田んぼの草刈りの本来の意味と 楽々高刈りの利点 | 農道まっしぐら! 愛媛県専業米農家 Inoue Farm

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西予市宇和町 Inoue Farm の米農家経営者として奮闘の日々と、
ちょこちょこ家族との日々生活の様子もご紹介。

 

 

田植えも、早期栽培が終わり、次は、短期栽培・普通期栽培へと移っていきます。

 

田植えが済むと、始まるのが、畦畔(あぜ)の草刈り作業です。

 

田んぼの、畦畔の草をなぜ刈るのか?

 

米農家以外の一般の方などは、理由を知らない人も多いと思います。

 

まぁ、当然、草ボーボーに生やしていると、稲への風通しも悪くなりますし、

 

何より見た目も悪い!(笑)

 

田んぼの畦畔が、常に芝刈りのされたグラウンドのように整備された風景は、

 

見てても大変気持ち良い物です。

 

田んぼを良く管理されている農家の方ほど、地元では、そのように綺麗にされています。

 

しかし、芝刈りされたグラウンドのように、畦畔を管理するのは、相当大変で、労力と時間が大変かかります。(主に、刈り払い機で、ナイロンコードで草刈りされている方が多い)

 

自分は、根性無しの農家なので、同じ真似事は出来ません。。。。^^;

 

勿論、管理する圃場の数も多いと言う事もありますが、

 

実は、知らない農家の方も多いかも知れませんが、地際まで綺麗に芝刈りのように草刈りするメリットは、景観以外メリットが無いんです。

 

田んぼの畦草を、地ぎわまで刈ると、イネ科雑草が、より分けつを増やし、次第にイネ科雑草が

田んぼの畦畔に増えてきます。

 

葉っぱの広い、広葉雑草は、成長点が上の方にある為、成長点が根元にあるイネ科雑草に、

 

新たに芽を出すのに、刈り取られた広葉雑草は、、生育がイネ科雑草に負けてしまいます。

 

地際まで草を刈る方法を繰り返すと、刈る毎に、イネ科雑草が多い、田んぼの畦畔になります。

 

そもそも、田んぼの畦畔の草を刈る主な目的は、稲の籾を食害するカメムシを寄せ付けない事が

大きな目的です。

 

カメムシは、イネ科雑草や、稲の穂が大好きです。

 

その為、田んぼの畦畔に、イネ科雑草が沢山穂を出すと・・・・

カメムシが沢山よってきてしまいます。

 

その時に、稲が穂を出したばかりの所だと、カメムシが田んぼの中に入ってしまい、

米がカメムシの食害にあい、黒い斑点米が沢山出来てしまう^^;

 

そんな事態になります。

 

その為、稲が穂を出す前には、田んぼの周りのイネ科雑草が穂を出す前に刈取りしておくことが

 

大切です。^-^

 

稲が穂を出す頃に、田んぼの周りの畦畔に、イネ科雑草がなければ、

 

カメムシも、稲の穂に、寄りにくく、食害の被害を軽減できます。

 

その為に、草刈り予定表などと言う物を作成して、イネ科雑草の穂を出すサイクルを計算して、

 

稲の穂を出す時期から、逆算して、草刈りの予定を立てています。

 

 

 

長い記事になってしまいましたが、イネ科雑草を減らすために、高さ10㎝~15㎝残しの

 

高刈りでの草刈りを繰り返すと、イネ科雑草は新芽を出しにくく、減っていきます。

 

それにより、カメムシが寄り付きにくい、広葉雑草を畦に増やしつつ(1年で広葉雑草が多くなる場合もありますし、数年かかる場合もあります。)

 

適期の草刈りと防除で、カメムシの食害にあわない綺麗な米作りを目指します!!

 

 

草刈りは、10㎝~15㎝の高さで刈る事で、石などの異物を飛ばす危険も減り、

 

刈り払い機の刃の消耗も減り、燃料代も減り 作業時間も減る!!!

 

そして、何より、カメムシのイネ科雑草の成長を助長せず減らすことも出来る!

 

イイことづくめ♪

 

さらに、地際まで、イネ科雑草を刈っても、10㎝~15㎝高く刈って残しても、

1か月後の、イネ科雑草の草丈は・・・変わりません(笑)

 

しかしながら、地元では、高刈りを、する人が少ないのは・・・・とても勿体ないと感じています。

 

高刈りを始めると、次第に広葉雑草が増える畦畔になり、カメムシも減り、草も高く伸びないので

 

年々草刈りもイネ科雑草の草刈りにくらべ回数も減り、楽になります♪

 

是非、お試しください♪ ^-^

 

 

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