朝から雨は降っていて、小ぶりだが確実にウエット状態。
しかし、雨脚は弱まっているし、今日の体慣らしはしないといけない。
アッキーヨと準備し、15分走ることにした。
雨の中では雨の練習ができる。
丁寧に走るのはもちろんだが、ラインやブレーキポイントはドライ路面のそれと一緒。
私はブレーキポイントで容赦なくフロントを沈めてタイヤを押し付け走る。どれだけやれば危ないか知るためにも。
ツーリングで鍛えたアッキーヨが15分しっかり150と走り、雨のもてぎもインプットしていく。
決勝が晴れ予報のため、雨練をしない選択もあるけれど、滑る路面で乗ることがより、ドライで生きてくると信じて30年乗ってきた。
予選に向けて雨も上がり、ドライで走れそう。
そしてブリーフィングの最後にオートレース協会さんより案内のお話があり「あなたも1億円レーサーになりませんか?」と!
広報担当の人と目がめっちゃ合う!なに!?年齢制限無いの?
とりあえず願書をもらうマダム達(笑)
広報には現役の女性オートレーサーさんも来ていて、名前を聞くと「あれ?どこかで聞いたような?」
以前MFJレディースに出てた女の子がプロのオートレーサーになっていた!びっくり!
【予選】
ありがたいことにドライコンディション。
しかしなんだか今回気持ちが盛り上がらない。
練習を見た五百部さんからも「パリッとしない」とのコメント。
私もパリッとしない。乗っていてそう体感していた。
なんでかな。
前戦の転倒のイメージが思ったより引きずっている感じがする。
入れ込み過ぎで転倒したので、アドレナリンをコントロールしたつもりが、逆に静寂すぎるモチベーション。
落ち着いてるってことで良いかな。
そうこうしてるうちに時間は予選になって行く。
予選は場所取りを決めかねて、後方から行ったが、前戦のようなタイムは出ず、予選5番手。
周りのライダーも2秒落ちでの予選だった様子。
しかし、この位置ならスタートを決めてトップ争いも全然可能だなぁと心を決めた。
期待の新人アッキーヨは、残念ながら転倒があり、そのままリタイヤとなった。
【決勝】
この日の最後のレースにはならなかったが、夕方の陽の傾きが気になる時間帯。
路面温度も予選とは違って低くなる。
グリッドに着いて選手紹介。
自分の紹介も気もそぞろで気付かず。この時に気がつけばよかった。
集中できてない。
ウォームアップランで路面のチェックをする。
他のクラスでも転倒が多かったコーナーを確認。
メインストレートに戻り、スタートを待つ。
静寂が妙に居心地が悪い。
レッドシグナルをみてスタートの準備。
ブラックアウト!スタートだ!
クラッチミートの途端、フロントが浮き上がり、いやな角度で着地!
エンジンの回転数が落ちていて、失火しかけてしまう。
慌てて加速するもあっという間に後続車に前を行かせてしまう。8台くらい前を行かれたそうだ。
今までにはなかったミスで、自分も慌てたが、挽回を信じて加速!
1コーナーからパッシングを始める!マシンとの会話ができていない!
3コーナーで数台パスするも、回転数も合っていたのになかなか前に行けない。
後続車と抜きつ抜かれつになり、トップ集団があっという間に離れていく。
だめだー!いつもと違う!
でも、とにかく前に行こう!
焦りがあるのか、ラフなライディングになり、時折ラインがはみ出る。
焦るな!焦るな!
前を行くライバルの背中を凝視して、6番手のまま数周回るとトップ争いから脱落した2台になんとか近く。
中原美海選手と片岡緑選手だ。
近づくと、中原選手に前を行けと合図され、前に行き4番手で走るも、スピードが出ず、2台を引っ張ることすらできてなかった。前の3台を追わねばならないのに。
片岡選手と中原選手と3台で4番手争いをする。
マシンに不利な状況を抱えていた中原選手のワイルドなラインと、ここ一番の速さで駆ける片岡選手のマシンが交錯して、私はその間を行ったり来たりして数周回る。
今回の中原選手の弱点はマシンのストレートが辛いこと。
片岡選手の弱点はラインがコンパクトなこと。
それを見越して、なんとしてでも4番手、レディースクラスでは3番手表彰台をかけた一騎打ちをいよいよ最終ラップに持ち込んだ。
中原選手を前に、片岡選手を後ろに位置して、ビクトリーコーナーを抜け、メインストレート!
加速重視で行ったため、最終コーナーではあわやコースから出るか?というくらい、ゼブラの外まで立ち上がって、中原選手のスリップに着き、そこを抜け、必死に伏せてサイドに並びに、近づくゴールライン前でなんとか中原選手をパスした!小さくガッツポーズ!
しかし、気づくと真横にはなんと、片岡選手が抜群の速さで並びつけ、ゴール!💦
決勝のリザルトでは糟井、片岡、中原が3台同着。
ポンダー(コースの周回をコンピュータで管理するためにサーキットから借りるセンサー)の取り付け位置の違いもあり、写真判定で私はなんとか4位、レディースクラスでは3位表彰台となったが、本当に不甲斐ないレースにしてしまった。
スタートのミスがなければトップ集団でレースが出来たからだ。
近づいてはいたものの、トップの山田尚輝選手、藤原毬花選手、保坂綾乃選手とはバトルすることもなかった。
でも、中原選手、片岡選手としっかりバトルが出来て、なんとか勝てたのは自分を褒めておこうとおもう。
自分を叱ってばっかりではアレなんで。
次回までにはしっかりリカバリーしよう!
ポディウムに上がり、まずはST150の総合表彰。
笑顔の三人を見ていると悔しさなんかより、なんだか幸せなお母さん顔で見てしまっていた。
今回は不甲斐ないレースで、スポンサー各社様、ご支援を頂いた方々、お手伝い頂いた方々には、あまり良い結果報告とはならなかったのですが、次戦は必ず真ん中を取ります!
応援よろしくお願いします!
そして、今回レディース優勝の藤原毬花選手と5位の中原美海選手は、国別対抗戦でタイ大会に参戦しています。
こちらの活躍も楽しみにしています。
いち参戦者であり、内側からレディースレースをアナウンスすると言う思いで参戦しているわたし、糟井由美子はこれからも精神を集中させ、よりリアルで迫力のあるレースをお伝えしたいと思います。
次戦は11月5日ツインリンクもてぎでの
もてぎロードレース選手権が最終戦となります。