『理念』の継承 | 会計事務所応援 ブログ

『理念』の継承

みなさん、こんにちは。

 

私どもとお付き合いのある
会計事務所の先生は、
30年前、40年前に
ゼロから事務所を立ち上げた
創業者であることが多いのですが、

 

その事業承継の過程において、
先生と後継者との間で
あるいは古参のスタッフと後継者との間で
考え方の違いや、パワーバランスの変化に伴い
大きな衝突に発展してしまうケースも
少なからず私の耳には入ってくるものです。

 

その結果、後継と称される人物が
事務所から出ていってしまう、

もしくは衝突後したスタッフが
腹いせにお客様を持って行ってしまうという
最悪な事態もあります。

 

このようなことを繰り返していれば、
やがて事務所は無くなってしまうか
他人の手に渡ってしまうことになりかねません。

 

 

経営者も従業員も、
いつかは必ず事務所を離れていきます。

 

しかし事務所自体はずっと存在し続け、
お客様にサービスを提供し続ける義務があります。

 

そこで、そのお客様の期待を裏切らないように、
あるは今以上に喜んでもらえるように
無くてはならないのが
事務所としての『理念』ではないかと痛感します。

 

 

それは、経営方針や、社是や社訓などに
反映するものだと思われますが、

たとえ経営者が交代しても、スタッフが入れ替わっても
変わることなく引き継がれていく
“企業としての土台”のようなものかもしれません。

 

土台というと、
普段は意識することもないのですが、
もしそれが傷んでしまったら、傾いてしまったら
上に乗っかっている建物は
すべてその影響を受けることになります。

 

後継者を決める際も、引き継ぐときも、
この『理念』というものを共有できない限り、
その後あらぬ方向に行ってしまいかねません。

 

ここ最近でも、
ある大手企業で経営層である親族間の争いの末、
それまで続いてきた経営方針を大幅に変更し、

その結果、
「新規顧客も増えない」
「既存顧客も愛想を尽かす」
という誰もが一番望まない結論に
至ってしまった事例がありました。

 

 

もちろんこのことは経営者だけのことではなく、
そこで働くスタッフにも
同じことが言えるでしょう。

 

創業者が現役でお仕事を
されている職場環境であれば、
その『理念』の実践は、
直接指導というかたちで現場に浸透されていきます。

 

私も、今年9月に亡くなった創立者の野本から、

“サービスの方向性”“提供するサービスの品質”
“行動とその結果”について
厳しく指導を受けてここまできました。

 

しかし、その品質を維持しつつ、
次の世代に繋げていく役割は
今後私たちが担うことになります。

 

そこでその行動指針となるのが『理念』の存在です。

 

折に触れて『理念』を確認しあう、
『理念』を徹底できるよう意識して行動することが
お客様の期待に応え、
そこで働く人の期待を裏切らない
大元となるのではないでしょうか。

 

私たちはこのような事務所における
事業承継の過程を
さまざま側面からサポートさせていただいておりますが、

そこで先生方から求められるのは、

「大先生の引退後も事務所を支える
しっかりとした仕組み(ルール)を作ること」が大半です。

 

ところが、仕組みはあくまで仕組みであって、
その原動力は事務所の魂ともいえる
『理念』ではないかと私は思います。

 

同じ価値意識のもとで仕事ができるからこそ、
組織は仕組みを活かすことができ、
機動力を発揮するもの。

 

普段あまり意識することはないのかもしれませが
もう一度『理念』について、
見直してみることが必要ではないでしょうか。

 


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