別れた妻の生活費を支払うなら | 円満離婚カウンセラーゆらこのわかりやすい離婚の話

円満離婚カウンセラーゆらこのわかりやすい離婚の話

離婚問題をきっかけに自分の望む生き方を実現するためのノウハウを伝授します

こんにちは。行政書士・夫婦カウンセラーのゆらこです。

 

 

男性で熟年離婚を希望される方の中には、「離婚した後も妻の生活の面倒はみたい」とおっしゃる方もいます。

 

特に、稼いでいる方、お金を持っている方は、それが男の甲斐性というか、自分のプライドとしてそうしたいという方が多いようですね。

 

別れた妻に結構な財産を渡した上で、継続して生活費の支払いもしたいという方は珍しくありません。

 

女性側も、若い方と違って今から働いて稼ぐというわけにもいかないことがありますから、それもアリかなとも思います。

 

 

ちなみに、これ読んでる熟年女性の方の中には、「別れても生活費出してくれるのなら、私だったら喜んで離婚する!」と思う方もいるかもしれませんが、実際の当事者になるとなかなかそうもいかないのが普通です。

 

「大金を渡しても離婚したい」と言われる側の心境も、また複雑なのです。

 

 

ところで、離婚後も別れた妻の生活費を払い続ける約束をする場合、約束の仕方によっては面倒なことになりますから、気を付けておく必要があります。

 

離婚して3年くらいであれば扶養的財産分与として認められますが、たとえば元妻の生活費を一生払い続けるとなると、やはり財産分与の範囲は超えていると考えられます。

 

となると、年間110万円を超える贈与をすれば贈与税がかかってしまうという問題もあります。

 

 

また、熟年離婚の場合、そう遠くない将来、どちらかが死んでしまう可能性も、若い人よりは当然高いです。

 

妻としてはずっと生活費を払ってもらえることを期待していても、あっという間に元夫が死んでしまうということもあります。

 

たとえば、元夫から毎年受け取るお金が慰謝料の分割払いであれば、相続人に請求できる可能性もありますが、単なる贈与だとそういうわけにもいきません。

 

ですから、離婚の際の取り決めでは、単にお金をいくら渡すということを決めるだけでなく、どういう理由で渡すかということを明確にして、きちんとした書面にしておいた方が安心です。

 

 

なお、離婚すれば元妻といえども元夫の財産を相続できなくなりますから、元妻の生活を保障するため、自分が亡くなったら元妻に財産を渡す旨の遺言を書くことを思いつく方もいます。

 

けれど、遺言というのは相手の承諾なしに何度でも書きかえることができますから、妻の側としてはたいした安心材料にならないんですね。

 

 

法律上、配偶者であるかないかの違いは大きいです。

 

たとえ別居していても、法律上の夫婦であれば、問題なく生活費を渡すこともできます。

 

また、配偶者であれば、無条件で財産を相続することもできます。

 

ほかにも、配偶者というのは、いろんなところで優遇されています。

 

お金のやりとりの約束さえしておけば、離婚届を出しても問題ないだろうと簡単に考えないで、本当に離婚を選んで良いかどうかは慎重に考えてください。