これから犬を飼いたい人に「知っておいてほしい」こと…”流行犬種”を飼いたい人へ。 | 今日も、犬とベッドシェア

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おじいちゃんのパピヨンさんと暮らす、ソロ活&おひとり様人生エンジョイ中な私の雑記帳
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巷ではトイプードルが流行っていますね…世間では「小さくて飼いやすい」とか「しつけがしやすい」と言われていますが、実際そうでしょうか?

 

特にこの犬種はここ数年くらいで急激に登録頭数が激増しています…勘のいい人や犬の繁殖に詳しい人ならわかると思いますが、数が激増している=むやみに(不適切な)繁殖が行われている紛れもない証拠。

 

本来、犬の繁殖というのは血統だけでなく犬種標準(以下、スタンダード)に則しているか?父犬や母犬の性格が繁殖に適しているか?健康状態や遺伝性疾患の有無、犬種によっては毛色の組み合わせ(交配タブーの毛色がある場合がある)などを数代先まで遡って調べて計画的に行われるものなんです。

 

「血統の維持や犬質の向上」を目的に繁殖させているブリーダーは特に問題ないんですが…流行している犬種に関してはこれに当てはまらい場合が多いです、要は「流行ってる=売れる=それだけ儲かる」という思考に走り「営利目的の繁殖」を行う悪質なブリーダーが圧倒的に多いです。

 

シリアスブリーダーやショードッグの繁殖をメインに行なっている所は上記に書いたことを考慮して繁殖させているかもしれませんが、純粋に営利目的の繁殖を行う所は数を増やして売ることだけが目的なので血統や犬質だけでなく、スタンダードさえも無視します。

 

一部の犬系”愛誤”と呼ばれる人には「スタンダードなんて人間が考えたエゴ」とかおかしな主張している人もいますが、和洋犬問わず純血種は元々数百年単位、長くて世紀単位で多大な苦労と努力をして作り上げられた品種です…それを維持して行くためには「基準」が必要になります。

 

スタンダードとは「繁殖のガイドライン」的なものであり、その犬種の「理想のあり方」です。

 

どんなにすぐれた犬でもスタンダードの全てを満たした犬はいません…ちなみにこのスタンダード、容姿だけでなく基本的な性格なども含まれています。

 

話がずれましたが…冒頭で上げた犬種はスタンダードからかけ離れた、むしろ原型すら留めていないような犬の方が多い気がします。

 

本来はトイでもこんな犬なんですが…(これはスタンダードサイズ)。

 

プードルのスタンダードの概要…サイズ規格以外はスタンダードからトイ全て共通です、実際は「目の形」や「耳の付き方(位置)」「歯のかみ合わせ」など、ものすごい細かい規定があります。

 

画像のプードルはいわゆる「ショーカット」なのでこんなカットしてますが、体型は各サイズ共通で「スクエア(胴の長さと脚の長さがほぼ同じ)の体型」「アーモンド型の目」「長めのシュッとしたマズル」が基本なんですが、最近見かけるプードルは「短足」「丸目」「マズルが短い」のがほとんど…人によってはペットタイプだと言う人もいますが厳しい表現をすると「規格外」です。

 

また、大きさについてですが…プードルの場合「体高」で決まるので体重はあまり考慮されません、ちなみにトイの場合

 

24cm~28cm(理想は25cm)、-1cmまで許容される。

 

なので、体重にすると「3㎏前後」になり、肥満で無い限りはこの範囲で収まるはずなのですが…異様に「デカイ」か「小さすぎる」事も少なくないです、比率としてはデカイ子が多い気がする。

 

ちょっと前から「ティーカップ」だの「タイニー」だのトイサイズより小さいのも存在するようですが、この2サイズは規格外以前に「公認すらされていません」ので注意が必要です…この手のサイズの犬を繁殖させているのはほぼ悪質業者と言っても過言ではないと思います。

 

適切な繁殖で生まれたトイプードルは標準的なサイズでも充分小さいのです。

 

ではなぜ、このような「規格外」のプードルだらけなのか?答えは冒頭に書いた「むやみに不適切な繁殖」が現在進行形で行われているから

…つまり、乱繁殖ってやつです。

 

このような繁殖をする人は血統、スタンダード、両親犬の性格などは一切無視します…とりあえず「トイプードル(っぽい犬)」同士を交配させるだけなので容姿だけでなく、性格にも問題(例・他の人や犬に対して異様に攻撃的だったりとか)を抱えた犬が増えるわけです。

 

「性格はしつけでどうにでもなる」という人もいますが、人間同様持って生まれた素質はそう簡単には変えられません…まともなブリーダーは容姿が優れていたとしても性格が「?」と思えば繁殖させません。

 

うちのパピヨンさんもおそらく「おとなしすぎる」故にペット向きとして譲渡されたのかもしれません…見に行った時に「家庭で飼うにはとても良い子」と言われました。

 

プードルは一般的には「賢い犬種」と言われていますが、乱繁殖で生まれた犬はこの限りではありません。

 

また、この研究結果は「スタンダードプードル」を被験対象にしているため日本語に翻訳されているサイトによっては「トイ除く」と記載されていることもありますので、必ずしも賢いという期待はしないほうがいいかもしれません。

 

そして、プードルは「トリミング必須種」です。

 

シーズーやヨークシャテリアみたいな直毛なら「ペットカット」として短毛に出来ますが、プードルの場合は巻き毛なので家庭でのブラッシングの他に月1ペースくらいでプロによる定期的な手入れが必要です…カットのスタイルによりますが、大体1回6000円前後はします(店舗によってはサイズオーバーの場合追加料金を取られることもある)。

 

昔、犬服のショップを経営している方から聞いた話ですが「オープンしたばかりの頃はチワワを連れた人が多かったけど、最近はトイプードルを連れてくる人が多い。体中に毛玉が出来たためサロンで丸刈りにされてしまったので防寒用に服を買いに来る人が多い」とのこと。

 

長毛種は基本的に毛玉ができやすいのですが、巻き毛のプードルは特に出来やすいです。

 

要は「被毛管理がとてつもなく面倒くさい」犬種ってこと、よく服とか着せて気飾ってる人が多いけど…長毛種は長時間服着せていると毛玉が出来やすいので気をつけましょう。

 

乱繁殖された子は健康面でも問題を抱えている子が多いようです…例えば膝蓋骨脱臼、プードルに限らず小型全般に多い病気ですが、怪我などの外傷的な要因で起こるものと先天性のものに別れます(質問掲示板見るとこの病気持ってるプードルは特に多い気がします)。

 

年齢ではなく、月齢あたりで発症したら先天性の可能性が高いかも?重度になると手術が必要になり、費用は数十万円単位でかかります。

 

ここまで、結構ネガティブな事を書きましたが…「プードルを飼うな」とは言いません。

 

ただ、実際に飼う前に「プードルという犬種」とはどういう犬種なのか?という事をよく調べて知って欲しいです、そしてどこから迎えるか?という事を他の犬種以上に慎重に検討してください。

 

流行種なのでどこのペットショップに行っても100%の確率で売っているのですぐに迎えられますが…犬質や健康面を考えると止めておいた方が良いと思います、また人気犬種故にかなり高額な価格になっています。

 

流行ってるのでプードルを扱っているブリーダーも多いですが、悪質なブリーダーに当たる確率も非常に高いです…特に「ティーカップ」とか「タイニー」などをウリ文句にしている所は絶対に止めたほうが良いです。

 

ブリーダーから迎えるなら「シリアスブリーダー」や「ショーブリーディング」を中心に行っているブリーダーからが良いかもしれません…ただ、この域になると数えるほどしか犬舎がなく、さらに「家庭向きの子」はあまり出ないかもしれませんがこのような犬舎出身でもすべての子がショードッグになれるわけではなので一度問い合わせてみる価値は大いにあります。

 

おそらくメールか電話での問い合わせになるため最低でも

・挨拶(プードルが飼いたい理由も)

・氏名(フルネーム)

・住所

・連絡先(電話番号も)

・希望の性別&毛色

 

は記入しましょう…「家庭で飼うのでペットタイプの子を希望」と伝えるのも忘れずに。

 

すぐには迎えられないかもしれませんが、犬質の安定したクオリティの高い子をもしかしたら、ショップよりも良心的な価格で譲ってもらえるかもしれません。

 

また、専門ブリーダーはアフタフォローもきちんとしてるところが多いのでショップ購入特有の「トラブル」に巻き込まれることもあまり無いかもしれません。

 

機会があれば、一度ドッグショーに見学に行って「本物のプードル」を見てみることも良いかもしれません。

 

長い付き合いになるパートナーだからこそ、結婚相手を選ぶくらい慎重にえらんで欲しいと思います。