結論から言うと、大丈夫になったっぽい。
出先で始動不良になる。
タンクの錆落とし、キャブレターOHに挑戦していた私のSV400S。
今回はキャブレター分解チャレンジ。
あれだけ出てきたタンクのサビ、キャブにも回って不調になっているのでは?
エンジン不調バイク整備の定番といえばキャブレター。
サービスマニュアルとにらめっこしながら分解・清掃に挑戦です。
さて私のSVはダブルディスクになった後期型。その、最終2008年モデルです。
排ガス対策が追加されています。
ところがヤフオクで買ったサービスマニュアルは前期モデルのもの。
記載に無い部品がいろいろついてて困りました。
戻せなくなると笑えないので、写真や映像を撮りつつ進めます。
こういうときに頼りになるのはネット!
調べてみたものの、もはや10年以上前の不人気バイク。今となってはHowto系の情報がぜんぜん見つけられません。
ただ、ヨーロッパで大ヒットした兄弟車のSV650に関しては、動画がたくさん出てきます。キャブレター含め400と共通部品が多いそうで、見覚えのある部品もたくさん。
丸パイプアルミフレームの初代モデルは「1st Gen SV650」と調べると映像・写真と出てきます。助かる。
特にYoutubeにあったTamsen Cooperさんのチャネルは内容盛りだくさん。とても助かりました。Thank you, Ms.Cooper!
40本ばかし出てきたので、初代SVの動画をまとめて再生リストにしてみた。
残念ながらヨーロッパ仕様?にも排ガス規制は無いようで、前期型に近い内容のようです。
さ、作業に戻りましょう。
どうにかキャブレターを取り出しました。配管が臓物って感じ。
あとは慎重に分解洗浄です。
放置車両だと変質したガソリンが溜まるっていうフロート室は薄くサビが乗ってた程度。
もっとスゲーことになってるかと思ってました。たしかに、エンジンかかっちゃえば調子良いもんな…。
汚れらしい汚れと言えば、二次エアの配管にサビがが見つかったくらい。
更にファンネルを外して奥を見てみようと思ったら、片方、どうしても外れずネジ山壊しました。
回る気配が全然なく、インパクトドライバでギュウギュウに押し付けてやったらナメた。
大失敗。どうしたら良かったんだコレ。
マニュアルを見るにネジロック剤が効いてるらしい。ライターで炙ったり、はんだごて最強にして温めてみたけど全然駄目。
治そうとしてむしろ破壊してしまったわけで…お恥ずかしい。
場所がら掴み代がとれず、ネジザウルスもダメ。
こーなったらヤケです。オートポンチ打って、ドリルでネジごと吹っ飛ばす!
ネジの首だけ飛ばして、どうにかファンネルは外れました。
インスタグラムでは強がっていますが、率直に申し上げてオッカナビックリです。
ファンネルがとれたものの掴み代はなく、ネジザウルスでこじってたらネジが崩れてきました。
それでも回らない。もう諦めて出てるネジを全部、崩します。
幸いなことに、このネジはキャブの底面と垂直だったので、ボール盤でやっつけました。
削りカスがキャブに入らないようマステで養生。
ここ掘れわんわん。
んで、存在は知ってたものの、使ったことがなかったリコイルの登場です。
駄目になったネジ山を使えるようにする救世主。
まずネジ穴より大きいサイズのドリルで残った雄ネジ、メネジを削り落とし、タップを切り直します。その中にスプリング状のインサートを入れると元のサイズのネジがごく普通に使えます。柔らかい素材に何度もつけ外しするネジを切るときにも使えるそう。
ちなみに、インサートを入れるネジ山を切る付属タップは、普通のM5タップかと思いきや若干ピッチが異なる特殊タップだったので要注意です。
他のタップと混ぜるとややこしいことになるぞ。
RECOIL(リコイル) トレードシリーズリコイルキットM4-0.70 35048 工具
5,089円
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M5以上のサイズはセットで安いのがたくさんあるのに、M4だけで5000円くらいしました。1個しか使う予定がない上、中古キャブ買ったほうが安いかもしれんが、わたしはあきらめないぞ。
が、今調べたらやすいのが増えてる。ぐぬぬ。
ヘリサート キット M4 P0.7 ネジ山の修正 強度アップに
1,188円
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ボール盤で垂直を出したので安心して作業できました。
気軽に角度が出るというのは尊いことです…。
さて、やっとこの奥も見たわけですけど、汚れても詰まってもない。
このあたりで「キャブは濡れ衣だったのでは…?」と思い始めます。
素直に組み直しました。
ところで私のSVはどういうわけだかハーフカウルが更に半分になっていて顔しかありません。切断・溶接加工された純正ステーがついており、まるごと交換しないと純正カウルも付きません。
使う予定がないのでフレームの脇に生えているカウルステーを撤去しました。
なんどか足引っ掛けそうになって怖い。使わないなら変な突起物は無いほうが良いです。
左ステーはただネジ止めしてあるだけなのでスグ外せたけど、右ステーはクーラントタンクステーを兼ねているのでスポット溶接をドリルで剥がして、フレームの外へ飛び出している部分だけ切除しました。ほっとくと錆びそうなのでテキトーに黒塗装。
あとは順当に組み上げたのですけど、あんなに撮ったつもりだった写真から配管の接続先がわからなかったり、インマニにキャブがなかなかハマらなかったり。度々中断。
押せど叩けど入らなかったキャブは、インマニのゴムにシリコングリス塗ったらヌルっと収まった。今回はバキュームゲージがないのでキャブの同調はとってません。また、その他の各種調整も開ける前を再現しただけでイジってません。
いろいろすったもんだやって時は流れましたが、再始動成功。
組み上げ直後は全然掛かる気配がなく、完全に壊したかと焦りましたが、前日に眺めていたバイクレストアの動画で「キャブばらして組んだあと掛からなかったらプラグを外して見ろ」ってやっててですね。実際に後ろバンク外して見たらちょっと濡れてたし、セル回したらプラグ穴から勢いよく霧を吹く。キャブからガソリンは来てるようです。車体のテキトーなところにプラグくっつけたら火も飛んでる。
組み直してちょっとアクセル捻ったら一気にかかりました。はじめてのキャブレター分解・掃除が成功したっぽくて感動。
バラし始めてから半年、気づいたら車検が切れてたし、まとめて保管していた外装のネジはまるごと行方不明になるし。
土日休みしか取れず、ユーザー車検に行けないことが分かったので近所のバイク屋さんに押してって、車検をお願いしました。
とても面倒見の良いバイク屋さんで身内の他のバイクもお世話になっています。オヤジさんに自分でキャブばらした話をしたら、開口一番に「自分でばらしたって?!大丈夫か??」って、心配顔で下を覗きだしたのは、そりゃそーですよねって笑ってしまった。
自分でやって壊した素人を何人も見てきたそうな。何したかわからんもんね笑
経緯を説明して1週間、先週車検から帰ってきました。
以前分解した時、なんかやべーことになってたフューエルコック、自分で交換しようかと品番を調べたらどこも欠品で買えなかったのですけど、ギリギリ新品が入ったらしく交換してくれました。
これ。ガソリンの漏れもここからだったみたい。
いやまあコレが健全だったようには見えんです、はい。
再始動不良に関してプロの見解は「プラグに火が飛ばないことがある」のだそう。
配線に接点復活剤をいれたり、テスタであちこち見てくださったそうなのですけれど、原因不明。
2~3回、キルスイッチやメインキーをON/OFFすると治る、とのこと。
戻って来てから、花見だ、ショートツーリングだと早速乗り回していますが、たしかにキーON直後はほぼセル回してもかからない。そのあとキルスイッチ切って、もう一度ONにするとスグかかる。
たぶん…
- 元からキャブは問題なかった
- 始動時にプラグの火が時々飛ばない
- かからないからアクセル捻ったりチョーク引いた
- プラグが被る
- ますます掛からない
- (押しがけした場合)シリンダー内が掃気される
- 濡れたプラグが乾く
- かかる(かかり易くなる)
こういう感じ…?
最近は始動にあたって一切、スロットルもチョークワイヤも触ってませんが、かかる。
触れないほうがいいみたいだ。
やっと乗れるようになりました。のるぞ~。