【1月企業物価指数】
 日本銀行が10日に1月の企業物価指数(企業間で取引される財(商品)の価格)を発表。

 1月の企業物価指数は前月比0.6%上昇の97.7(2015年=100)、前年同月比0.5%上昇。前月は1.2%低下。

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 詳細は日本銀行で確認できます。

 1月の企業物価指数は前月比0.6%上昇、前年同月比0.5%上昇と22ヶ月ぶりにプラスとなりました。中国などの需要持ち直しを背景に需給バランスが改善したことや円安になったことから市場予想(前月比0.2%上昇、前年同月比0.0%上昇)を上回っています。
 なお今月から2010年基準から2015年基準に変更されていますが影響はさほどありませんでした。

 企業物価指数の内訳を前月比でみると「石油・石炭製品」(+6.2%)が大きく上昇したほか「化学製品」(+1.9%)、「鉄鋼」(+1.5%)など素材を中心に上昇しました。

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 前年同月比でみると「石油・石炭製品」(+4.0%→+22.3%)や「非鉄金属」(+1.6%→+6.7%)、「鉄鋼」(0.0%→+2.4%)、「農林水産物」(+2.5%→+4.7%)が上げ幅を拡大したほか「化学製品」(▲4.6%→▲1.3%)が下げ幅を縮小しました。

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 需要段階別(国内品+輸入品)にみると前月比では素原材料(+4.3%)が5ヶ月連続で上昇、中間財(+0.8%)が3ヶ月連続で上昇したのに対し最終財(▲0.1%)は5ヶ月ぶりに低下しました。

 前年同月比でみると素原材料(+3.2%→+17.5%)が前年を大きく上回ったほか中間財(▲2.2%→+0.3%)が25か月ぶりに前年を上回りました。一方、最終財(▲1.7%→▲0.6%)は17ヶ月連続で前年を下回りましたが下げ幅は縮小しています。

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 同時に発表されている輸出・輸入物価(円ベース)をみると前月比では輸出物価が横ばい、輸入物価(+1.5%)は4ヶ月連続で上昇しました。細かくみると輸出物価では金属・同製品などが上昇したのに対し電気・電子機器や輸送用機器が低下、輸入物価では石油・石炭・天然ガスや金属・同製品が上昇したのに対し電気・電子機器が低下しています。

 前年同月比でみると輸出物価(▲1.8%→+0.8%)が金属・同製品や化学製品が上げ幅を拡大したため16ヶ月ぶりに前年を上回り、輸入物価(▲2.8%→+4.5%)も石油・石炭製品が上げ幅を拡大したことから25ヶ月ぶりに前年を上回りました。

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 今後ですが円安進行は減速しているものの中国の公共投資拡大から鉄や銅などの価格が上昇しやすい状況は続きそうで企業物価指数は上げ幅を拡大しそうです。

 ただアメリカのトランプ大統領の政策やイギリスのEU離脱の動きなどで需要の予測はしづらくあまり上げ幅は拡大しないかもしれません。


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