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「塩狩峠」 三浦綾子

2016年05月27日 | 読書

【東京で、父と厳格な祖母に育てられた信夫は、祖母の死後、キリスト教徒であったために家を出されていた母親とも暮らすようになる。母と妹、そして父までもが信じるキリスト教に違和感を抱きながらも、まっすぐに成長していく信夫。やがて、少年時代からの友人・吉川に誘われ北海道に渡り、鉄道会社で働くようになる。この地で信仰に目覚めた信夫は自らも洗礼を受け、吉川の妹・ふじ子との結婚を決意する。結納のために汽車で札幌に向かうが、塩狩峠の頂上にさしかかったとき、信夫の乗った客車が突然汽車から離れ、暴走を始めた……。】

たいへん美しいお話でありました。

実話を元に書かれた小説だそうですが、
信夫はとっさに自分の身を挺することしか考えられなかったのでしょう。”自分”を犠牲にという思いではなく、”我”を忘れて、ただみんなを助けたいという強い思いだけだったのでしょう。信夫はみんなを助けることが出来て幸せだったと思います。だから、それでよかったんだと思いたいです。

この小説は信夫の生い立ちや成長の記録でもあります(こっちの方がメインかな)。キリスト教に違和感を覚える信夫が、どのようにして信者になったのかも分かります。宗教にアレルギーをもつ現代日本人には、ちょっと宗教色が強く感じるかもしれませんが、一人の人間の人生のお話だととらえれば、なるほどこういう生き方もあるだろう、と思えます。

全知全能の唯一の神を信じるということ(信仰)は個人的には疑問が大きすぎて出来ませんが、キリスト様が素晴らしい人格者で並外れた超能力をもっていたというのはきっとそうだったんだろうとは想像できます。(数々の奇跡は”奇跡”ではなくて”能力”だったと思います)

信仰の問題は措いておいて、道徳的にはキリスト教も素晴らしいと思います。真面目に勉強している人には、謙虚で親切で人格的に素晴らしい人が多いですからね。問題を起こしているのは、宗教を政治利用したり、きちんと教義を勉強しないで自分勝手に解釈している人たちなんだろうと思います(そういう人はけっこう押しつけがましかったりするからね)。どの宗教も(新興宗教は特に)、仏教もそうです。きちんとお釈迦様の教えそのままでなく、自分や社会の都合で変えているのが問題なんだと思います。間違った解釈をしたり、よく知らないで勝手に批判したりしてるしね。修行が足らん凡夫なのね^^;

神と人間が上下の関係にあるのは、不完全な人間が謙虚であるためには必要かもしれません。
(神様の”存在”は、納得できる証拠も根拠もないので、信じる以外にないのかもしれませんが、人間が不完全であるということは真実です(無常だからね。科学的に証明できる)。アダムとイブの原罪といわれると訳が分からなくなりますが、人は誰でも大なり小なりの罪?悪行為を犯して生きていますからね。)

心のきれいな信者がたくさん登場するけど、この本を読んでキリスト教信者になることもないし、なりなさいって本でもない。ただ、信夫さんはきれいな安らかな心で亡くなったんだろうなあ、そうであればいいなあ、と思うだけです。

信夫さんも乗客も助かればよかったんですが、それは仕方がないですね。ふじ子は信夫の心が分かっているので、ショックではあっても、現代人のように怒り狂う(鉄道会社に?)ことはないでしょうね。謙虚にきちんと学んでいる人は常に穏やかで冷静です。

 

星5つ 

 

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2 コメント

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三浦綾子 (都月満夫)
2016-05-28 14:10:52
この人のことは北海道の新聞には度々登場します。
記念館もあり、こちらでは何かと話題を提供しています。
夫のことなども話題になりましたが、話が美しすぎて現実離れしています。
こんな人もいたんですね^^
したっけ。
都月さん、こんばんは。 (まる)
2016-05-28 19:33:57
現実は・・・ねえ。色んな人がいるし、みんな自己中の弱い凡夫ですからね^^;
でも、心のきれいな人はいるもんですね。
ワタシも心のきれいな人間になりたいものです^^;
塩狩峠は北海道でしたね。

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