読者の方からいただく質問で、神社仏閣の参道にヘビがいました、というものが時々あります。

「歓迎されていないのでしょうか?」

「よくない前兆でしょうか?」 

と、心配されている方が多いのですが、これは逆なのですね。

ヘビが神仏の代わりに 〝お出迎え〟 してくれているので、喜ばしいことになります。

私も、よくヘビと遭遇します。

熊野本宮に初めて参拝した時も、古道の端っこにヘビがいました。

ヘビは私を見つけると 「あ! 来た来たっ♪」 という感じで、とりあえず私を確認し、それから逃げて行きました。

2冊目の本に書いた元伊勢で出会ったヘビのように、神様がお出かけしている間、留守番をしていて参道を守っている、という場合もあります。

といっても、どの神様も、お出かけするとしても1年のうちのたった1週間程度なので、ヘビはほぼお出迎えと考えていいと思います。

ヘビは神仏の眷属として神仏界にいるものと、邪悪なものとして、暗黒界とでも言いましょうか、悪霊の世界に身を置くものとがいます。

神社仏閣という 〝聖域〟 にいるヘビは神獣のほうのヘビです。

邪悪なヘビは聖域にいることが出来ません。

なので、見かけたらラッキー、というわけです。(だからといって寄って行かないで下さいね。毒を持った危険な種類もいると思われますので)

先日、私は比叡山延暦寺の西塔にある釈迦堂にいました。

そこで最澄さんとお話をしていました。

最澄さんとありがたい会話をして、今回はもうこれで十分、と思っていました。

体も少ししんどかったし、時間もなかったので 「今日はもう横川まで行かなくていいや」 と思った私は、最澄さんにそう伝えました。

今回は横川まで行かずに帰ります、と。(延暦寺には東塔、西塔、横川という3つのエリアがあって、横川だけ少し離れています)

すると最澄さんがニコニコと 「元三大師が待っておる」 と言うのです。

えっ? と思いました。

というのは、私は元三大師と直接会話をしたことがなく、待ってもらえるほど可愛がられているとは、正直思えなかったからです。

しかし、 〝最澄さんが〟 言った言葉です。

最澄さんに限らず、仏様が言った言葉ですので、「絶対に」 誇張でも間違いでもありません。

私を喜ばせるためとか、横川に行かせるためとか、神仏はそんな小細工もしません。

神仏が言った言葉はすべて 〝真実〟 なのです。

元三大師が私ごときを待って下さるなんて、畏れ多いことだと思いました。

「でしたら、喜んで行かせてもらいます」

そう言うと、最澄さんは 「そうなさい」 と言い、ウンウンとうなずいてニコニコしていました。

横川では、横川中堂、恵心堂、元三大師堂、と回ってそれから 「元三大師御廟」 に行きました。

久しぶりの訪問でしたが、やはり元三大師御廟のパワーはすごいです。

あー、そうそう、この感じ、ちょっとした病気なら治るこのパワー、元三大師ってすごいなぁ! と改めて思いました。

そうだ、全国の皆さんに動画でどんな雰囲気なのか、紹介しなくては! と思った私は入口の鳥居をくぐったあたりから撮影を始めました。

すると……廟の手前のところに、ヘビがいたのです。

元三大師は歓迎のしるしとして、ヘビにお出迎えをさせていたのでした。

待っている、と言った最澄さんの言葉は本当でした。

長宴さんもそうですが、この元三大師も高僧であったにもかかわらず、とても謙虚で寡黙なお人柄です。

後ろに控えているような感じで、前に出たりはしません。

ペラペラしゃべるお方でもないので、私にわかりやすいように、ヘビを使ったのだと思います。

神社仏閣の参道や境内でヘビと遭遇した場合、それは喜ばしい出来事である、ということがおわかりいただけたかと思います。

ヘビに遭遇したら、歓迎してもらえている、と思ってさしつかえないです。





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