと自分でも何をやってるのか

自覚がないのだろう。。

 

だから

言い聞かせてわかるとか

そう言うレベルに

父はもう達していない。。

 

父が今できる精一杯は

人や物を認識することのみ。。

 

まあ、もともと

説き伏せて耳を傾けるような

そんな人でもなかった。

 

なので、謝るしかない。。

 

謝りたおして

やっとの思いで病室にたどり着いたジジイ(父)は

自ら私たちに気づき

「よう!」と声をかけるほど

案外元気だった。。笑

 

これ、母がのちに言っていたが

私たちが滞在中

今までに見たことがないほど

異常なくらい体調が良かったそうな。。

 

このことは逆に母を不安にさせた。

その不安とは

もしかしたら、父はもう死ぬんじゃないかと言うこと。

 

人は死ぬ前に一度元気を取り戻すことが多いよう。

だから、今までグターっとなっていた父の

あまりの変わりように

父もまた死ぬ前に差し掛かっていて

元気を取り戻したのではないか?

そう思っていた母。。

 

私は病室に着くと

「またきたよ!」と父に声をかける。

 

すると「おお!きたか!JとA!」と

またもや娘の私を無視する父。。

おいおい!孫だけかよ!笑

そう思いながら

私は何気に父の手を見た。。

すると血だらけ。。

 

「何これ?

どうしたの?」

と母に聞くと・・

 

「身体中に湿疹ができててね

痒いのよ。。。」と言う。。

 

母の言うことを確かめるため

服を剥いで見ると。。

下にはおびただしい数の湿疹。。。

かきむしったのか

湿疹の上には瘡蓋ができている。

下着のシャツは血だらけ。

 

酷い。。

 

一言に尽きた。

 

肩から首背中にかけて

腕も胸も全て湿疹で覆い尽くされている。

 

痒い・・

そういってまた掻き毟る父。。

私は父に処方されていた

かゆみ止めの薬を

身体中に刷り込み始める。

 

「掻きむしったら

また痒くなるから

薬塗ろう。。

痒くなくなるまで

擦り込んでやるから。」

そう言いながら

クリームを塗り込んだ。。

 

母が言うには

最近この湿疹がで始めたらしい。

ただでさえ

唾が飲み込めずに

苦しいのに

更に全身が痒いなんて

最悪だ。。。

 

私はクリームを塗りながら

「明日さ。。

リハビリがあるのよ。。爺ちゃん。

子供達が爺ちゃんが

リハビリしてるところ

見たいんだってよ。。。

一緒にリハビリ室に行こうと思ってるけど

それでいい?」

と一応本人の許可を取った。

 

すると

「ええよ。」と

今までリハビリを渋っていたとは思えない父の返事が

返ってきた。。

さすが孫パワー。

 

これを聞いていたリハビリ療法士さん。。。

「お孫さんたち、本当に可愛いですね〜!

リハビリ来てくれるそうだから、

明日、頑張りましょうね!」

そう激励していた。。

 

これで調子に乗ってくれればいいんだけども。。

 

療法士さんも私たちも

願いは一つ。

やればできるそのやる気を

出して欲しい。。。

 

もし、本当に父が家に帰れるウルトラCがあるとすれば

それは「父の体力回復」

これが私たちにとって一番のウルトラC。。

 

体力がつけば

状況はものすごく変わる。

 

小さな希望を胸に

次の日のリハビリに一緒に参加する。。

 

約束の時間。。

父を病室に迎えに行った。

子供達に代わる代わる車椅子を押されてようやく

リハビリ室に到着。。。

 

「今日は頑張りましょうね!」

そう励ましてくれた療法士さん。。

 

その横に、いつも迷惑をかけている

イケメン男性のリハビリ療法士さんが

父の補助をする。。。

 

リハビリ室にある

平行棒のような二つの手すりを使いながら

歩く練習。。

 

これがまず最初の課題だった。。

 

父は呼吸を合わせ立ち上がろうとするも

なかなか時間がかかる。。

 

どうも、自分のタイミングがあるよう。

 

平行棒の先、ゴールに

孫2人がいて

「爺ちゃん頑張れ!」を連発されている。。

 

この状況で

行かないとは言えない父。。

 

でかした!子供達よ。。。

 

父はゆっくりと立ち上がったが

途中ふらつき

ヨロヨロと崩れ落ちそうになった。。

 

それをイケメン療法士さんががっちり抱きとめてくれ

立たせてくれる。。

 

歩けるはず。

歩いて欲しい。

 

そう思って見ていた私。。

父もまたそう思っていたのだろう。。

 

ゆっくり1歩1歩進み始める。。

 

案外早くゴールに到着した父。。

しかし、療法士さんは父を座らせず

往復させようとした。。

 

私は子供達に

逆サイドに回るように指示。。

 

しかし、父は座りたかったので

往復を拒否。。

 

逆サイドについた孫たちの応援が始まり。。

結局バツが悪くて

また歩くことを決意したよう。。

しかし、方向転換が難しかったようで

またヨロヨロと崩れ落ちそうになる。。

 

それをイケメン療法士さんに支えてもらい

方向転換。。

 

また逆サイドに歩き始める。

 

たった4メートルほどの距離だったが

往復でクタクタ。。。

ゴールについた父は

崩れ落ちるように

車椅子に座った。。

 

療法士さんは

もう少し往復させたかったらしい。。

 

久々のやる気を

何一つ無駄にしたくない療法士さんたち。。笑

 

一方応援団の子供達は

爺ちゃんを褒め殺す。。

さすが外国人。。。

達成目標が低いので

ちょっとできたら

もう大騒ぎ!爆

 

「爺ちゃんすごいね!」

「爺ちゃん頑張ったね!」

そう日本語で話しかける。。

 

療法士さんが私の耳のそばで

「日本語大丈夫なんですね!」と言ってきたので

「いやいや・・簡単な言葉だけなんです。。」

と答えた私。。

 

褒め殺されたジジイは

調子に乗った。。。笑

 

さっきまでゼエゼエ言っていたのだが

もう一種目やる気になったそうな。。

これ、今までで「やる気」の

最高記録だそうで。。笑

 

とりあえず

歩行器を使って歩く練習をする。。

 

すると。。何を思ったか

息子を呼び

「J!やってみろ!」と

英語で指示。。

 

今までほーっとしてるか

ボケていた父しか見たことなかった

療法士さんたちは

「おお!英語!」

と驚く。。

 

私は父に

「いや、お父さんのリハビリやけ

子供にさせてどうするのよ。

子供達は歩くのに歩行器とかいらんし。」とツッコミ

父、渋々歩行器に・・・

10メートルほど歩いたら

疲れたのか

止まってしまい。。。

 

ここでリハビリ終了。。

 

リハビリ療法士さんたち曰く

ここ最近で一番頑張ったそう。。

 

やっぱり、孫にはそこそこ

いいところ見せたかったんだよね・・。

父のプライドを利用した方法だったけど

最終的に

こういうのがなんどもなんども続けば

きっと体力つくんだろうけどね。。

 

そんなことを思いつつ

父の車椅子を奪い合いながら

子供達は押し

病室に帰って行ったのであります。。