人間には、神が必要なのでしょうか。人間は神抜きで生活していけるのでしょうか。人間には、神が必要です。なぜそう言えるのでしょうか。もし、人間が幸福で平和な生活を望むならば、人間には、神が必要です。

 

 神は人間にとって必要不可欠な存在です。人間は、神を無視しては、決して幸福で平和な生活を送ることができません。神が人間にとって必要不可欠な存在であるひとつの理由は、神の支配が人間が幸福に生活していくのに、必要なルールを伴っているからです。

 

 聖書の神の支配と、殺人、淫行、心霊術、盗み、偶像崇拝、偽りなどを禁ずる神の律法と密接に関連しています。(啓示21:8)神は、人間が幸福に生活するために、そうした律法を守ることを求められます。エホバ神は、道徳基準を持っておられるので、ある被造物が他の被造物を虐待するのを容認することはできません。



 

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世ではもてはやされていても殺人・・・



 

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淫行や姦淫・・・

 
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心霊術や占いやオカルト・・・
 
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盗み・・・
 
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偶像崇拝・・・
 
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うそや欺きは神の律法に違反している


 

 エホバ神は愛の神であらゆるゆえに、道徳基準を持っておられるのです。(ヨハネ第一4:8)神の道徳基準はご自分のためではありません。神の道徳基準は神の持たれる愛に基づいています。ご自分の創造された知的な被造物が平和に幸福に生活することを望まれるのです。神は、ご自分の被造物の益を求められるのです。(イザヤ48:17)それゆえに、神は、ご自分の支配権を認めるのであれば、そうした善悪の基準を認めて尊重することを求められます。


 

 エデンの園で、最初に人間夫婦に関連して悪魔サタンが投げかけた疑問はまさにそのことでした。サタンは、神の支配権の必要性に疑問を投げかけました。そして、最初に人間夫婦アダムとエバは、サタンの提起した論争で、サタンの側に立ちました。

 

(1)神は善悪の知識の木から実を食べることを禁じられご自分の支配権の必要性を教えられた

 

 エホバ神は、最初の人間夫婦を創造された後、園の真ん中に、善悪の知識の木を生えさせました。(創世記2:9)そして、その木の実からとって食べることをアダムとエバに禁じられたのです。

 

 エホバ神はエデンの園で最初の人間アダムに次のように言われました。「善悪の知識の木については,あなたはそれから食べてはならない。それから食べる日にあなたは必ず死ぬからである」。(創世記2:17)

 

 その木の実は、「善悪の知識の木の実」と言われました。善悪の知識の木とは何でしょうか。善悪の知識、すなわち善悪の基準を決める権利をエホバ神はご自分のものとしておられ、エホバ神は、それをとって、自分たちで善悪を決めることを人間男女に禁じられたのです。



 

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エホバ神は人間のために善悪を決める権利をご自分のものとして要求された




 

 神が善悪の知識の木の実から食べることを禁じられたのは、人間のために神が善悪を決める権利を尊重する必要性を教えていました。すなわち、エホバ神の支配権を尊重するべきことを教えていました。エホバ神は、エデンの園のただ一本の木の実を食べることを禁じられることによって、神の支配権が人間にとって必要であることを教えておられたのです。


 

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エホバは善悪の知識の木の実を通して神の支配権の必要性を教えておられた




 

(2)サタンは人間に神の支配は必要でないと主張した

 

 

 

  悪魔サタンは、エホバ神の言葉に真っ向から反対しました。「あなた方は決して死ぬようなことはありません。その木から食べる日には、あなた方の目が必ず開け,あなた方が必ず神のようになって善悪を知るようになることを,神は知っているのです」と悪魔は言いました。(創世記3:4,5)

 

 

 

 
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サタンは神の命令に従わなくとも死なないと偽りを語った
 


 

 

 

 

 

 

 それで、サタンは、神の支配権は人間に必要でないと主張しました。人間は、自分で善悪を決められ、神に不従順であれば、人間は向上すると主張したのです。なぜなら、サタンが言った目が開けるとは、神に背くならば、真実が分かるということをサタンは言いたかったのです。(ルカ24:31)また、目が開けるとは、それまで気づかなかったことに気づくという意味でもあります。(創世記21:19)

いわゆる啓発を受けるということです。





 

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Joel OrmsbyBy: Joel Ormsby

Forbidden Credits: Eve - Almudena - almudenastock.deviantart.com/gallery/2765216?offset=120#...Background by Faeriegoodmother - fairiegoodmother.deviantart.com/gallery/?q=apple+tree#/d3...Snake by Twins stock

 

Adam by Titian -Angels by bouguereau
サタンは神に不従順であれば人間は向上し神のようになると偽りを語った



 

 

 

 

 悪魔サタンは、エホバ神に不従順になって目が開けるということが起きると言いました。それで、悪魔サタンは、人間は神に不従順であることによって益を得る、あるいは向上するということを言いたかったのです。悪魔サタンの言った言葉は真実でしょうか。イエスは、悪魔が「偽り者」だと言われました。(ヨハネ8:44)

 

 アダムは、善悪の知識の木の実から食べて永遠に生き続けることはありませんでした。アダムについては、「アダムの生きた日数は全部で九百三十年となり,こうして彼は死んだ。」と記録されています。(創世記5:5)アダムは神の禁令を犯した日から死に始め、最終的に終局を迎えました。アダムが死んだことから、サタンの言葉が偽りであることが分かります。




 

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アダムは神に背き・・・


 

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年をとり・・・

 
 
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九百三十歳で死んだ-サタンの言葉は偽りだった

 
 

  アダムの子孫からアベルを殺したカインが出てきました。(創世記4:8)また、アベルから七代目のレメクも若者を殺しました。(創世記4:23)ですから、決して人間男女は神から独立して向上することはありませんでした。神を無視して、平和な生活を送ることはできませんでした。



 

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アダムとエバが神から独立して神の基準を無視した殺人が起きた



 

 

 

 アダムは神に反逆して罪を犯しました。アダムは罪人になり、その結果死ぬようになりました。また、アダムの子孫もみな罪人になりました。その結果、皆死ぬようになりました。(ローマ5:12)

永遠に生き続けることのできた人は一人もいませんでした。




 

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アダムの子孫は皆死ぬことになった
サタンの言葉は偽りだった



 

 

 

 

 人間が永遠に生き続けるためには、神の善悪の基準を尊重して、神の支配権を認めることが必要だったのです。神から離れては、人間は永遠に生き続けることも、平和に幸福に生きることもできません。


 

(3)悪魔サタンの言った人は神のようになって善悪を決められるというのは偽り

 

 悪魔サタンは、神から独立するならば、「神のようになって善悪を知るようになる」と言いました。(創世記3:5)悪魔サタンの言ったことは、この点でも偽りでした。

 

 聖書は、エホバ神のような方が誰も他にいないと何度も言明しています。「エシュルンのまことの神のような方はいない。」(申命記33:26)「だれか神のような教訓者があろうか。」(ヨブ36:22)「エホバのように聖なる方はいません。あなたのほかにはいないからです。わたしたちの神のような岩はありません。」(サムエル第一2:2)

 

 わたしたち被造物は、どのように学習しても、全知全能のエホバ神のようになることはできません。エホバ神は、始まりも終わりもない永遠の神です。(詩編90:2。啓示21:6)一方、わたしたち被造物の人間は、有限で、その知識には限りがあります。(詩編39:4,5)神を無視した人間の判断は致命的な誤りである場合があります。(箴言16:25)

 

  ですから、人間にとってその時点で何が最善かを判断できるのは、エホバ神だけです。人間にとって何が善で何が悪であるかを判断できるのは、創造者であられ、永遠に生きておられるエホバ神です。エホバ神だけが完全に正しい判断を下せるのです。(ローマ11:33)それで、人間には神が必要です。


 

 ソロモンは、「あなたの民を裁き,善悪をわきまえるために,従順な心をぜひこの僕にお与えください。」と言いました。(列王第一3:9)ですから、わたしたち被造物が善悪をわきまえるためには、エホバ神に従順であることが必要です。ですから、エホバ神から反逆して独立するならば、善悪を知るようになるというサタンの勧めは、そもそも神に不従順であることを勧めている点で間違っていました。


 

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神に従順で初めて善悪を正しく判断できる
神に不従順では人間は神のようになれない

人間は神を必要としている



 

(4)人間の歴史は神の必要性を示している

 

 アダムとエバは、サタンが提起した論争においてサタンの側に立ちました。人間は神から独立すれば、向上し、神のようになれるというサタンの言葉を信じたのです。人間は神無しで幸福になれると考えたのです。


 

 しかし、人間の歴史は何を示しているでしょうか。人間の歴史には戦いと混乱と不幸が満ちていました。これは、人間が神の支配権を退け、それに伴って神の善悪の基準を退けてきたからです。二十世紀には、第一次、第二次世界大戦が生じました。そして、第二次世界大戦の後も世界には紛争が絶えませんでした。


 

 エホバ神は、聖書の中に、何が人間にとって善であり悪であるかを明らかにされています。啓示の書は次のように述べています。殺人、淫行、心霊術、偶像崇拝、偽りを語る事、他にも臆病で信仰がないこと、不潔であることは復活の無い永遠の滅びを意味する第二の死を受けると述べられています。(啓示21:8)

 

 そして、このような神の道徳基準は厳しいと考えたとしても、神の律法に反することは、人間の幸福を損ないます。人間の歴史に戦いと不幸が蔓延しているのは、人間が神の善悪の基準を退けたからです。ですから、人間は、神が与えて下さる道徳基準、言い換えれば神の律法を必要としています。



 人間は、平和と幸福を享受するために、神の支配が必要です。人間は神無しでは幸福と平和と永遠の命を享受することができません。