「田村豪」に

 見つめられた梓は

 ちょっと

 はにかんだ顔で、

 お店の商品を見に行き、
 お菓子と飲み物を

 買うための

 会計をしてもらった。
「わたし、少しここで

 コウ君と遊んでも

 いいですか?」
「ありがとう。

 あっちで勉強してるから

 ちょっと見てあげてくれる?」
「はい。」
 イートインの端っこに

 小さい子供が

 座っていて教科書を

 見ながら宿題の

 テキストを書いている。
 梓は

 工に声を掛けて

 隣に座ると工も

 嬉しそうだった。 
「お姉ちゃんが勉強を

 見てあげるわ。」
 一成は仕事をしながら

 様子を見て、

 二人が仲良く

 している背中を見て

 笑顔を浮かべた。
 それから1時間も

 梓がいたので一成は

 声を掛けた。
「梓、

 部活がないのに遅くなると

 お母さまが

 心配するからもう帰りなさい。」
「……。」
 梓の瞳が

 その声を聴きながら

 左右に僅かに揺れる。

 不思議な感覚に梓は

 囚われた。

 

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