こんにちは  にしなか歯科クリニック

歯科衛生士    長田  です。
 
日本人の平均寿命は世界でもトップクラスですが、歯の寿命では長寿国とは言えないのが現状です。とは言え、日本人が自分の歯を保っている割合は年々高まっていて
ことに中高年以降の年齢層でその傾向が顕著です。
「生涯、自分の歯で食べる楽しみを味わえるように」との願いを込めて、80歳になっても20本以上自分の歯を保とうと始められた「8020運動」は、1989年(平成元年) 平均現在歯数4本、8020達成率は7%がスタートでした。2011年に行われた歯科疾患実態調査での1人平均現在歯数は14本、達成率は40%にまで伸びています。
次の調査は2017年に行われます。  結果が楽しみですニコニコ
 
 
日本人が歯を失ってしまう原因のトップ3は
歯周病、虫歯、破折です。
理由がなんであるにせよ、たとえ1本でも歯を失ってしまったらその影響はお口の中だけにとどまらず、徐々に全身の健康を蝕み始めかねません。
歯を失ってしまったら
そのまま放置したりせず、必ず治療してその機能を回復させる必要があります。
無くなってしまった歯を取り戻したいと考えたのは大昔の人たちも同じだったようで
紀元前から抜けた歯を針金で固定してみたり、抜けた歯の穴に貝殻や金、エメラルドやサファイアなどさまざまな材料を使って歯を取り戻そうとしていたようです。
日本でも平安時代には、今のものとほぼ変わらない形の入れ歯が作られていました。
 
 
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さてさて、現代の私たちが歯を失ってしまったらどうなるのでしょうか?
大昔から変わることなく
抜けてしまった歯を補う方法は3パターン
取り外しができる「入れ歯」、前後の歯を削って固定する「ブリッジ」、
そしてもう一つは「インプラント」です。
もちろん今は針金や貝殻は使いませんゲラゲラ
 
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歯を抜くことになってしまった患者さんに
歯を補うための治療についてご説明すると
「どの治療が一番良い治療法なの❓」
「ブリッジや入れ歯は支えになる歯を傷めるのでは?」
「インプラントは高額だから一生もの?」など
治療について様々なご質問を頂きます。
最近はインターネットの普及も手伝ってご自分でいろいろ調べていらっしゃる方が多くなりました。
ネット上では「部分入れ歯にするとクラスプ(入れ歯の金具)がかかる歯の寿命が短くなるので、インプラント治療がおすすめ」と、書かれているのをよく見かけます。
まるでインプラント以外の保険の範囲内の治療では、他の歯まで悪くなるとも受け取れる書き方に驚かされます。
確かに金具を引っ掛ける歯は、 抜けた歯の分の仕事まで負担することになるわけで
荷重労働が続いて過労死(?)の危険は高まります。
ですがそれがすべての人に当てはまるとは限りません。
 
 
この入れ歯は 81歳の女性の患者さんが現在使用されているものです。
たくあんでも何でもおいしく食べられるとおっしゃいます。
驚くべきことにこの入れ歯は、21年前に院長が技工もすべて手がけて作製したもので
これまで一度も作り変えることなくずっと使い続けていらっしゃいます。
 
腕の良い歯医者を選べば保険でもこんなに質の高い治療が・・・・と、結ばなくてはいけないところですが
20年以上一本も歯を失うことなく、しっかりと噛める状態を維持してこられたのは
歯医者の技術力というよりも患者さんご自身の努力にほかなりません。
 
この患者さんは子供の頃から歯が弱く、若い頃から入れ歯になってしまったことにより
歯に対して強いコンプレックスを持っておられます。
小さな時から歯医者とは縁が切れないけれど
人よりも歯が悪いので歯医者に行くのも
恥ずかしくて我慢できなくなるまで来院できずにいたそうです。
30年前転勤により総合病院の医事に配属となり、
勤務先の病院の歯科外来を受診し
そこから3ヶ月毎のメインテナンスが始まり
これまで一度も欠かすことなくずっと継続していらっしゃいるそうです。
「自分は歯が悪い」という気持ちから、この入れ歯も、残っているご自分の歯も
とても大切に使っていらっしゃるのです。
「どんな治療を選ぶか」ということも重要なことではありますが、
治療をしたその後のメインテナンスが歯の寿命を左右する最も重要な鍵と言えます。
 
3ヶ月毎の来院の度に、「若い頃から気をつけておけば、こんなに悪くならなくて済んだのに・・・。」と、おっしゃるので
「日本人の80歳での歯の数の平均は14本ですから、
1本多いAさんは平均以上の優等生ですよ。」と、申し上げたところ 
大変喜んでくださって
「頑張れば劣等生が優等生になれる日が来るのね。」と、
笑顔でお帰りになりました。
 
これからもずっと来院していただけるように私も頑張らなきゃ音譜
 
 


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