that節の中身を見てみましょう。I can hear you. はSVOの文型をとった完全な文ですので、that節は名詞または副詞となります。またtalkはtellやsayのようにthat節を目的語にとる動詞ではないので、名詞でもなさそうです。そこで so that という形に注目すると、ここでは「目的(~なように)」の意味と考えられるので、訳は「聞こえるようにもっと大きく話してくれ。」となります。
(2) I drove for five hours, so that I was very tired.
ここでも先ずはthat節の中身を見てみましょう。SVCの完全な文になっていますね。またthat節を名詞と考えると役割が与えられそうにないので、that節は副詞節と考えられます。so that となっていることから、「結果(その結果~)」と考えるとうまくいき、「5時間もドライブしてとても疲れたよ。」という訳になります。結果の用法の時はso thatの前にカンマが挿入されることが多いです。
(3) She cut the oranges into pieces that we could eat them easily.
あれ?どこにもso that なんてないじゃないか!と思ったかもしれません。実はso that構文は、so が省略されることも、thatが省略されることも多々あります。ややこしいですね。まぁ何はともあれthat節の中身を見てみますと、SVOの完全な文となっております。そこで、もしthat節を名詞節だと考えますと、cutはSVO文型を既にとっていることから「S, O, C」になることはできず、that節は piecesと同格であると考える必要があります。しかし、that節の内容とorangesのpiecesが同じ内容を示していないことは一目瞭然ですから、同格にはなり得ず、したがってthat節は副詞節となります。 しかし、that節の前には「感情」も「判断」もありませんので、「感情の原因・判断の根拠」とはなり得ません。ここで、that節の前にso が省略されていると考えますと、「目的」の意、すなわち「彼女は我々が食べやすいようにみかんを切ってくれた」という訳が考えられ、うまく訳せます。
so that構文は、so またはthatが省略されると述べたように、この文は
She cut the oranges into pieces so we could eat them easily.
(2) The fruit is not so fresh that you (can/cannot) eat it.
さて、カッコに入るのはcan とcannotのどちらでしょうか。もし、「とても新鮮だ、というわけじゃないので」なんて訳したら、「食べられない」と続くようcannnotを選んでしまいますが、正解はcanです。so ~ that…は「…ほど~」と訳すのが正解であり、「…ほど新鮮ではない」と考えれば自ずと「食べられるほど新鮮ではない」、つまりcanが正解であるというのがわかります。ここでのthat節は、主節の動詞でなく補語(C)を修飾していまして、not が「食べられるほど新鮮だ」という補語を否定しているわけです。従って、that節をfreshに係ける前にnot so fresh の部分だけを見て「あまり新鮮ではない」と訳してしまうと、誤訳につながるのです。
(3) It was such a wonderful movie that I saw it five times.
That節の中はSVOの完全な文。That節の前もSVCの完全な文でthat節が文の要素(S, O, C)になることはありません。movieと同格にもなりようがないので、that節は副詞節。Such~that… があるということで、訳は「5回もみてしまうほど、それはすばらしい映画であった。」となります。
いちいち完全だとか不完全だとか面倒なこと気にしないでさぁ、so ~ that とかが文にあれば程度で訳せばいいじゃないかぁ。等と思われる人に「富田のビジュアル英文解釈 基本ルール編 (代々木ライブラリー)」から例文を1つプレゼントして、今回の記事を終えようと思います(今までに出てきた例文のも、何個かは本書から拝借したものです。)。
(4) They believe about the education for their children so firmly that every child should have an equal opportunity to be educated.
so ~thatがあるからといって程度で訳し「すべての子供は平等に教育を受ける機会が与えられるべきであるほど強く、自分の子供の教育について彼らは信じている」のような意味不明な訳を作って満足しているようでは、ちょっと厳しいですねぇ。that節の中身を見てみるとSVOの完全な文となっているため、that節は副詞か名詞節であることがわかりますが、that節の前をよく見てみると、believeの目的語がない事に気が付きます。ここでのthat節は実は believeの目的語、すなわち名詞節となっていまして、
1 She regards me more highly than he. 2 She regards me more highly than him.
異なるのは、最後がhimなのか、heであるのかだけ。それでも、文の意味が大きく異なってきます。
この問題を考える上で必要な知識は、「than は接続詞!」だということです。more than 60 miles per hour(時速60マイル以上で) のように、前置詞の役割をすることもありますが、だいたいは接続詞だと思ってもらって大丈夫です。それを踏まえた上で、もう一度上の2文を考えていきます。
となります。regard me は前に出てきたことの繰り返しになるため、省略されたわけですね。よって、この文の意味は「彼に比べて、彼女のほうが私を尊敬している」という意味になり、ここで比較されているのは she と he となります。わかりやすく説明すると、彼と彼女がそれぞれ私を評価したとき、彼女のほうが、私のことをより高く評価してくれる、ということです。
一方、2 She regards me more highly than him. でもthan 以下の省略を補ってやると
2 She regards me more highly than she regards him.
となります。意味は「彼に比べて私のほうを、彼女は尊敬している。」となり、この文で比較されているのは me と him となります。1の文とは違い、評価する人は彼女のみで、彼女の中では、彼よりも私のほうが評価が高い、という意味になります。
この、省略を補うということは、as as 構文による比較でもいえまして、
He doesn't get up as early as his brother. (彼は、彼の兄ほど朝早く起きることができない) の文では、his brother の後ろに gets up が省略されています。