最近見て良かったドラマのひとつに 『Nのために』 がある。
『告白』 というえげつないデビュー作でブレイクした、湊かなえという作家の原作である。
その後もコンスタントに 「意外性を盛り込んだ殺人もの」 というジャンルで書き続けている。
今回もやはり殺人事件なのではあるが。そこに 「恋愛要素」 と 「人生とは何か、生きるとは何かという哲学的命題も含んだ本質的問いかけ」 も含む、味わいのある内容になっている。
Nのためにの 『N』 は、名前のイニシャルである。
この作品の主要な登場人物にはほとんど、Nで始まる名前 (名字か下の名前か) がついている。
登場人物それぞれに、「大事なN」 がいた。
それぞれが、ただその 「N」 を守りたかったのだが、その結果殺人が起きてしまう。
いったいなぜ、そんなことになったのかを追いかけていくドラマである。
話が進むごとに、事件のシーンが少しずつ明かされていく、といううまい演出をしていて、謎解き意欲を非常に掻き立てられる。私個人の感想としては、結末はそれほど意外ではなかったが、それでもこれは色々と考えさせてくれる、骨太なドラマだったと評価できる。
皆さんも、おきらいでなければ是非見てほしい。
この作品では、登場人物たちが色々と 「ウソ」 をつく。
普通の犯罪ドラマによくある、自分がした犯罪を隠すため、バレないようにするための利己的なウソではない。ある人物を愛するあまり、その究極の選択としてウソをつき、しかもそのウソを命がけで背負って責任をもっていく、というもの。
主人公 (榮倉 奈々) の、次のようなセリフがある。
ウソは、最後まで貫き通すことで真実になる。
彼女は、ある秘密を最後まで守ろうとした。
(それが貫き通せたのかどうかは、ドラマか原作を読んで是非お確かめを)
ウソという言葉を聞くと、私たちは第一印象で 「良くないもの」 というイメージを持ってしまう。
でも、冷静にウソとは何かと考えてみた時、「事実 (本当のこと) とは違うことを信じさせること」 である。果たして、これ自体を 「悪」 と言ってしまえるだろうか?
ここで言う 「事実」 が、あまりにも残酷なものであった場合。
相手が知らずに済むことなら、問題がないことなら、そっとしておくこともひとつの選択肢。
心から相手を思いやることでつく嘘だってある。
ウソをつくことで背負う心の重荷を覚悟してまでもー
私は、そこまでしてつくウソに対して、悪いとかダメだとか到底言えない。
もしその人物を否定するなら、その相手と同じだけの覚悟と論拠を持たないと、それは大変失礼なことである。しかし世には、批判している対象と同レベルの内的世界をもたないで安直に批判している輩が多い。
それは、世界がまだ未成熟だからでもあり、それだけストレスフルな世界でもあるということだ。
私は、心から相手を思うあまりに命がけでつくウソのことをー
聖なる嘘
そう呼ぶことにしたい。
世にあふれる宗教・スピリチュアルもこれに当てはまらないだろうか。
もちろん、その創始者なり指導者には、強烈に 「これだ!」 という確信に至る体験があり、真理だと本気で思うのでスタートさせたのだろうと思う。
でも、一言申し上げる。あなたは 「人間」 である。
人間は、この世界を舞台に遊ぶ限りは、絶対の真実にたどり着けないように設定してある。
仮に、誰かが絶対の真実にたどり着いたとして、なぜに数千年がたっても人類はこんなにバラバラなのだ?皆、その真理を理解できないほど頭が悪いから?霊的な優劣があるから?
今たどり着いた人がいるなら、皆苦しんでいるからはよ広めたれや。
絶対なんやから、皆聞いたら即座に分かるんとちゃう?
先ほど言った 「聖なる嘘 」の定義では、ウソをついている本人がちゃんとウソをついている (それが真実ではない) という自覚がある前提である。 しかし、宗教やスピリチュアルがつくウソは、指導者たちが絶対の信実と本当に確信している、という点が違う。
残念ながら、すべてのスピリチュアルは 「ひとつの意見」 である。
悟りの世界すら、「ひとつの捉え方」 かもしれない。
そういう観点からすれば、覚醒において誰がホンモノ・ニセモノという議論は大して意味がなくなる。むしろ 「確信犯的詐欺師と、真面目な思い込み」 という違いを問う方が建設的かもしれない。
百歩譲って、本当の 「宇宙の大真理」 があるとする。
でも、人間という存在がもつ機能性の範囲では、個としての自我を通した目線では、それをとらえることができない。メガネをかけていてメガネを探すように、たとえ当たり前でもそれが見えない。
また、それは皆さんの現実生活とも接点がまったくないはずだ。
知っても、応用できない。
でもやはり、宗教もスピリチュアルも、人の幸福に役に立つこともある。
役に立つんだから、いいではないかと思う。
ウソも、ウソだからダメ、ホントじゃないからアウト、では救われない人も出てくる。
人を幸せにしない真実に、大して価値はない。
『MOZU』 という人気ドラマで主人公の倉木警部 (西島秀俊) は、こう言っている。
オレは、一度真実から逃げた。
だから、もう二度と逃げない。
オレはただ、真実を知りたいだけだ。そのためなら、何だってする。
それが、たとえ残酷な真実だったとしても、オレは知りたい。
このように、ある種の覚悟が持てるなら、ウソよりは真実がよい場合があるだろう。
でも、ここまで腹を括って真実と向き合おうとまでするする人間は、「真実を追っている」 ような人間の中でも、そう数は多くない。
多くは興味本位と暇つぶし。あるいは優越感の道具である。
人類歴史は、途方もないスケールのゲームであり、冒険小説だ。
たかだか数千年や1万年くらいのことで、宇宙の答えが見つかるなんて甘い。
とりあえず、現実に生きている私たちがそれなりに幸せに生きていくために、聖なる嘘を利用していこう。私はそうするつもりだし、これからもそれを発信していくだろう。
【業務連絡のコーナー】
①福岡トークライブ Vol.5 「悟りは『里離』」
お申し込み受け付け開始!
【日時】 2015年12月13日(日)13:30~16:30
【場所】 ももちパレス 4F 一般教室 福岡市早良区百道2-3-15 (地下鉄藤崎駅すぐ)
【参加費】 3,000円(税込) 希望者のみ懇親会費 4,000円(税込)
【申し込みフォーム】 http://kokucheese.com/event/index/350525/
【主催】 Be Here Now
②東京トークライブ 『懐疑大作戦』
二冊目出版記念も兼ねて開催!
【日時】 2016年1月17日 (日) 12:00 開場 12:30~16:30
【場所】 アットビジネスセンター渋谷東口駅前302号室
【参加費】 お一人様8,000円 (懇親会費用別途)
【募集人数】 15名限定
【お申し込みフォーム】 http://form1.fc2.com/form/?id=52a95003bf232f2f
③スピリチュアルTV、いつもご視聴ありがとうございます!
今回録画分はこちら。次回は12月2日 (水) 朝8時です。
④テラ初の著書が、発売中!
『宇宙シナリオからのメッセージ』 発売中!アマゾンでも買えます
日本文芸社刊・定価 1.404円
ご注文は、PCで閲覧の方は右サイド中段にあります広告から!
ケータイ画面などの方はこちらまで↓
http://www.amazon.co.jp/dp/4537261137/ref=cm_sw_r_fa_dp_eDy0ub0GNXQXC
⑤賢者テラ・大阪定期講座、常時受講者受付中!
『スピ・テラ (寺) 小屋』
【内容紹介】
テラさんからのメッセージ発信や質疑応答に留まらず、講座参加者のみなさんお一人お一人にアウトプットしていただく 「公開セッション型セミナー」 です。
脱・その時だけ気持ちいいスピリチュアル
脱・分かった気分になるスピリチュアル
脱・どうしていいかわからないスピリチュアル
いつ始められても、途中やすまれても大丈夫!あなたのペースでお受けいただけます。
【開催日・時間】 毎月どこかの土日 14時-17時 ※12月は、6日 (日) です。
【場所】 新大阪駅構内・タリーズコーヒー
【参加費】 毎月10,000円
【お申し込み】 ryoushinkai★gmail.com までお名前、電話番号を明記してメールを。
※上記アドレスの★を@に変えて使用してください。
⑥賢者テラが、過去に出版した小説を復刊させよう!
テラが今のようになる前、チャネリングによって書いた小説があり、出版していました。
しかし当時は私も無名で、内容は本当に面白いのですが結局売れず、廃版となりました。
私が今のようになって、トークライブへ行く先々でこの本を欲しがられますがー
作者の手元にも、ほとんど残っていません。
この物語を、このまま埋もれさすのも惜しい。そこで、皆さんにお願いがあります。
以下のサイトにて、投票いただきたいのです。
『復刊ドットコム』
→ http://www.fukkan.com/fk/VoteDetail?no=56653
皆様の、清き一票をよろしくお願いいたします!
※現在、434票です!
哲学・思想 ブログランキングへ