「牛歩」 | 会計事務所応援 ブログ

「牛歩」

みなさん、こんにちは。

 

つい先日、
地元で開業して25年近くたつという
ある税理士先生とのお話しのなかで、

 

「パソコンやインターネットといったITインフラも、
 会計ソフトも時代とともに劇的に進化してきた。

 それらに乗り遅れまいと
 新しい道具を買い替えてきた。

 

 でも正直なところ
 私たちの業界は10年前20年前と比べても
 仕事のやり方そのものは
 ほとんどと言っていいほど変わっていない。

 

 相変わらず一定期間のサイクルでお客様先を回らなければいけないし、
 紙の資料をみながら記帳代行に時間を費やす。

 

 劇的に担当件数が増えたわけでもなく
 一件あたりの顧問報酬も
 契約した当時と大きく変わるものでもない。

 

 職員の給料も一般企業と比べると
 昔から決して良い水準とはいいがたい。

 

 ある意味それで助かっていたところもあるが
 情けないことでもある」

 

とおっしゃっていたのがとても印象的でした。

 

そんな先生が事務所経営でうまくいっていないかといえば
決してそんなことはなく、
むしろ地域No.1クラスの優良事務所。

 

それでも、
先生の事務所の歴史を振り返ると

普段、顧問先としてお付き合いしている
病院や旅館、建設業や小売業を思い浮かべると
その進化のスピードは
比較にならないほど遅いと言い切ります。

 

「個人個人のスキルや経験に偏った運営で
 成り立ってきたことが原因なのかなぁ...」

と考え込んでおられましたが、

 

他業界においても、
伝統を重んじたり、多くの職人を抱える職場であっても、
新しい技術や外国人の採用に積極的だったり、
時代に即した仕事のやり方に変えていくことは
レアケースではなくなってきています。

 

それだけ柔軟な対応を心掛けていかなければ、
どんなに伝統的なものであっても
法律によって守られていても
商売として生き残っていけないのだと思います。

 

 

本日、当ブログは
ちょうど1400回目の更新となりますが、

ブログを立ち上げた約8年前、


私たちの財務システムは、
サーバ・クライアント型のシステムからクラウド型へと
進化を遂げたばかりでした。

 

その後、複数拠点で同時処理を行えるマルチ入力や、
スマホやタブレット機器の普及に伴って、
財務データの閲覧や従業員の給与明細の
モバイル対応を行ってきました。

 

さらにこの3年、5年前ほどからは
FinTechの応用や、在宅業務の推進についても
全国で本格的に運用されてきています。

 

業務効率化による時間の短縮、
待機人材の活用、品質の向上や付加価値アップのための
手助けになる便利な道具や仕組みを
技術革新の恩恵にあずかりつつ

次々に世に送り出してきました。

 

私たちも勿論ですが、様々な企業が
少しでも会計事務所の価値向上に貢献しようと
知恵を絞っているはずです。

 

しかし、それらを活かせるかどうかは
やはり受け入れる側の先生や職員さん次第。

 

所長先生だけでなく、職員さんのなかにも
事務所の3年後、5年後を見据えた発想で
物事を考えられる人材が育っていなければ

せっかくの技術革新の恩恵にあずかることもできません。

 

とはいえ、空前の“売り手市場”の影響を
もろに受けている当業界。

 

あらゆる面において「牛歩」の
選択を強いられていることも事実です。

 

これまで「牛歩」で何とかなってきた状況は、
今後も続いていくのか、
それともスピード感のある一部の事務所によって

駆逐されてしまうのか。

 

これからも、

しっかりと見定めていかなければなりませんね。

 


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