ここは公園だ。

 冬馬が死ぬ前日、

 一緒にいたなじみの公園。

 あの夜だ。
 時間が戻った?

 ゆづるは

 奇跡が起きたと知った。
 冬馬の真剣な

 ゆづるへの想いに、

 心動かされ涙が

 止まらなかった夜だ。
 神様!!奇跡だ!!

 夢が叶ったんだ!!
 時間よ戻れ、

 あの日に戻れれば

 必ず冬馬を止める!!

 絶対母さんの言う事は

 聞かない!
 自分で人生を決めるんだ!!!
「ううう、うううあああ、とーま、

 とーま。愛してるんだ…。」
「え???おま、愛って…。」
 愛してるなんて言葉、

 恥ずかしくて冬馬は

 真っ赤になった。
 前回冬馬が死ぬ

 前の日の夜は

 愛してると心で思ったが

 ゆづるは口には

 出せなかった。
 それがずっと

 深い後悔になった。

 恥ずかしいなんて

 思ってちゃダメなんだ。
 今言わなければダメなんだ。

 後悔なんかしたくない、
 もう二度と絶望の涙を

 流したくない!!!
 泣きじゃくるゆづるを

 冬馬はずっと背中を撫でて

 慰めた。
「よしよし。」
 満月が

 雲の合間から顔を出す。

 

 

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