啓示12章を解釈するにあたつて啓示12章の後はどのような流れになつているかをおおまかに考慮します。また、天的な希望を与えられたクリスチャンは地上で神から訓練を受けながら、神のご意志を行うことが必要になります。

 

(1)啓示12章の後の流れはどうなっているか

 

　天の女についての描写は啓示12章で終わり、啓示13章では、複合の獣が海から出てきます。そして、別の野獣が第一の野獣の像を作るように地に住む者たちに提唱します。(啓示13:11,14)これは、ダニエル11章では、北の王が「荒廃をもたらす嫌悪すべきもの」、つまり国際組織を設立することを表わしていると思います。

 

　啓示14章では、シオンの山に子羊と十四万四千人が立っています。(啓示14:1)14章でシオンの山に十四万四千人が立っているとは、神の王国が完成したことを示唆しているのではないかと思います。

 

 

 

144000人が神の王国に入る希望を自分のものにすることになる

 

 

 

　大いなるバビロンが倒れたという発表があります。(啓示14:8)ですから、このことは、啓示12,13章の預言が、大いなるバビロンの敗北、つまり、北の王が南の王を倒す三度目の戦いが起こる前にどんなことが起きるかを預言しているのではないかと思います。

 

 

 

　ダニエル11章では、北の王はまず、中東の国を攻撃して後、南の王を二度総攻撃をかけることが預言されています。一度目は、勝利をおさめますが、二度目は、北の王の敗北になります。その後、北の王は、「聖なる契約をひぼう」し、「聖なる所を，要害をまさに汚」すことが予告されていますから、北の王はキリスト教の拠点都市も攻撃することが予告されています。(ダニエル11:30,31)

 

    さらに、北の王は「飾りとなる所」を攻撃することが予告されています。(ダニエル8:9)「飾りの地」とは、神の民の拠点です。(エゼキエル20:6)最終的に北の王によって複数の「飾りの地」が攻撃されることになります。(ダニエル11:41)

 

　そして、「飾りの地」とは、キリスト教の拠点であっても、聖書に忠実なキリスト教が実践されているとところとは限りません。ユダの王が忠実だった時には、外国の軍事強国が攻めて来ても、神はユダが自衛ができるように助けられ、完全な壊滅を免れたことは何度もありました。しかし、エホバ神は、北のイスラエルと南のユダで、バアル崇拝がはびこり、徹底的に悪くなった時、他の軍事強国によって軍事攻撃をされ、荒廃するのを許されました。

 

　そのことが、この終わりの時にも起きるでしょう。ですから、北の王の軍勢の攻撃を受けるというのは、そこの神の民が神に不忠実になって神の保護が失われていることを意味します。

 

(2)天的な希望を持つクリスチャンがサタンにより迫害を受ける理由

 

　天的な希望を持つクリスチャンは、地上でサタンから迫害を受けても神に忠誠を保つことにより、将来王また祭司として千年間支配する者としてふさわしい特質を培っていかなければなりません。彼らは「第一の復活」を経験することになります。(啓示20:6)

 

　つまり、エホバ神と同じ不滅の体が与えられるという法外な報いを受けるのですから、彼らがその前に大きな苦しみを受けても、死に至るまで忠誠を保つことが求められるのは当然のことでしょう。(啓示2:10。コリント第一15:53,54)

 

(4)啓示12章の預言が成就する時期はいつか

 

　ですから、啓示12,13章には、神の王国が成立する前に、天的希望を持つクリスチャンが苦難を経験することが予告されています。つまり、大いなるバビロンが倒れて、大患難が起き、キリストに権威が与えられ、神の王国が完成するまでに、神の女、つまりキリストの追随者が苦難を経験することを説明していると思います。

 

 

　聖書の預言によると、まず、エホバ神はキリストに神の王国の権威を与えます。(ダニエル7:13,14)その後、キリストの追随者は、野獣の崇拝を避けて、神への忠誠を保ちます。そして、キリストと新しいエルサレムの結婚が行われて、十四万四千人で成る神の王国が完成することになります。(ダニエル7:22。啓示19:6-8;21:2)啓示12,13章では、それまでに、キリストの追随者がどんなことを経験することになるかを預言しているのでしょう。

 

 

天の女は神の王国の成員となる前に悪魔サタンから迫害を受けることになります